「物語と歴史研究会」報告

櫻井 悟史はじめに
 本稿は、「アフター・メタヒストリー——ヘイドン・ホワイト教授のポストモダニズム講義」を企画・運営した「物語と歴史研究会」の発足経緯(1 節)、活動内容(2 節)、事務などの準備(3 節)、当日の様子(4 節)等の報告を目的とするものである。以下の記述にあたっては、膨大な数にのぼるメールを史料として用いた。

1. 「物語と歴史研究会」発足経緯
 「物語と歴史研究会」の発足の背景には、「歴史社会学研究会」の存在がある(1)。「歴史社会学研究会」は、2008 年11 月11 日に発足した立命館大学大学院先端総合学術研究科(以下、先端研)院生を中心とした研究会であり、2009 年5 月から先端研公募研究会として活動している。その活動内容は、主に「歴史社会学」の名を掲げる著作や論文を講読し、そこから社会科学における歴史記述の実践を学ぶことに主眼をおいている。2009 年5 月10 日、その「歴史社会学研究会」宛に村上潔より一通のメールが届けられた(2)。そのメールによれば、村上は旧知の岡本充弘教授から(3)、以下のような打診を受けたとあった。すなわち、東洋大学でヘイドン・ホワイト教授を招聘するのだが、関東だけでなく関西にもホワイト教授を紹介したい。そのための企画を立てることができる、どこかよいところはないか。そのような打診である。村上は以前、先端研が主催したアラン・コルバン教授招聘企画に関わっていたことがあり(4)、同企画においても岡本教授にお世話になった。そのようなこともあって、岡本教授から村上に以上のような打診があったのだと思われる。しかし、村上は先端研を卒業していたため、歴史に関係があり、なおかつ現役院生によって運営されている「歴史社会学研究会」にこの話を持ち込むことにしたのである。

 「歴史社会学研究会」には歴史学を専門としている者は一人もいない。同研究会は社会学、人類学、経済学、政治学等の分野に所属するもので構成されている。それゆえ、同研究会メンバーは歴史理論にそれほど注目していなかった。また、同研究会に所属している院生は、博士課程前期か後期になったばかりのものが大半をしめていた。そのような状況だったので、話し合いの結果、とてもホワイト教授を受け入れられそうにないと判断するに至り、同研究会としてはお断りすることになったのである。

 「歴史社会学研究会」で招聘できないことは、先端研で招聘することが不可能なことを意味しない。2006 年にコルバン教授を招聘したことからも分かるように、歴史に興味を持つ人間は先端研に多い。また、2008 年には特別公開企画として、「物語・トラウマ・倫理——アーサー・フランク教授を迎えて」を( 5 )、先端研と密接にリンクしている立命館大学グローバルCOE プログラム「生存学」創成拠点(以下、「生存学」)が企画したことからも分かるように、ナラティヴに関心を持つ院生も多くいる。よって、ホワイト教授を先端研で呼ぶことは大いに意義があると筆者には思われた(6)。そこで筆者は先端研准教授の吉田寛がホワイト教授に興味を持っているとの噂をききつけ、この話を持ち込むことにした。このような経緯から、5 月13 日に村上、吉田、「生存学」PDの篠木涼、それに筆者の四名で第一回のホワイト教授招聘のための打ち合わせ会議が開かれることとなったのである(7)。

 招聘費用については当初危ぶまれたが、岡本教授のご厚意もあり、東洋大学との共催とすることで、何とか開催できる目処が立った。また事務作業面では、「歴史社会学研究会」のメンバーが事前の準備および当日の運営を担当した他、「生存学」研究センターの事務局の方々にも助けていただけることとなった。以上のような基盤ができたので、ホワイト教授を招聘した特別講義に向けて、「歴史社会学研究会」とは別に、歴史および歴史叙述の理論の勉強会を立ち上げる必要が生じた。そこから「生存学」院生プロジェクトである「物語と歴史研究会」が成立したのである。なお事業推進担当者は、天田城介先端研准教授にお願いした( 8 )。

