生存学ダンスセミナー[全3回]

掲載日: 2016年01月19日

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  • 【第1回】 2016年1月22日(金)
    「性・生殖・再生産」――伴戸千雅子さんを迎えて
  • 【第2回】 2016年2月12日(金)
    「記憶・空間・スペクタクル」――東野祥子さんを迎えて
  • 【第3回】 2016年2月26日(金)
    「舞踏・芸能・思想」――袋坂ヤスオさんを迎えて

会場:立命館大学 衣笠キャンパス 学而館
   (第1回・2回:第3研究会室/第3回:第2研究会室)
主催:立命館大学生存学研究センター
   (企画担当:村上潔
【参加費無料・申し込み不要】
*会場の近くに駐車場はありませんので、ご来場の際は公共交通機関をご利用ください。

開催趣旨

 「障・老・病・異とともに暮らす世界の創造」を目指す〈生存学研究センター〉は、2016年、新たに「ダンス」へのアプローチを展開します。
 ダンスは、その個々の作品のテーマやコンセプトにかかわらず、否応なく身心の差異・違和・制約・変調を反映・体現する表現方法であり、それゆえ、多様な生のありようを私たちに提示してくれます。
 したがって、生存学によるダンスへのアプローチは、ダンスをたんにアートとして受容するのにとどまらず、「生存の技法/生存をめぐる実践」を考えていくためのファクターとして機能させること――それによって、ダンスという表現形態のポテンシャルを引き出すこと――を可能にするのではないかと考えます。
 そこで、本セミナーでは、現在、先鋭的な実践を展開しているダンサーの方々をお招きし、ご自身の作品・制作について、また、ダンスのもつ普遍的な可能性について、お話しを伺います。
 ふだんダンスを鑑賞しないかたも、気軽に参加していただき、さまざまな角度からダンスについて考えるきっかけをもっていただければと考えています。

内容

第1回 「性・生殖・再生産」――伴戸千雅子さんを迎えて

2016年1月22日(金)18:00〜20:00
於:立命館大学 衣笠キャンパス 学而館2F 第3研究会室

◆第1回目は、「性・生殖・再生産」というテーマで、伴戸千雅子さんをゲストに迎えます。伴戸さんは、2015年11月に、様々なジャンルで活動する女性たちをキャストに迎え、性・生殖・再生産の問題に多様な切り口からアプローチした舞台公演『おしもはん』を構成・演出されました。この作品に関することを中心に、ご自身の活動について語っていただく予定です。

◇伴戸千雅子(ばんど・ちかこ)
振付家・ダンサー。学生演劇、バリ舞踊を経て、1993年あたりから舞踏を学び、1999-2011年ダンスグループ「花嵐」で活動。近年は、ミュージシャンやパフォーマーと即興セッションや作品づくりを行う。2015年、子育て、性、介護をテーマにした舞台「おしもはん」を企画・演出。アーティストと一般の人がコラボレーションして作品を作り上げた。2004年から視覚障害など、さまざまな障害をもった人、子どもや母親を対象にした身体ほぐしや、「なんちゃってアフリカン」「細胞になっていのちの誕生の仕組みをなぞる」など、ちょっとユニークな切り口のダンスワークショップを企画、講師をつとめる。京都看護専門学校「ボディワーク」講師。カラダをほぐすと、ココロも軽やかになる。自分のカラダを再認識したり、カラダを通して人と出会ったり。カラダをテーマに新しい発見が生まれる場づくりに取り組んでいきたい。

【参考】
伴戸千雅子 ダンス/舞踏
おしもはん
「「しも」の話をダンスで表現 助産師ら京都で上演へ」(『京都新聞』2015年11月12日17時20分)
◇村上潔 2015/11/27 「 「女の時間」をたぐり寄せるために――舞台公演「おしもはん」レビュー」

開催報告(2016年1月24日掲載)

第2回 「記憶・空間・スペクタクル」――東野祥子さんを迎えて

2016年2月12日(金)18:00〜20:00
於:立命館大学 衣笠キャンパス 学而館2F 第3研究会室

◆第2回目は、「記憶・空間・スペクタクル」というテーマで、東野祥子さんをゲストに迎えます。東野さんは、2015年10月に、ご自身が所属する〈ANTIBODIES Collective〉による、京都の〈元・立誠小学校〉全体を使った大規模なパフォーマンス作品『DUGONG』の演出・振付を担当されました。この作品に関することを中心に、ご自身の活動について語っていただく予定です。

