ワークショップ センシティブな個人情報を含む記録の利用に向けて ―「触法精神障害者」をめぐる課題を中心に―

掲載日: 2025年07月17日

日時:2025年7月28日(月) 10時~12時

場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館401・402

主催

・科研費挑戦的研究(開拓)「「ヘルスケア政策史研究」領域創成の基盤構築とアーカイブズ整備-PPIの実践と共に」(課題番号23K17288)(研究代表者・後藤基行)

共催

・立命館大学生存学研究所

後援

・立命館先進研究アカデミー(RARA)

*サンプル資料を配布してのワークショップのためクローズドでの開催となります。

 

触法精神障害者とは、「法に触れる 行為をしたが刑罰を科すのが不適当だと判断された」精神障がい者のことである。この触法精神障害者のうち、特に重大犯罪行為を行った精神障害者を対象に作られたのが医療観察法(心神喪失者等医療観察法)である。医療観察法は2003年に成立し、2005年から施行されたが、心神喪失等の状態で重大な他害行為(殺人、放火等の6罪種に限定)を行った者に関する医療と観察に関するもので、裁判官と精神保健審判員(精神科医)からなる審判員二人の合議によって、対象者について指定入院医療機関の入院、指定つい委員医療機関への通院のいずれかの処遇をするか、不処遇にするかの審判を行う。これらの処遇は、対象者の精神障害を改善し、社会復帰を促進することを目的としている。(日本弁護士連合会『弁護士白書』2024年)

立命館大学生存学研究所が所蔵(現在手続き中)している寺嶋正吾資料は、精神科医や障害者の権利に関する研究をしていたときに作成、収集した資料が含まれる。これらの中には、上記に挙げたような触法精神障害者に対する精神保健審判に関わるような個人情報を含む記録も多くあり、通常の資料の公開ではなく、閲覧の閉鎖期間の設定や限定的な公開、黒塗りなどを検討する必要がある資料も含まれる。

本会は、個人情報を含む資料を公開するにあたり、どのような課題が想定されるか、今後様々な立場の当事者から話を伺い、また研究会につなげていくための事前検討会である。

 

講師の渡邊健氏について

臨床心理士で、就労継続支援事業所での精神障がい者支援,医療観察事件の被害者とそのご家族の支援などに携わる
https://www.watasoudan.com/

 

内容

10時00分 : 阿久津 美紀(立命館大学 衣笠総合研究機構) 趣旨説明と寺嶋正吾資料の概略と個人情報を含む資料

10時10分~11時00分 : 渡邊 健(練馬わたなべ心理相談室代表)氏「2つの人権-医療観察法下の被害者の観点から」

(話題提供(20分)ディスカッション(30分))

11時00分~11時15分 : 休憩

11時15分~11時55分 : ディスカッション(サンプル資料を回覧)および公開、利用に向けた課題の確認

11時55分~12時  後藤 基行(立命館大学先端総合学術研究科) 終わり挨拶