第6章 異なる身体のもとでの交信——COE&新学術領域研究で目指すもの

立岩 真也(立命館大学大学院先端総合学術研究科教授)

 私たちは、「グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点——障老病異と共に暮らす世界の創造」(2007年度から2011年)の研究の三つの柱として「集積と考究」「学問の組換」「連帯と構築」を掲げた。そしてその二つめ「学問の組換」では、三つ「教育研究機構の構築」「技術開発支援」「研究技術倫理」を掲げている。ここで「教育機構の構築」とは、より具体的には「障老病異」の「本人」が研究できる体制を作ることを指している。
 また、2008年度から新たに募集が始まった科学研究費の「新学術領域研究(研究課題提案型)」に、「異なる身体のもとでの交信——本当の実用のための仕組と思想」という研究企画案を提出し、採択された(2008年から2010年)。
 そしてCOEの三つめ「連帯と構築」では、とくにNPO・NGOとの共同作業・研究を掲げ、また国境超えた連帯・支援の仕組みの構築を掲げている。(だから第5章は、この企図の一部でもある。その意図と成果については本章では略させていただく。今後成果を発表していく。また、稲場雅紀・山田真・立岩真也『流儀——アフリカと世界に向い我が邦の来し方を振り返り今後を考える二つの対話』(生活書院、2008)に収録されたアフリカ日本協議会の稲場雅紀さんへのインタビュー、稲場さんの文章、また「アフリカのエイズに向かうNGOをすこし手伝う」という立岩の文章も収録されている。)

 この冊子は、その——障害のある人が情報を普通に使える仕組みを作っていこうという企画の——さっそくの成果の一部であるとともに、これから作っていこうとするものを作っていくための準備の一部でもある。そこで、COEの応募書類の該当箇所(これはごく短い)と、それから新学術領域研究の応募書類を一部省略して、掲載する。
 ただ、この冊子が主題とするのは、視覚障害に関わり、文字情報の入手に関わる部分であり、他は別途ということになる。その理由はまずは簡単な理由であり、現在3人の視覚障害をゆうする大学院生が、立命館大学大学院先端総合学術研究科に属する大学院生であり、COEのメンバーであることだ——2009年度には、少なくとももう一人、増えることになる。その人たちにとって、文字情報の入手はどうしても必要なことである。一人(植村)はそれを自身の研究のテーマにしているわけではないが、本はたくさん読む人であり、読まねばならない人だから、スキャナを使ってテキストデータ化された文字を最も読む人でもあり、テキストデータを提供してくれないかと出版社にかけあってもきた人である。その副産物のようなものとして、論文を書いた。本冊子に収録された第4章は、それをもとにさらに書き足して出来た。また一人()はずいぶん前に韓国から日本にやってきた人であり、大学院生であるとともに、おもに視覚障害のある人のための機器を開発し販売している会社の社員でもある。そして一人(青木)は、まさに障害学生支援・情報保障を研究の主題にしている。
 別途の部分について、簡単に説明しておく。一つは、聴覚障害の人の交信関係である。手話、そしてノートテイク、パソコン要約筆記などと呼ばれている方法が使われているのだが(後二者は現在は実際にはそう違わないやり方がとられてもいるようだ)、すこし前から使えないかと考えているのは音声認識ソフトで、すこし試し始めている(試用期間を経て、2008年度の予算で、とても高額なAmi Voiceというソフトを購入した。)あまりうまくいく感じが今のところしない。けれど、どこでもそしていつまでも人力で、というわけにもいかないとすれば、この方法がうまく行くように、企業の人にもがんばってもらえるように、こちらでいろいろと試してみようと思う。
 もう一つは、身体が動かない人の交信の関係である。以下に引用する書類にいくらか記されているので、それを読んでいただければだいたいのところはわかっていただけるだろう。そして、既に幾つか大学院生の研究成果もある。2009年度には、それをまとめたものを発表する予定である。
 書類の引用・紹介の前書きの最後に、視覚障害の人の関係にもう一度戻す。第1章・第2章を読んでいただいてもわかるように、問題は、具体的で細々とした技術の問題であるとともに、あるいはそれ以前に、社会の仕組みの問題てである。いまどきの本のもとになっているのはもちろんコンピュータのファイルであり、それは容易にテキストデータにできる。いったん紙に印刷されたものを読み取ってテキストデータにするよりも当然手間がかからない。しかし、第3章・第4章からわかるように、技術的には簡単なそのことがそう簡単にいかない。どうしたらよいか。このことについても、行政・出版・研究の分野にいる人たちの小さな研究会(座長:松原洋子)を組織し、関係者からヒアリングを行ない、集中的に検討している。それをまとめ、提言を2009年度内に発表する。
 提出した書類の全体、これまでの経過、成果等は、すべて私たちのHPhttp://www.arsvi.comに掲載されているし、掲載されていく。もちろん、この媒体が——使い方を間違えなければだが——アクセシブルな媒体であるからでもある。ときどき見ていただきたい。