 「物語と歴史研究会」とは具体的にどのような研究会なのかについて、申請調書に書いた内容を以下に引用する(9)。

Ⅰ.研究内容等および「生存学」創成拠点にもたらす効果
①研究内容、目的、意義
「歴史は物語( ナラティヴ) である」との視点に立ち、歴史記述に関する独特な批判的研究を展開し、歴史学のみならず、物語論に対して大きな影響を与えたヘイドン・ホワイトの歴史=物語論を吟味検討する。またホワイト招聘に携わるとともに、ホワイトに対する批判的言説を含めた歴史=物語論を研究する。
②「生存学」創成拠点にもたらす効果
2008 年度のアーサー・フランク氏特別公開企画に代表されるように(生存学研究センター報告5)、生老病異の当事者たちの「語り」から導き出された知識を集積し歴史化することは「生存学」創成拠点の主たる課題の一つである。歴史と語りの連続性を指摘したホワイトの言説を吟味することは、そのような生老病異の近現代史の捉え直しとしての「生存学」の諸研究に理論的方法論的な層をもたらすことが期待される。また、具体的な成果としては生存学研究センター報告の発行、生存学HP の「ナラティヴ」http://www.arsvi.com/d/n08.htm ページの増補が挙げられる。

Ⅱ.研究計画・方法・研究成果発表の方法
・2009 年6 月中からヘイドン・ホワイト関連文献を中心にした研究会を、隔週で開催するとともに、歴史理論文献の検討を進める。具体的にはホワイトの主著であるMetahistory: The Historical Imagination in NineteenthCentury Europe や、“The Value of Narrativity in the Representation ofReality”(=「歴史における物語性の価値」)などを用いてホワイトの理解を深める。またホワイトに関連する講師を招聘し、事前勉強会を行なう。・先端総合学術研究科ならびに先端総合学術研究科公募研究会「歴史社会学研究会」と共催で「ヘイドン・ホワイト特別講義」の開催(2009 年10 月22 日予定)に携わる。この講義は先端総合学術研究科教員の吉田寛の表象論史の授業(5・6 限)の一貫として行なわれるが、一般にも公開された企画であり、100 人から200 人のオーディエンスを見込んだ企画となる。さらに本企画には、東洋大学人間科学総合研究所の岡本充弘氏にも協力していただく予定であるので、立命館大学のみにとどまらない他大学との連携も想定している。
・ホワイトから事前に提出される基調報告のペーパーや指定質問など「ヘイドン・ホワイト特別講義」の内容を整理深化させるとともに、それまでの研究成果を中心にした諸成果を「生存学」センター報告等への投稿のかたちで公表していく。

2. 「物語と歴史研究会」活動内容
 「物語と歴史研究会」が「生存学」院生プロジェクトとして正式に採択されたのは、6 月24 日のことである。以下に、研究会メンバーの氏名と、各研究会の日程・内容を箇条書きにて記しておいたが(場所については、全て立命館大学衣笠キャンパス内の建物で行なった)、簡単に補足説明をしておく。 第1 回はホワイト教授の論文にふれることからはじまった。そして、やはり研究会としては物語に関心があるということで、第2 回では主に物語についての考察を行なった。第3 回、第5 回では、ホワイト教授についての批判を検討し、ここから第6 回のアウシュヴィッツの話へと展開していく。第5 回において金城美幸と西嶋一泰が( 1 0 )、10 月22 日当日の研究報告者となることを希望したので、第6 回以降は、10 月22 日当日に発表する研究報告についての検討にあてられた。特に第8 回では、第1 回に続いて、再び岡本教授を講師としてお招きし、研究報告の内容についてコメントをしていただいた。また、9 月2 日にホワイト教授より当日の報告原稿が届いたので、研究会の報告と平行して、対訳表作成や報告原稿の翻訳の検討を随時行なった(11)(第6.5 回、7.5 回)。なお、第4 回研究会は研究会メンバーである金城による提案で、イギリスから村上享子氏をお招きし、公開レクチャーを開催した(12)。

