開催報告(2019年5月19日開催) 映像を通して障害者の自立生活を考えるシンポジウム(日本と台湾)―『こんな夜更けにバナナかよ』

掲載日: 2019年05月20日

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2019年4月26日に台湾で公開された松竹映画『こんな夜更けにバナナかよ』(前田哲監督、橋本裕志脚本)を題材に障害者の自立生活を考えるシンポジウムが、台北の新活力自立生活センター主催、生存学研究所共催で2019年5月19日に台北の主要なシネマコンプレックス、南港喜楽時代影城(Century Asia)にて開催されました。

映画の上映後、当研究所の長瀬修教授、東京家政大学の田中恵美子准教授、全国自立生活センター協議会の山本奈緒子事務局長からの発言がありました。次に、台湾で自立生活を実践している孫嘉梁さんと周志文さんから、初めてこの映画を観た際に主人公に対して感じた違和感や、家族に負担をかけないように自立生活を選択した経験を含めた詳細な感想(下記に中国語の原文を掲載中。翻訳は後日、掲載予定)などが率直に共有されました。また、原作者の渡辺一史さん、監督の前田哲さん、日本ALS協会副会長の増田英明さん(生存学研究所客員研究員)からのメッセージが披露されました。

台湾夜バナ写真すでに一般公開を終えた『こんな夜更けにバナナかよ』の上映とシンポジウムを一般の映画館を借り切って実施した理由について、新活力自立生活センターの林君潔事務局長は、福祉に関係する場ではなく、一般の劇場のインクルーシブな環境で開催したかったからだと話されました。劇場には15名以上の車いす利用者に加えて、ろう者、難聴者をはじめとする障害者の姿も見られたほか、日本の厚生労働省にあたる衛生福利部の副大臣や、国会議員も参加しました。映画をテーマとして、障害者の自立生活を考える貴重な機会となりました。

(立命館大学生存学研究所教授 長瀬修による報告を掲載)

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