◇東野祥子(Yoko Higashino|ANTIBODIES Collective 振付家/ダンサー)
10歳でダンスを始め、2000年〜2014年「Dance Company BABY-Q」を主宰。数々の舞台芸術作品を発表し、国内および海外のフェスティバル(アメリカ/フランス/ドイツ/ノルウェー/メキシコ/韓国/シンガポールなど)にも招聘される。ソロダンサーとしても数多くの即興ミュージシャンやアーティストとのセッションを展開。トヨタコレオグラフィーアワード2004「次代を担う振付家賞」、2005年横浜ソロ×デュオ〈Competition〉+(プラス)「未来へ羽ばたく横浜賞」、2010年舞踊批評家協会新人賞など受賞。2005-2013年まで東京にてスタジオBABY-Q Lab.を運営し、人材育成を行う。また学校教育プログラムでの指導も積極的に行っている。
最近は「HE?XION!」名義にて洋服デザインや「HE?XION!TAPES」ではレーベルとしてもCDリリースやイベント等様々なジャンルで活動を行う。地域創造ー公共ホール現代ダンス活性化事業ー登録アーティスト。全日本DanceTruck協会会長。2015年、京都に活動拠点を移し、「ANTIBODIES Collective」として多ジャンルのアーティストとともに作品制作やパフォーマンスアクションを実践している。

【参考】
ANTIBODIES
HE?XION! TAPES
◇村上潔 2015/10/25 「ANTIBODIES Collective パフォーマンス作品「DUGONG」レビュー」
◇村上潔 2015/12/18 「レビュー:《FOuR DANCERS vol.41》東野祥子」

開催報告(2016年3月31日掲載)

第3回 「舞踏・芸能・思想」――袋坂ヤスオさんを迎えて

2016年2月26日(金)18:00〜20:00
於:立命館大学 衣笠キャンパス 学而館2F 第2研究会室

◆第3回目は、「舞踏・芸能・思想」というテーマで、袋坂ヤスオさんをゲストに迎えます。袋坂さんは、2014年3月に、ご自身の舞踏活動の集大成となる舞踏公演「天人五衰」を発表され、以後も能をテーマにした作品を発表するなど、京都を拠点に精力的に活動されています。今回は、「天人五衰」に関することを中心に、ご自身の活動について語っていただく予定です。

◇袋坂ヤスオ
1971年、北海道砂川市に生まれる。幼少期に舞踊を学ぶことはなかったが、中学校の学祭ではブレイクダンスの真似事をしたり、女装して某アイドルグループの真似事をしたりなど舞台に身を晒すことへの情熱はすでに生まれつつあった。
17歳の時に謡曲「井筒」を読み、能楽の世界に関心を持った。18歳で京都に出てきて、以後7年間は観世流の能楽(舞、謡)を学ぶ。またその間に、舞踏、コンテンポラリーダンスなど他の舞踊表現にも触れ、ワークショップにも参加するようになる。1996年に舞踊公演にダンサーとして初出演。その後、グループに属さず、様々な場所で様々な音楽家とともに即興ダンス・パフォーマンスを行ってきた。2002年から2012年までは月一回の即興セッションの集まり「土星の会」を花嵐(京都の舞踏グループ)とともに開催してきた。
2014年3月、初めて「舞踏」を標榜する公演「袋坂ヤスオ舞踏公演 天人五衰」を自ら企画・上演した。
近年はほぼ裸体に近い姿で舞台に立つことが多い。”厳粛さと馬鹿々々しさを同時に備える舞踏体”に至るべく模索を続けている。京都の能面師北澤元白に師事し、自らの手になる能面を使った舞踏も舞う。
2015年には京都で開かれた1週間の舞踏フェスティバル「舞踏という問い」では実行委員の一人として運営に携わり、かつ出演もした。
現在京都市在住。

【参考】
非風 yasuo fukurozaka website
袋坂ヤスオ舞踏公演「天人五衰」
◇村上潔 2014/03/30 「袋坂ヤスオ舞踏公演「天人五衰」レビュー」
◇村上潔 2016/01/10 「レビュー:《新春舞踏ナイト:Butoh Night vol.4》袋坂ヤスオ

開催報告(2016年3月31日掲載)

実施形態(各回共通)

トークイベント(聞き手:村上潔〔立命館大学生存学研究センター〕)
*必要に応じて、トークゲストが準備した映像資料などを鑑賞します。

プログラム[各回共通]

17:45 開場
18:00 開会
18:00-19:30 トーク
19:30-20:00 参加者との質疑応答
20:00 終了

お問い合わせ先

立命館大学生存学研究センター事務局
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
TEL:075-465-8475 FAX:075-465-8245
E-mail:ars-vive@st.ritsumei.ac.jp