開催報告(2016年11月27日開催)台湾社会学会大会において東アジアの障害学セッションを開催

掲載日: 2016年12月12日

2016年11月26日と27日に花蓮市の国立東華大学で開催された2016台湾社会学会大会において「東アジアにおける障害学:現状と課題」(Disability Studies in East Asia: Current Situation and Challenges)を生存学研究センターが同学会と共催で開催しました。大会長である東華大学田畠真弓教授からは本セッションの開催を含め、多大なご支援をいただきました。心より感謝申し上げます。また、東華大学大学院歴史学研究科大学院生の櫻井修平さんが日本語と中国語の通訳を務めてくださいました。御礼申し上げます。

本セッションのコーディネーターは国立台北大学張恒豪准教授が務め、冒頭で7月の津久井やまゆり園の事件の犠牲者への黙とうを捧げられました。同准教授は9月に茨木で開催した生存学研究センターの障害学国際セミナー2016にも参加されています。

メインテーマとして、家族と自立生活を意識した本セッションにおいて、最初に筆者(長瀬修、生存学研究センター教授)が「家族と障害者権利条約」について報告しました。日本の障害者運動における家族の位置づけと、障害者権利条約交渉における家族に関する議論を結びつける報告を行いました。それに対して、慈済大学厳嘉楓副教授がコメントを加えてくださいました。

次に立命館大学院生である安孝淑さんが「韓国難病対策に影響を与えた要素」と題して、ALSを中心に韓国と日本の難病制度の比較を行いました。南華大学魏書娥教授がコメンテーターを務められました。

最後に立岩真也教授が「Ability, Dis-Ability, Ableism」と題して、障害学の核心部分の議論から日本の障害学会の設立までの経過を簡潔に報告しました。コメントは高雄医科大学邱大昕教授が行いました。同教授も障害学国際セミナーに参加されています。

台湾では障害学会設立に向けての取り組みがあり、障害学国際セミナー2017を含め、今後も連携を進めるための重要なステップとなりました。

*本企画は、生存学研究センターの研究プロジェクト「東アジアにおける障害学の促進研究班」の活動として、学外拠点連携予算の支援を得ておこなわれました。

(立命館大学生存学研究センター教授 長瀬修さんによる報告を掲載)