支援テクノロジー開発
代表者:大谷いづみ(産業社会学部 教授)
本プロジェクトは、ダイバーシティ社会を実現するテクノロジーの社会実装を目指して「当事者」とともにデザインの上流から関わるものである。これまで、美馬達哉により発振操作による動的ネットワークの再組織化や、直流刺激と歩行運動のハイブリッド型リハビリテーション研究などが行われており、ネオ・リハビリテーションというコンセプトのもとで、基盤研究(A)(2019-2022年度)を獲得し、支援テクノロジーの基礎研究と応用の両輪で継続発展させてきた。加えて昨年度から、大谷による新たなプロジェクトである移動アクセシビリティ・プロジェクトが重点プログラムの中心に据えられ、社会実装に大きく踏み出した。本年度は、2011-2015年度第一期R-GIROで取り組んだ読書アクセシビリティの成果を継承し、情報保障を包含する「アクセシビリティ・プロジェクト」としてより広角な展開を図っている。
アクセシビリティ・プロジェクトでは、当事者として車いすを日常的に使用する統括の大谷、共同研究の坂井、北島に加え、視覚障害を持つ栗川および中村を研究メンバーに迎える。日常生活はもとより研究活動を進める上で必然的に伴う移動・情報アクセス保障に関して、「キャンパスは街の縮図」であるという視点から大学キャンパスや移動に困難を抱える当事者の研究活動にも焦点をあて、「いま」「ここ」で研究者と「当事者」の別を越境してダイバーシティ&インクルージョンを展望する。そのうえで、本プロジェクトでは、当事者だけでなくWHILLをはじめとする事業者(企業やNPO法人)と行政を含めた、当事者と産学官民が連携する情報共有と問題解決のためのプラットフォーム作りをめざす。
アクセシビリティに関する実態調査と比較研究をすすめ、その課題を移動・情報弱者の側から可視化し、ボトムアップなバリアフリー概念の構築をめざす。とりわけ、今般のCOVID-19の流行に際し、移動・情報弱者であり、かつ多くはハイリスクグループでもある障害当事者研究メンバーが直面している物理的・心理的・社会的困難を記録・観察・集積する。また、WHILLの実装研究を重ね、さらに、BKC知能化社会デザインセンターとの連携を始動する。
メンバー一覧
リーダー
- 大谷 いづみ(産業社会学部・教授)
学内教員(専任教員、研究系教員等)
- 美馬 達哉(先端総合学術研究科・教授)
- 川端 美季(衣笠総合研究機構・准教授)
学内の若手研究者
専門研究員・研究員
- 坂井 めぐみ(衣笠総合研究機構・専門研究員)
- 芝田 純也(衣笠総合研究機構・専門研究員)
大学院生
- 北島 加奈子(先端総合学術研究科・大学院生)
- シン・ジュヒョン(先端総合学術研究科・大学院生)
- ユ・ジンギョン(先端総合学術研究科・大学院生)
- 栗川 治(先端総合学術研究科・大学院生)
- 欧陽 珊珊(先端総合学術研究科・大学院生)
- 焦 岩(先端総合学術研究科・大学院生)
その他の学内者(補助研究員、非常勤講師・研究生・研修生等)
- 安 孝淑(先端総合学術研究科修了生・2018年度学位取得)
客員協力研究員
- 中村 雅也(東京大学大学院先端科学技術研究センター・日本学術振興会特別研究員)
- アンジェリーナ・チン(ポモナ大学歴史学部・准教授)