グローバルCOE「生存学」創成拠点——障老病異と共に暮らす世界の創造・申請書類(2007.2提出)より

□拠点形成計画の概要より

 なにより日常の継続的な研究活動に重点を置き、研究成果、とりわけ学生・研究員・PDによる研究成果を生産することを目指す。効率的に成果を産み出し集積し、成果を速やかに他言語にする。そのための研究基盤を確立し、強力な指導・支援体制を敷き、以下の研究を遂行する。
 Ⅰ 身体を巡り障老病異を巡り、とくに近代・現代に起こったこと、言われ考えられてきたことを集積し、全容を明らかにし、公開し、考察する。◇蓄積した資料を増補・整理、ウェブ等で公開する。重要なものは英語化。◇各国の政策、国際組織を調査、政策・活動・主張の現況を把握できる情報拠点を確立・運営する。資料も重要なものは英語化。こうして集めるべきものを集めきる。それは学生の基礎研究力をつける教育課程でもある。◇その土台の上に、諸学の成果を整理しつつ、主要な理論的争点について考究する。例:身体のどこまでを変えてよいのか。なおすこと、補うこと、そのままにすることの関係はどうなっているのか。この苦しみの状態から逃れたいことと、その私を肯定したいこととの関係はどうか。本人の意思として示されるものにどう対するのか、等。
 Ⅱ 差異と変容を経験している人・その人と共にいる人が研究に参加し、科学を利用し、学問を作る、その場と回路を作る。当事者参加は誰も反対しない標語になったが、実現されていない。また専門家たちも何を求められているかを知ろうとしている。両者を含み繋ぐ機構を作る。◇障害等を有する人の教育研究環境、とくに情報へのアクセシビリティの改善。まず本拠点の教育・研究環境を再検討・再構築し、汎用可能なものとして他に提示する。また、著作権等、社会全体の情報の所有・公開・流通のあり方を検討し、対案を示す。その必要を現に有する学生を中心に研究する。◇自然科学研究・技術開発への貢献。利用者は何が欲しいのか、欲しくないかを伝え、聞き、やりとりし、作られたものを使い、その評価をフィードバックする経路・機構を作る。◇人を相手に調査・実験・研究する社会科学・自然科学のあり方を、研究の対象となる人たちを交えて検討する。さらにより広く研究・開発の優先順位、コストと利益の配分について研究し、将来像を提起する。
 Ⅲ このままの世界では生き難い人たちがどうやって生きていくかを考え、示す。政治哲学や経済学の知見をも参照しつつ、またこれらの領域での研究を行い成果を発表しつつ、より具体的な案を提出する。◇民間の活動の強化につながる研究。現に活動に従事する学生を含め、様々な人・組織と協議し、企画を立案し実施する。組織の運営・経営に資するための研究も並行して行い、成果を社会に還元する。◇実地調査を含む歴史と現状の分析を経、基本的・理論的な考察をもとに、資源の分配、社会サービスの仕組み、供給体制・機構を立案し提示する。◇直接的な援助に関わる組織とともに政策の転換・推進を目指す組織に着目。国際医療保険の構想等、国境を越えた機構の可能性を研究、財源論を含め国際的な社会サービス供給システムの提案を行う。

□6.研究活動の計画→① 研究活動の具体的な達成目標より

 Ⅱ【学問の組換】1[教育研究機構の構築]障害等を有する人が研究するための機構・体制作り。①とくに情報へのアクセシビリティ。まず組織内でできることは何か、これまでの試行を踏まえ、研究し試行を繰り返す。その成果として、実現可能な機構を作り提案する。②著作権・特許権等、規範的な問題についても調査、検討、提言。切実な必要を有する3名の学生が中心となる。2[技術開発支援]本拠点自体は開発を行わない。利用者は何を欲しているのか、何を欲しくないかを伝え、聞き、やりとりし、作られたものを使い、その評価をフィードバックする経路・機構を作る。このことをもって自然科学研究・技術開発に貢献する。例:動作を支援する工学技術。例:遺伝子医学への期待にどう対するか。3[研究技術倫理]人を相手に調査・実験・研究する社会科学・自然科学のあり方を、研究の対象となる人たちを交えて検討する。さらにより広く、研究・開発の優先順位、コストと利益の配分について研究し、将来像を提案する。

科学研究費・新学術領域研究(研究課題提案型)「異なる身体のもとでの交信——本当の実用のための仕組と思想」申請書類(一部略、2008.5提出)より

□A−ⅰ.研 究 の 全 体 構 想

 本研究の革新的・独創的な点がわかるように工夫しながら、研究の全体構想を説明してください。説明は、文章(1000字以内)と概念図(複数でも可)の両方により行ってください。また、本研究を特徴づけるキーワードを提示してください。
 なお、本調書A項目部分はマスキング審査に付されます。A項目全体を通じて、以下の点に留意してください。
 ①特定の個人を識別する個人情報(氏名や所属機関等)に関する内容について記述しないでください。
 ②記述する必要がある場合、「研究者氏名」については、「研究代表者」「研究分担者①」「研究分担者②」・・・、「所属機関」については「A機関」「B機関」・・・などのように容易に特定できないよう工夫して記述してください。