■メンバー
代表:櫻井悟史(立命館大学大学院先端総合学術研究科・公共領域3 回生)
事業推進担当者:天田城介(立命館大学大学院先端総合学術研究科・准教授)
岩田京子(立命館大学大学院先端総合学術研究科・共生領域1 回生)
大谷 通高(立命館大学大学院先端総合学術研究科・公共領域5 回生)
岡田清鷹(立命館大学大学院先端総合学術研究科・共生領域2 回生)

小川 浩史(立命館大学大学院先端総合学術研究科・OD)
金城美幸(立命館大学大学院先端総合学術研究科・共生領域6 回生)
篠木涼(立命館大学衣笠総合研究機構・PD)
中田 喜一(立命館大学大学院先端総合学術研究科・公共領域4 回生)
西嶋一泰(立命館大学大学院先端総合学術研究科・共生領域1 回生)
廣瀬太介(立命館大学応用人間科学研究科)
松田有紀子(立命館大学大学院先端総合学術研究科・共生領域2 回生)
村上潔(日本学術振興会特別研究員・PD)
山口真紀(立命館大学大学院先端総合学術研究科・公共領域4 回生)

吉田寛(立命館大学大学院先端総合学術研究科・准教授)
◆第1 回研究会 2009/06/25 於:創思館414 18:00 〜 22:00
 ゲスト:岡本充弘教授
テキスト
◇ White, Hayden, 1973, “Nietzsche: The Poetic Defense of History in the Metaphorical Mode” in Metahistory: the Imagination in Nineteenthcentury Europe, The Johns Hopkins University Press(=1998 田中祐介訳「歴史への意志」[『メタヒストリー』所収]『現代思想』青土社  26(14):59-83).
発表者:櫻井悟史
◇ White, Hayden, 1980, “The Value of Narrativity in the Representation of Reality” Mitchell, W.J.T. ed. On Narrative, The University of Chicago
Press(=1987 原田大介訳「 歴史における物語性の価値」海老根宏・原田大介・新妻昭彦・野崎次郎・林完枝・虎岩直子訳『物語について』平凡社 15-49)
発表者:中田喜一

◆第2 回研究会 2009/07/09 於:創思館416 18:00 〜
テキスト
◇野家啓一, 2005『 物語の哲学』岩波書店.
・第一章:「物語る」ということ——物語行為論序説
 発表者:小川浩史
・第七章:物語り行為による世界制作
 発表者:西嶋一泰
◆第3 回研究会 2009/07/23 於:創思館416 18:00 〜
テキスト

◇上村忠男, 1994「表象と真実——ヘイドン・ホワイト批判に寄せて「『歴史家と母たち——カルロ・ギンズブルク論』未來社 156-207.
・発表者:篠木涼 一〜三
・発表者:大谷通高 四〜六
◆第4 回研究会 2009/08/10 於:存心館706 15:00 〜
村上享子氏セミナー
・タイトル:「元英兵捕虜和解問題を通して戦争の想起について考える」
(“Social Organisation of Remembering and Reconciliation: A Case of Former British Prisoners of War”)
◆第5 回研究会 2009/08/26 於:創思館416 18:00 〜
◇上村忠男,1994 「表象と真実——ヘイドン・ホワイト批判に寄せて」『歴史家と母たち——カルロ・ギンズブルク論』未來社  207-230.

・発表者:岩田京子 補論「アウシュヴィッツと表象の限界」
◆第6 回研究会 2009/09/03 於:創思館416 18:00 〜
◇White, Hayden , 1992,“ Historical Emplotment and the Problem of Truth,” Saul Friedlander ed., Probing the Limits of Representation: Nazism and the “Final Solution”, Harvard University Press, 37-53.(=1994, 上村忠男訳「 歴史のプロット化と真実の問題」ソール・フリードランダー編  上村忠男・小沢弘明・岩崎稔訳『アウシュヴィッツと表象の限界』未來社 57-89.)
「ヘイドン・ホワイト氏特別講義研究報告についての発表」(仮)
・発表者:金城 美幸
「日本の国民的歴史学運動について」(仮)
・発表者:西嶋 一泰
◆第6.5 回研究会 2009/09/04 於:創思館416 13:00 〜
・ヘイドン・ホワイト氏特別講義に向けての対訳表作り

