2019年度若手研究者研究力強化型「国際的研究活動」

【前期】

採択研究者 黄 信者(HUANG Xinzhe)(立命館大学 国際関係研究科)
研究内容 気功および気功療法について、中国の気功現場でのフィールドワークを順調に進むために、この研究費を応募する。去年は、中国最大規模の気功研究施設、上海気功研究所で5ヶ月参与観察し研究成果を収め、研究員たちと良好なネットワークを作った。今年は、上海気功研究所でのフィールドワークを継続して実施し、また現代気功の発祥地、北戴河気功医院を訪問し、インタービューや参与観察を通してデータを取る予定である。
研究成果報告 気功現場の「気」と「治」――上海気功研究所での気功実践を事例に
採択研究者 藤本直樹(立命館大学 政策科学研究科)
研究内容 インドネシア西スマトラ島におけるツーリズムを通じたエリートと非エリートの垂直的対立の緩和の可能性を社会的企業家の事例を分析し検討する。それは、持続可能なコミュニディヴェロップメントにおける社会的フォースとしてのツーリズムの理論形成を図るとともに、その実践モデルの構築へとつながる。本助成金では、対象地域と事例の状況把握のための基礎データを収集することを第一目的としたい。
研究成果報告 観光社会起業という実践と理論の新たなプラットフォーム構築に向けて-インドネシアにおける探索的研究-
採択研究者 高 雅郁((KAO YA YU))(立命館大学大学院 先端総合学術研究科)
研究内容 台湾における知的障害者本人活動(自我倡導活動)全国ネットワークが2008年から開始し、参加団体は7団体から20団体に増えていく。地域団体の参与は全国ネットワークが継続する不可欠な要素である。今回台湾渡航の目的は、全国ネットワークに参加する複数の団体に訪問し、支援者にインタビュー調査を行い、当該団体の参加経緯と地域で行う本人活動について焦点する。また、自立生活センターと関わる知的障害者も聞き取り予定である。
研究成果報告 台湾における知的障害者の「自我倡導」――日本との連携と「わかる情報」をめぐる課題

【後期】

採択研究者 酒向 渓一郎(立命館大学 先端総合学術研究科)
研究内容 スンバ島では、人は馬と独自の関係を形成してきた。スンバ島に生息する馬は、もとはアラブ商人により19世紀初頭にもたらされ、その後のオランダ統治下において、貴重な輸出品となった。馬は、供儀や交換財に用いられ、親族集団間の結束や社会階層の維持に活用される。しかし近年、競馬産業の進出にともない、これまでの馬をめぐる価値観も大きく変わりつつある。こうした背景に着目し、本研究では現代のスンバ島における馬の利用と価値観の変化を辿ることで、「人―馬」関係を中心としたスンバ社会の文化変容の動態を明らかにする。
研究成果報告 『動物も社会の一部?—スンバ島の死者儀礼における家畜の利用法から—』