 今は誰もがバリアフリーやユニヴァーサルデザインという言葉を知っていて、誰も反対しない。しかし特にコミュニケーションについて、実現されてよいことが実現されていない。そして問題の多くは技術自体ではなく、文化的・社会的・制度的な領域に存在する。情報の交信と共有に不具合を生じる身体とコミュニケーションの技法/技術をめぐる問題系は、福祉工学・社会福祉学・情報学・神経科学といった既存分野を超えた斬新な課題設定のもとで再編され、学術的検討に付される必要がある。本研究では、社会学・大脳生理学・哲学といった異なる専門領域で、視覚障害・聴覚障害をもつ当事者を含む先端的業績を上げてきた研究者たちが中心となり、この課題の提示と新領域創成に向けた研究に取り組む。
 具体的な研究内容は以下の通りである。
 □Ⅰ交信の仕組
 ◇1見えない人にはコンピュータ可読ファイルが便利だが、その流通が妨げられている。その要因を調べ、著作権など法的な問題の検討も行ない、供給の仕組を作る。
 ◇2手話を使わない聞こえない人に対して、人が音声をその場で文字化していくPC要約筆記が使われるが、それをどこまで普及させられるか、ソフトにより音声を文字化する仕組みの採用・併用の可能性について、技術を開発し製品を提供している企業とも協議し、検討する。
 ◇3動かなくなる身体の人との交信について。ここでは一つ、身体の微細な動きへの対応、時間とともに変化していく身体に対する個別の対応が必要である。その支援の歴史と現在について調査研究し、これからの仕組みを構想し構築する。さらに脳波や脳血流を用いた送信法について、その現状と可能性について調査し研究する。
 □Ⅱ身体と装置の思想
 ◇1どこまでも感覚・交信のために身体を変容させ機械を装着することが認められてよいのか。聾者の手話を守るために音の聞こえる子を産まないことを認めるべきだといった主張も含め考察する。
 ◇2技術や制度による補填には遅れが伴う。また費用を社会的に負担することにしても負担は均等ではない。例えば日本手話と日本語のバイリンガルは一つの案だが、健聴者は二つを習得したりはしない。しかも日本語の方は相対的にうまく操れる。補助技術が進むことでかえって自己責任が問われることもありうる。どう考えるか。
 ◇3むしろ多数派が合わせるべきだという主張もある。例えば知的障害の人からの「わかるように」という要求にどう答えたらよいか。とくに学問の領域ではそれは無理難題とも思われる。しかし何かはできるのだろう。それは何か。
 ・キーワード:情報へのアクセビリティ/言語と身体/障害

□A−ⅱ.研究目的
 本欄には、全体構想にもとづいて、本研究の具体的な目的を説明してください。なお、記入にあたっては、冒頭にその要旨を記述した上で、適宜文献を引用しつつ記述し、特に次の点については、焦点を絞り、具体的かつ明確に記述してください。
①研究の背景(本研究に関連する国内・国外の研究動向及び位置づけ)
②着想に至った経緯、あるいは研究の必要性
③研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか。
④期待される結果と意義、及びブレークスルーの可能性
⑤研究の革新的・独創的な点及び従来の分科・細目区分では採択されにくい挑戦的な点。

①研究の背景
 研究教育機関における視覚障害等をもつ学生・院生への対応は、喫緊の課題である。だが今の状態では例えば文字情報を得るのに困難がある。また学会の大会等で聴覚障害者のための情報保障を行なう。たが今の仕組みはかなり大がかりなもので、保障を使命と考える一部の学会以外はその体制を用意しない。
 そして、こうした仕組みの必要と不在とは、むろん研究教育の場面に限らない。例えば神経難病の人はその身体の微細な動きを使って交信するが、そこでは個々人の差や身体の変化に応じる必要がある。その必要に少数の熱心なボランティアが対応してきた。しかしそれは多くの人たちが沈黙のもとに置かれてきたということでもある。
 さらに私たちは、基本的に技術とその普及に期待しているが、そこに様々考えるべきことがあることも感じてきた。例えば、どうしてもできないことは残りそうであり、またできない人は常に存在する。他方、脳機能を含む身体の改変・変更は、なぜ、どこからが制約されるのか。その方面の研究は世界的にも端緒に着いたばかりである。また狭義の応用倫理学的・科学社会学的な接近だけでは足りない。より原理的な、同時により実践的な研究が必要である。