担当者:小川浩史・金城美幸・篠木涼・松田有紀子・村上潔
◆第7 回研究会 2009/09/14 於:創思館416 13:00 〜
「《ホロコースト》をどう呼びうるか?——言語・政治・歴史的想像力」
・発表者:金城美幸
「歴史は誰がなぜどう描くか——国民的歴史学運動と生活記録運動に即して」
・発表者:西嶋一泰
「ポストモダニズムと歴史叙述 Postmodernism and Historiography」翻訳検討
・岩田京子・岡田清鷹・金城美幸・櫻井悟史・篠木涼・西嶋一泰・松田有紀
子・村上潔・吉田寛

◆第7.5 回研究会 2009/09/18 於:創思館416 13:00 〜
「ポストモダニズムと歴史叙述 Postmodernism and Historiography」翻訳検討
◆第8 回研究会 2009/10/02 於:洋洋館960 ゲスト:岡本充弘教授
再検討「《ホロコースト》をどう呼びうるか?——言語・政治・歴史的想像力」(英語・日本語)
・発表者:金城美幸
再検討「歴史は誰がなぜどう描くか——国民的歴史学運動と生活記録運動に即して」(英語・日本語)
・発表者:西嶋一泰
◆第9 回研究会 2009/10/16 於:創思館415
 “Another Limit of Representation: Language, Politics, and Historical Imagination”

・発表者:金城美幸
“Why and How Is History Drawn?: Based on Japanese People's History and Life Record History”
・発表者:西嶋一泰

3. 事務作業準備
事務作業面の準備についても、簡単に記しておく。会場には、立命館大学衣笠キャンパス創思館1 階のカンファレンスルームも候補に挙がったが、より大きな人数を収容できる方が良いだろうとの判断で、同大学の以学館2 号ホールを選んだ。通訳は、先端研の英語論文指導スタッフである平賀緑氏に逐次通訳をお願いしたが、実に見事にお務めいただき、非常に好評であった。平賀氏抜きにはこの企画は成り立たなかった、といっても過言ではない。また事前の準備・手配(チラシ、立て看板、吊り看板など)から当日の進行・運営(音響コントロール、会場設営)にいたるまで、立命館大学独立研究科研事務室(以下、独研事務室)と「生存学」事務局にはたいへんお世話になった。本企画の成功の背景に、長年のノウハウと実践経験を持つ、そうした事務局サイドのご尽力があったことはここで強調されてよいだろう。

4. 「アフター・メタヒストリー  ——ヘイドン・ホワイト教授のポストモダニズム講義」
 10 月22 日当日は13 時に以学館2 号ホールに集合し、会場設営を行なった。照明やマイクについては立命館大学放送局(RBC)のスタッフがセットしてくれた。そのため、会場設営といっても、机と椅子を少し運び、会場の使用しない席の周りにテープをはるぐらいの仕事しかなく、それほど大変なことはなかった。受付は会場の外にセッティングしたのだが、企画中も人員を配置しておかなければならなかった。そこで、「物語と歴史研究会」のメンバーが全員企画に参加できるように、助っ人として「歴史社会学研究会」から角崎洋平と松枝亜希子に協力を依頼した。

 当日に起こったハプニングとしては、ホワイト教授からホワイトボードを使用したいという申し出があったこと、また水ではなく温かい飲み物を用意してほしいという注文があったことが挙げられる。前者はすぐに用意することができたものの、会場の照明が反射して書かれた文字が見えないという事態が新たに出来した。これに対処するため、最も太いマーカーを急遽用意したのだが、全く効果がなく、照明の位置を調整するぐらいの対応しかとることができなかった。これは今後も起こりうることであるので、何か対策を考えておく必要があるかと考える。後者については、全面的に独研事務室がサポートしてくれたおかげで事なきを得た。

