目次

はじめに 「異なり」の力学とマイノリティ研究   5
序章 思想と政治体制について――ソ連における精神医学と収容所についての覚書
天田 城介 13

第1部 「異なり」の分岐と包摂の臨界
第1章 学校教育におけるエンパワメントの可能性と限界
  ──社会的困難を抱える生徒への臨床教育実践から 梁 陽日 68
第2章 〈病い〉に刻印された隔離と終わりなき差別
  ――「黒川温泉宿泊拒否事件」と「調査者」の関係性を事例に 吉田 幸恵 88
第3章 パンフレットからYoung Hemophiliac Club へ
  ――血友病者本人の活動へのうねり 北村 健太郎 114
第4章 異なる被差別カテゴリー間に生じる〈排除〉と〈連帯〉
  ――在日韓国/朝鮮人共同体における「レズビアン差別事件」を事例に 堀江 有里 141
第5章 「主婦によるオルタナティブな労働実践」の岐路 
  ――ワーカーズ・コレクティブはどう変わっていくのか  村上 潔 166
第6章 労働に性別は必要なのか? 
  ――性別違和をもつ人の職場における生存戦略 高橋 慎一 191

第2部 社会調査の実践的課題
【座談会】研究に課された倫理と実践における問い
  ――被調査者/当事者/生活者/活動者との間で揺れる「研究者」なる存在とは何か
出席者:永田貴聖/有薗真代/堀江有里/北村健太郎/山本崇記(司会)ほか 222
第1章 社会調査の方法と実践
  ――「研究者」であることの範域をめぐって 山本 崇記 294
第2章 水俣病史における「不知火海総合学術調査団」の位置
  ――人文・社会科学研究の「共同行為」について 森下 直紀 319
第3章 突き返される問い
  ――「研究」「研究者」「大学」を問う手前で考えるべきこと 北村 健太郎 349
第3部 講演録
【講演】多民族国家構想とマイノリティ
  ――多民族・多文化「共生社会」は可能か
佐藤 信行(在日韓国人問題研究所) 377