②着想に至った経緯、あるいは研究の必要性
 研究代表者は大学院で実際の必要にはそれなりに対応してきた。例えば研究科やプロジェクトのHPに可能な限りのデータを収録・掲載し視覚障害者他の利用に供してきた。学会や講義で人が音声を聞いて即時にコンピュータで文字にするPC要約筆記等の情報保障体制をとった。また、音声を文字に自動変換するソフトを開発販売している(情報保障のための利用を当初想定していなかった)企業と学会大会等における実用化に向けてのやりとりを始めた。また大学での情報保障を研究する院生、出版社によるテキストデータ提供について研究する院生、視覚障害者の情報機器を開発販売する企業に勤めその研究をする院生(いずれも視覚障害者)と研究を進めてきた。同時期、大学が障害学生支援室を置いて活動が始まり、その支援室との共同研究も始まっている。
 また、研究代表者と連携研究者Aは、神経性難病の人たちのコミュニケーション支援に関わるプロジェクト研究に従事してきた。文字盤やPCにつなげるスイッチを実際に使う人、その使用を支援している人たちに聞き取りを行なったり、本人同士の遠隔交信環境を作り実際に交信することを支援しつつそのあり方を研究してきた。このような研究活動から、より大きく研究を展開し、どこでも使える仕組みを考案し提案していることが必要であり、またその実現可能性はあると考えるに至った。
 これらとまったく同時に、考えるべきことに直面してきた。文字と点字、文字と音声というだけでは相互の変換自体にはそう深刻な問題はない。しかしまず習得に関わる負担を巡る問題は残る。それを、いつか技術が十全に発達すれば解決するとして考えずにすますことはできない。機械の性能の問題は大きく、それを使う場合の不利は実際には解消されない。また、例えば複数の交信手段を習得することはよいとして、実際には少数派だけがそれを強いられ、そのことに関わる不利も解消されない。研究分担者Aは、聴覚障害児の教育に長く関わり、現在は大学教員をしながらそれを研究してきた。私たちはそれらを巡って議論してきたが、さらにそれをより一般的な問題として考察するべきであると考えるようになった。
 研究代表者は、分担研究者Bと連携研究者A、複数の視覚障害者や障害者支援に関わる専門職を含む多くの院生とともに、多様なプロジェクトを展開してきた。本研究は、こうした個別的・各論的研究実践の経験と成果を基礎とし、関係する理論的・実証的研究業績を発表し社会的活動を展開してきた有力な研究者、なかでも視覚障害や聴覚障害をもってその研究・活動を行なってきた分担研究者C、分担研究者D、連携研究者B、大脳生理学者であるともに医療社会学の業績のある分担研究者Eを加えて、既存の研究分野の枠組みでは扱えない新たな問題系と課題を提示し、研究を遂行するものである。

③研究期間内に何をどこまで明らかにしようとするのか
 基本の目的は、仕組みを考案し実用化し普及を加速させることにある。一つ、まず学会大会や大学大学院での授業等で使える情報保障の仕組み。一つ、文字情報の供給・入手の仕組み。一つ、身体が容易に動かない人の交信の仕組み。これ自体が研究だが、それは全ての研究の条件を整備する研究でもある。どんな研究を推進するにせよ、その前提として、身体の状態がどうあれ人が研究に関われる体制をとることは当然のことであり、その当然のことを実現する。
 そのために、事態を難しくしている、また改善につながりうる制度的・社会的要因を調べ、取り除くべき部分を取り除くこと、また付加すべき部分を付加することを提案する。著作権など法的な問題とされるものが本当に問題なのかも確認されていない。複数の選択肢がある場合、また各々に付される条件を変えることができる場合、それぞれにかかるコストと得られる便益とを比較考量し、最善・次善の解を示す。また現実に使用可能な社会資源・知識を整理し提示する。一つひとつは細かなことの積み重ねであり組み合わせであるが、それがなされなかったために、可能であるにもかかわらず実現していない状態がもう長いこと続いている。その状況を打破するための活動を行なう。
 以上で技術は、使えるなら肯定される。だがそれだけでいかない部分がある。まず技術的な解決が少なくとも当面難しい領域がある。例えば日本手話と日本語など二つ以上の言語がある場合。これは多文化主義・多言語主義の問題としても考えられてきた。また翻訳(不)可能性の問題として論じられてもきた。前者では多言語状況は基本的に肯定され、バイリンガリズムが推奨される。しかし実際には多数派は手話を学ばない。そしてそれですんでいる。となれば両者の不均等はやはり存続する。とした場合にどうすればよいか。これはなかなかに困難な問題である。これからの社会を実際にどうするのか、またできるのかという視点から検討する。そのために、身体に対する付加・補足・変容の技術の歴史を明らかにすることも行なう。