 当日の総客数は、第一部のみで116 名、第二部のみで102 名、名簿総数(延べ人数)で136 名であった。第一部は報告者とホワイト教授の質疑応答で盛り上がったが、予定よりも会場を交えたディスカッションの時間をとることができなかった。そのこともあったからか、ホワイト教授の機転により、第二部の内容は大幅にカットされ、60 分以上が質疑応答の時間にあてられた。この素晴らしい配慮のおかげで、会場から多くの質問が英語で寄せられ、第二部も大いに盛り上がった。無事企画が終了したあとは、懇親会を平野神社前のYORK というレストランで開いたが、会場の方も何名か参加され、これも盛況のうちに終わることができた。

おわりに
 企画が持ち込まれてから5 ヶ月強の準備期間しかなかったが、重大な問題が生じることもなく、円滑に企画を終えることができた。それは、もちろん金城、西嶋をはじめとする「物語と歴史研究会」のメンバーや、それを支えてくれた篠木、吉田の働きによるところが大きいのだが、やはりこれまで「生存学」や先端研で培われてきたノウハウがあればこそであったと思われる。本報告も今後何かの役に立つことがあれば幸いである。

■注
(1)「 歴史社会学研究会」の紹介は、http://www.arsvi.com/o/shs.htmを参照。
(2)村上については、http://www.arsvi.com/w/mk02.htm を参照。なお、本稿で示すホームページのアクセス日は全て2010 年2 月10日である。

(3)岡本充弘教授は、東洋大学文学部教授。イギリス近代史、歴史理論、グローバリゼーション、民主主義理論が専門。詳しい紹介は、http://bunbun.toyo.ac.jp/shigaku/staff/okamoto.htmlhttp://www.arsvi.com/w/om21.htm を参照。
(4)「Alain Corbin Invitation Project」http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/w/acip/index.htm を参照。
(5)有馬斉・天田城介編, 2009, 『生存学センター報告5 特別公開企画「物語・トラウマ・倫理——アーサー・フランク教授を迎えて」』
生活書院を参照。
(6)筆者、櫻井悟史については、http://www.arsvi.com/w/ss06.htmを参照。
(7)篠木涼については、http://www.arsvi.com/w/sr03.htm を参照。
(8)天田城介については、http://www.arsvi.com/w/aj01.htm を参照。
(9)申請調書は篠木によって素案が作られた。
(10)金城については、http://www.arsvi.com/w/km19.htm を、西嶋については、http://www.arsvi.com/w/nk11.htm を参照。

(11)ホワイト教授の報告原稿については、「物語と歴史研究会」のメンバー全員で分担して翻訳を行なった。ワード文書で全24 ペー
ジあった原稿の各担当は以下の通りである。1, 2, 3(櫻井)、4, 5, 6(篠木)、7 , 8, 9(小川)、10, 11, 12(村上)、13, 14(大谷)、15, 16(山口)、17, 18(中田)、19, 20(松田)、21, 22(岩田)、23, 24(金城)。
(12)ホームページhttp://www.bath.ac.uk/education/people/profiles/kmurakami.html によれば、村上享子氏は言説分析、言説的心理学、和解、社会的想起、アイデンティティと社会的行為、技術の社会的形成、現場実習(work placement)における学習、社会的言語能力、社会活動とコミュニティ開発などを専門としており、主な論文としては、以下のようなタイトルのものがあるということである。
 「救済と和解のための位置」
 「配列への志向性:言説によって成立する間主観性」
 「和解の社会的実践:「イルカ・ボーイズ」の和解旅行」
 「困難な過去のナラティヴの再構成における、母の記憶の社会的組織的活用」
 「異文化間心理学における文化の筋書きを超えて」
 「コメについて話す:文化研究への言説論的アプローチ」

 「行為におけるアイデンティティ:戦争の想起における非難と謝罪」
 「重要なのは墓場である:想起と和解における集合性と媒介物の創発的効果」(Middleton, D との共著)
 「ナラティヴ学習としての現場実習:学習と対位法旋律のための物語」(Sims, D. Murray, L. Chedzey, K. との共著)
(13)角崎についてはhttp://www.arsvi.com/w/ky13.htm を、松枝については、http://www.arsvi.com/w/ma01.htm を参照。