閉会の辞

松原洋子
(グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点事務局長/立命館大学大学院先端総合学術研究科教授)

 みなさま、長いあいだご清聴いただきありがとうございました。
 フランク先生は集中講義のなかで、ストーリーは“ars vivendi”そのものだ、これがないと生きていけないというふうに強くおっしゃいました。“arsvivendi”というのは、私たちが「生存学」と呼んでいるものの別名でもあります。生(せい)の技法、生きる技ということです。これは先生ご自身の病の切実な体験に裏付けられたお言葉だと、私は思いました。
 その技を生きる主体として他者と感応し、そこから新たな問いを立ち上げ、研究に高めてそのプロセスを社会に開いていくこと─それは、私たちが院生とともに目指していることです。「他者と感応する」ということは、沈黙する他者との感応も含んでいますが、そのために開かれた物語が必要なのではないかと、今日のシンポジウムを通して感じました。
 フランク先生は、私たちが目指すこのような志をすでに実践されている先達であります。その先生をお迎えして、同じ空気をここで共有し、声を聞いて、物語がまさにここに立ち上がってくる様相を体験できたこと─これは私どもにとって、たいへん幸福なことでありました。
 そして今日、声による共有が難しい方々のために、こちらにパソコン要約筆記という形で、Luna さんというグループに助けていただきました。ありがとうございました。
 今日はフランク先生をはじめ、登壇された先生方、院生、そして通訳のみなさん、そして支えてくださったスタッフのみなさん、そしてさらに、もちろん聴衆のみなさんのおかげで、素晴らしい会を持つことができました。Again, I'd like to appreciate your excellent lecture and comments.最後に、フランク先生にもう一度、感謝の拍手を送りたいと思います。

(フランク) Thanks especially to you, for all the work you did. These two did so much work to bring me here. Really- please join me in thanking them.

(サトウ) 松原先生、どうもありがとうございました。これにて、シンポジウムを終わりにいたします。みなさん、本日はどうもありがとうございました。