④期待される成果と意義、及びブレークスルーの可能性
 可能であるはずであるにもかかわらず実現しなかったことを実現させる。
 ◇一般書籍の相当部分について、出版社との調整を行ない、その提供を行なう組織の運営に協力し、ひとまず現行法の許容範囲内で、テキストデータの提供を実際に可能にする。その延長線上に(画像としてのではなく)文字データの蓄積・公開の方法・方向を提示する。
 ◇授業や学会などでの情報保障について、音声→文字への自動変換技術の可能性も含め、もっとも合理的・効率的な方法を提案する。使用できる資源・情報をパッケージとして提供する。これも音声情報全般の(音声だけでなく文字としての)集積の仕組みの構築につながりうる。
 ◇身体のわずかな動きを用いる発信について、それを誰もがどこでも使えるような人の配置、制度的仕組みが提案される。さらに、この技術の利用を東アジアに広げる。
 ◇思想的社会的主題がここにあることは理解されるようになっているが、世界的に見ても、現実の問題に即した考察・研究はなされていない。本研究の理論的な成果は、まず日本語の書籍として刊行され、ついで英語書籍として刊行される。
⑤本研究の革新的・独創的な点及び従来の文科・細目区分では採択されにくい挑戦的な点
 社会福祉学また教育学の一部でも研究はある。工学の一分野として福祉工学がある。それぞれ重要な研究がなされている。しかし第一に、研究機関や企業による今までの研究成果を利用しながら、その実用化・普及を妨げている要因を点検し、問題点を解消・軽減し、技術と人と仕組み・制度をつないで、実際に使えるものにしていく研究は従来の区分の研究ではなされてこなかった。障害学の領域とも言えるが、これも分科・細目区分には存在しない。またICT活用における障害者交信の制度的バリアの研究も、情報学や複合新領域の細目には該当しない。
 技術はおおいに実用化され普及してほしいが、第二にそれだけですまない問題、むしろ新たに生じる問題がある。それは生命倫理学やニューロエシックスの主題でもあるが、現在のところ、問題の社会的性格を踏まえた研究業績は多くない。問題の社会的倫理的側面を知る大脳生理学者も加わり、社会科学・人文科学の研究者と協働して研究を進めていく必要と意義がある。

□A−ⅲ.研 究 計 画 ・ 方 法
 本欄には、研究目的を達成するための具体的な研究計画・方法について、冒頭にその要旨を記述した上で、平成20年度の計画と平成21年度以降の計画に分けて、適宜文献を引用しつつ、焦点を絞り、具体的かつ明確に記述してください。ここでは、構想を具体化するための研究手法等について述べるとともに、研究計画を遂行するための研究体制について、研究代表者及び研究分担者の具体的な役割(図表を用いる等)についても述べてください。また、研究体制の全体像を明らかにするため、連携研究者及び研究協力者(海外共同研究者、科学研究費への応募資格を有しない企業の研究者、大学院生等)の役割についても必要に応じて記述してください。

○概要
◇ 以下に列挙する研究課題の多くについて、大学、大学院、大学の障害学生支援室、学会大会の実行委員会、障害者難病者の日常的な交信、国際的な集会、等の実際の運営を自らが行ないながら、その現場において研究を遂行し、その結果を次に生かす形で研究活動を進める。
◇ 多くの主題・課題について大学院生・PD(日本学術振興会特別研究員とCOEの資金で雇用しているPD)のテーマ・問題意識を活かし、教員が協働して研究を進める。研究分担者とはメーリング・リストとHPを利用し連絡をとりあいながら研究を進める。
◇ 研究の刻々の成果、得られた情報で公開可能なものの全てを、現在のところ最もアクセシブルなメディアである研究代表者所属研究機関のウェブサイト(収録ファイルへの全アクセス数は年間700万超)で公開し、あらゆる人の利用に供する。

○平成20年度
 ○Ⅰ交信の仕組
 ◇1おもに視覚障害の人に
 ①現在、スキャナにかけ、OCRソフトで文字コードにし、人が校正してファイル化するという手順で文献のテキストデータを入手、拡大文字や音声にする方法がある。手間がかかるうえ、基本的に利用者単独の使用に限られる。製版用のファイルをテキストファイルにできるからそれを使えばそのコストは本来不要だが、一冊の本を読むのに10万円近くかかることがある。出版社側に提供を困難している事情を聞く。提供している出版社に実情を聞く。
 ②著作権の問題について、現行の法令のもとで問題はないのか、あるとすればどのような変更が必要なのか調査する。文献を検討する他、専門家から意見を聞き、方針を確定する。
 ③出版社と契約を結び、テキストファイルの読者への提供と代金の受け取りを行なう民間組織が立ち上がろうとしている。この企画に当初から関与し、実用化を目指す。
 ④学術論文はすでにオンラインでの提供がかなりなされている。ただアクセシビリティについてはあまり考えられていないことが多い。現在あるものに加え、あるいはそれを補って、何を行なうのが最も効果的あるのかを検討する。
 ⑤大学の障害学生支援室と連携し、この年度内に、文字のテキストデータ化のためのマニュアルと全国の障害学生支援概要を調査した結果の報告と合わせた冊子を作成し、全国の大学・研究機関等に配布する。
 ◇2おもに聴覚障害の人に
①既存の音声→文字化ソフト(国会・地方議会の議事録作成などに使われている)を講義・講演・学会報告で即時に実用的に使用することができるのか、研究の状況を調査、既に商品化されている製品について現状と改善の可能性について研究し、広範な利用の可能性を追求する。
②PC要約筆記を提供する全国各地の団体の概要、活動の実態を調査しまとめる。多くはボランティア団体として発足しているが、現在は支払いがなされることも一般的である。需要の増大に対応できるのか、要約筆記の仕事が有給の仕事として成立しうるのか、等を調査する。
 ◇3おもに不動の身体の人に
①身体障害、神経難病の人たちについて、文字盤、顔や手足の筋肉の動きを使うスイッチ、視線やまばたきを使用するコミュニケーション手段がある。1970年代から、壁に大きな文字の表を貼り、それを見る視線を追って読み取るといったことがなされてはいた(その資料の一部は、既に患者自身によるHPに掲載されはじめている)。その時期からの様々な試み・営みについて、手記などを含む文献を用い、また長年その活動に携わってきた、日本ALS協会近畿支部他の人たちに聞き取りを行ない、まとめる。技術開発の側によって、過去、とくに過去の失敗が文字化されることは多くない。他の主題についても歴史を調査しまとめることを本企画の一環として行なう。
②このような手段を用いる場合、個々人の差がとても大きく、また身体の状態が短い間に変化することもある。個々人とその変化に合わせた支援の体制をどのように作るか。日常的な介助にあたる人、スイッチの提供や調整に当たってきた人などに聞き取りを行ない、支援技術を有する人を増やし、どこでも使えるようにするためにどんな仕組みが必要かを調べる。
③Skypeなどのインスタント・メッセンジャー機能を利用した交信の場を設定し、あるいはそこに参与し、その日常的・安定的な利用に向けた研究を2006年度から連携研究者Aとともに開始している。それを継続し、より実用的なシステムとする
④脳血流や脳波を用いる発信技術もある。ならば脳が動いている限り原理的には交信が可能ということになる。ただ、この手段しかなくなってしまった後にこの技術を習得するには困難もあるようだ。実際にこの技術を使っている人にとってこの技術がどんなものなのか、調査は困難だが、調査する。実際に使う人が増えるための条件について検討する。

 ○Ⅱ身体と装置の思想
 ◇1境界・限界について
 どこまでも感覚・交信のために身体を変容させ機械を装着することが認められるか。本人が決めるというのが一つの案ではあるが、では子はどうするのか。聾者の手話を守るために音の聞こえる子を産まないことを認めるべきだといった主張があり、この是非が議論されたことがある。それは認められないと思う人が多いはずだが、認めよという主張の側にも理はある。関連する議論を参照し、検討する。例えばニューロエシックスと称される領域での議論はどこまで有効か、検証する。そしてその考察のためにも、身体の変容や機械の装着の経験が当人に何をもたらすのかを調査する。
 ◇2残される不利について
 それでも様々が行なわれるだろうし、行なってよいだろう。しかし技術や制度による補填には遅れが伴い、模倣は模倣の対象には届きにくい。少なくとも今のところはあまり使えないものが推奨され、使われるのだが、結果は芳しくないことがある。
 またかかる費用を社会的に負担することにしたことしても、負担は均等ではない。例えば、手話が言語であることがようやく認められ、その使用が頭ごなしに否定されることは少なくなった。だが、依然として聴覚障害者は不利な立場にいる。日本手話と日本語のバイリンガルが一つの案なのだが、健聴者はこの二つを習得したりはしない。しかも日本語の方は相対的にうまく操れる。少数派だけがコストを引き受けつつ、多数派の言語を多数派ほどできない。補助技術が進むことでかえって自己責任が問われることもありうる。結局少数派に不利な状況は変わらない。このことをどう考えたらよいか。どのようなあり方がありうるのか。 多文化主義・多言語主義と「同化」を巡ってなされてきた議論をも参照しながら調査・研究する。
 ◇3多数派への要求について
 自らの側を変化させる、あるいは自らの身体に補うという方向(1)に行っても解消されない部分をどうするかという問題(2)への答の一つは、「あなた方がこちらに合わせればよい」というものである。例えば知的障害・学習障害・発達障害等の人が「私たちにわかるように言ってくれ、書いてくれ」と要求する。
 とくに高等教育・研究の領域では、それは無理難題だとも思われる。しかし、何かはできるのではないか。それは何か。あるいはその要求を拒否できるとしたら、どうしてか、拒否できるのはどのような場面においてか。これらについてもまた考えてみる。
その考察・研究のために、知的な障害があるということ、また新たにそれを経験するということがどんなことであるのかを、これを知ること自体に難しさがあるのだが、描く必要がある。
 注記:本企画は新しい課題を提示するものであり既存の研究業績は少なく、しかもその多くは本企画に 関わる研究者のものであるため、匿名性の確保のためここに記すことができない。ともに研究を進めてきた(代表者・分担研究者・連携研究者以外の)若手研究者の論文名のみ、ここでは視覚障害に関連するものに限り、以下例示する。
 「出版社から読者へ、書籍テキストデータの提供を 困難にしている背景について」
 「視覚障害学生支援と著作権——視覚障害学生への情報保障をてがかりとして」
 「変容する身体の意味づけ——スティーブンスジョンソン症候群急性期の経験を語る」
 「障害者が『なおる』ことを考えるとき——失明と手術による視力回復を経験した一女性のライフヒストリー」

○平成21年度以降
 以上の研究を継続し、着々と成果を発表していく。以下、21年度以降における実験を兼ねた企画と、とくにその発表の場について、成果を公開する方法とについて記す。
 平成21年度
 ◇研究代表者の所属機関が2009年(平成21年)の障害学会第6回大会の開催校となる。2007年の第4回大会も同じ会場を用い、手話通訳とPC要約筆記を配置した。そのときの準備・実施の記録がある。最初の対応でなく二度目の対応になった時、開催側の負担は軽減されるだろう。両者を比較する。そしてそこから、開催主体と別組織が情報保障をパッケージとして提供するという形態の可能性を検討し、実現可能と判断されたら、その準備にはいる。
 また音声→文字ソフトを用いる仕組みが実用可能であるのかを事前に検討し、可能性があると判断すれば、PC要約筆記と並行させて、実施する。そしてその両者の結果を比較検討する。
 ◇2006年度から開始している国内での企画で得た知識技術を活かし、2008年から2009年にかけて、民間の財団の助成も得て(申請中)、日本・韓国・台湾・モンゴルの神経難病の人とその関係者の会議を、日本と韓国とを会場として行なう。それ以外に、それぞれの地域をインターネットで結んで打ち合わせ、会議を行なうとともに、報告書を刊行する。が、その報告書においてもコミュニケーションは重要な主題として取り上げられることになる。
  平成22年度
 ◇2008-9(平成20-21)年度の視覚障害、聴覚障害の人々への情報支援に関する試行・研究の成果として、すくなくとも学会大会やシンポジウムその他において、効率的・合理的な方法で情報保障を行なう方法を提案する。
 ◇神経難病の人々との東アジアネットワーク形成および技術の検討をすすめ、最終報告書を刊行する。
 ◇多文化主義・多言語主義、同化主義、脳科学、ニューロエシックスといった言葉とともに様々に語られてきたことを整理し、それと私たちの調査研究とをつき合わせ、理論的に詰めた論文を集録する論集を企画・編集し、書籍として刊行する。
 ◇以上の成果については、随時HPhttp://www.arsvi.comをはじめとするウェブサイトで発信する。

A−ⅳ.人権の保護及び法令等の遵守への対応(公募要領6頁参照)
 本欄には、本研究に関連する法令等を遵守しなければ行うことができない研究(社会的コンセンサスが必要とされている研究、個人情報の取り扱いに配慮する必要がある研究及び生命倫理・安全対策に対する取組が必要とされている研究等)を含む場合に、どのような対策と措置を講じるのか記述してください。なお、該当しない場合には、その旨記述してください。

 本研究は、人文社会系の方法により実施し、身体への直接的侵襲を伴う実験等は行わない。聞き取りやフィールドワークにおける研究対象者の保護については、障害をもった人々など弱者の研究参加について特に配慮する。研究対象者には、事前に研究計画について説明し、適切な方法により参加への承諾を得る。必要に応じて学内倫理委員会の審査を受ける。

A−ⅴ.研究経費の妥当性・必要性
 本欄には、「研究計画・方法」欄で述べた研究規模、研究体制等を踏まえ、次頁以降に記入する研究経費の妥当性・必要性・
積算根拠について記述してください。また、研究計画のいずれかの年度において、各費目(設備備品費、旅費、謝金等)が全体の
研究経費の90%を超える場合及びその他の費目で、特に大きな割合を占める経費がある場合には、当該経費の必要性(内訳等)を記述してください。

 ◇初年度に音声認識ソフト一式を購入する。2007年夏から幾度か説明を受け試用しているものであり、実用化の可能性はあると判断した。ただ今の製品のままでは音声と同時の文字表示を実現するのは困難なようであり、その限界を確認し、他の方法との併用——基本的にはこのソフトを使いつつ、人が介在して修正を加えていくなど——を検討しながらの使用となるはずである。
 ◇他は、上記のソフトの試用・使用も含め、音声データ→文字データ、(活字・墨字の)画像データ→文字データへの様々な手順による加工作業に関わる人件費、聞き取り調査に伴う費用、専門的知識の提供に対する謝礼、データの収集、得られたデータの整理・集積・HPへの掲載のための人件費が大きな部分を占める。よって人件費の占める割合が高くなる。

A−ⅵ.設備備品費の明細 [略]
A−ⅶ.消耗品費の明細 [略]

B−ⅰ.今回の研究計画を実施するに当たっての準備状況等
 本欄には、次の点について、焦点を絞り、具体的かつ明確に記述してください。
①本研究を実施するために使用する研究施設・設備・研究資料等、現在の研究環境の状況
② 研究分担者がいる場合には、その者との連絡調整状況など、研究着手に向けての状況(連携研究者及び研究協力者がいる場合についても必要に応じて記述してください。)

①現在の研究環境の状況
 立命館大学生存学研究センターおよび人文社会リサーチオフィスに事務局を置き、研究に伴う実務的支援を受ける。スタッフは優秀でありまた経験を積んでいるので、助成開始から支障なく、研究者は研究に専念することができる。生存学研究センターは資料室・研究スペース・事務室を備え、研究に関する基礎資料および各種IT機器、マイクロリーダーやネットワークが整備されており施設上の問題はない。同研究センターはグローバルCOE「生存学」創成拠点に2007年度に採択されたが、本拠点の研究資金は若手研究者を育成し成果を生産するための基盤形成に活用する。本研究は、実績のある研究者チームによる先端的課題の検討に特化し、生存学研究センターの施設を活用して事務スタッフ支援のもとに展開する。

②研究分担者との連絡調整状況
 *科学研究費研究の代表者等の場合、分担研究者になってもらうことができないため、連携研究者とさせていただいている(書類にない注記)。
 天田(社会学)、小泉(哲学)は、研究拠点となる立命館大学大学院先端総合学術研究科の教員であり、立岩(社会学・研究代表者)とともに共同研究の成果を蓄積してきた。上農(言語学)は、『たったひとりのクレオール——聴覚障害児教育における言語論と障害認識』の著作をもつ大学教員かつ聴覚障害児教育の実践者であり、聴覚障害、言語教育の領域で中心的な役割を果たすことになる。
 福島(教育学)と星加(社会学)は東京大学先端科学技術研究センターの教員であり、バリアフリー部門の研究を進めている。福島は盲聾の、星加は視覚障害の本人でもある。星加の著書『障害とは何か——ディスアビリティの社会理論に向けて』は2007年の損保ジャパン記念財団賞を授賞した。立岩はそのセンターの「公共システムのバリアフリー化に関する研究」に協力、また東京大学教育学研究科での福島の授業に招聘されるなどしてきた。
 また美馬(大脳生理学)は医学者であり京都大学附属病院でパーキンソン病等の人に接しながら、医療社会学の著作、論文を多く発表しており、立岩の所属する研究科のALS患者遺族でもある院生をシンポジストとするニューロエシックスの企画を開催、雑誌上などで小泉・立岩との対談を行なってきてもいる。
 さらに、連携研究者の石川(社会学)は多くの著作を発表するとともに、コンピュータを存分に利用しながらの研究教育活動を先駆的に行なってきた視覚障害をもつ研究者として知られる。視覚障害者のためのソフト開発も行ない通商産業大臣表彰を受賞している。立岩と石川は20年ほどの研究上の交流があり、ともに障害学会の理事も務める。もう一人の連携研究者の松原(科学史・科学技術社会論)は、2006年度よりALS患者のITコミュニケーションプロジェクトを展開し、2008年度には電子通信普及財団の研究助成金を獲得して、湘南工科大学の研究者と共同で工科系教育と障害者のIT支援をつなぐプロジェクトを開始している。また立岩、小泉、天田との共同研究の蓄積があり、美馬とニューロエシックスに関する対談を公刊している。
 このように本研究に最も適していると考えられる人材を配した。各分担研究者・連携研究者は互いの研究をよく知り、これまでの研究で引用・参照している。
 日常の通信手段としてはメーリング・リストを使用する。またHPhttp://www.arsvi.comは常時、本企画の進行を互いが確認しながら前進させていくためのメディアでもある。

□B−ⅱ.研 究 業 績
 本欄には、研究代表者及び研究分担者が最近5カ年間に発表した論文、著書、産業財産権等、招待講演のうち、本研究に関連する重要なものを選定し、現在から順に発表年次を過去にさかのぼり、発表年(暦年)毎に線を引いて区別(線は移動可)し、通し番号を付して記入してください。なお、学術誌へ投稿中の論文を記入する場合は、掲載が決定しているものに限ります。

 [略]

□B−ⅲ.研究費の応募・受入等の状況・エフォート [略]

(1)応募中の研究費 [略]
(2)受入予定の研究費 研究内容の相違点及び他の研究費に加えて本応募研究課題に応募する理由
 グローバルCOEプログラム(H19〜H23)「生存学」創成拠点
 グローバルCOEで行うとしたの3つの1つに「学問の組み換え」があり、その一部は本応募研究の課題につながっている。COEは大学院生、PDなど若手研究者の育成に力を注ぎ研究成果を出させることを主目的とする。それに対して本応募研究は、既に研究の蓄積を有する研究者がさらに先導的な研究を推進するものであり、その中に若手研究者の貢献を組み込んでゆく。双方によって研究を推進し成果を生産していく。
(3)その他の活動 [略]