映画『ルート181』上映会・講演会

掲載日: 2014年01月17日

ルート181 パレスチナ-イスラエル 旅の断章


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(PDF形式:632KB)

監督:ミシェル・クレイフィ / エイアル・シヴァン
日本語字幕
2005年山形国際ドキュメンタリー映画祭最優秀賞受賞
作品サイト: http://palestine-forum.org/route181/

ルート181とは

1947年11月29日、国連によるパレスチナ分割決議181が採択され、パレスチナの土地の56%を当時の人口比で3割に達していたユダヤ人に、43%の土地を7割のパレスチナ人に与え、残りのエルサレム、ベツレヘムを含む地域を国際管理下に置くとされた。実際にそれは国境線になることはなく、ユダヤ人による領土拡張は進められ、その過程で約100万人のパレスチナ人が難民となった。2002年夏、ミシェル・クレイフィとエイアル・シヴァンの二人の監督は、その当時の分割線を「ルート181」と名づけ、その道を車で走りながらカメラをまわした。そして、「ルート181」は、私たちの目に晒された。

なぜ今、『ルート181』なのか…

「この国(イスラエル)は、さまざまな神話や記憶を動員することにより、絶え間なく創造され続けているのです。…通常、「記憶」は「忘却」に対置されますが、ここでは「記憶」そのものが「忘却」のプロセスなのです。」共同監督の一人であるエイアル・シヴァンはイスラエルをこう語る。記憶と忘却のプロセスは決して中東に限られた問題ではない。新たな記憶と同時に、過去を忘却しきれない民は「記憶」と「忘却」の狭間で自己の引き裂きを経験するのかもしれない。その引き裂きが人々の「生」にいかに影響してきたのか、その引き裂きを、人は自らの生の中で、どのように引き受けてきたのか、今、改めて『ルート181』映像から考えてみたい。

もう一人の共同監督であるミシェル・クレイフィは、監督デビュー作『豊穣な記憶』以来、常に民衆の日常生活に向きあう表象活動を試みている。丹念に撮影され編集された映像から見えてくるものは、国民国家や植民地主義の「大きな語り」に回収されない記憶や語りであろう。威勢のいい大きな語りばかりが聞こえてくる今、この映画が問いかけるものは何か、見る側の思考を喚起させてみたい。

プログラム

2014年2月7日(金)〈前夜祭〉

『豊穣な記憶』上映会
ミシェル・クレイフィ初監督作品
(1981年カンヌ映画祭批評家週間出品)

17:00 開場
17:30 上映開始
19:20 上映終了

2014年2月8日(土)

『ルート181』上映会

10:30 開場
11:00〜12:25 第一部上映
昼食休憩
13:15〜15:00 第二部上映
休憩
15:15〜16:40 第三部上映
16:40〜17:40 田浪亜央江さん講演
17:40〜18:00 質疑応答
18:00 終了
18:30〜 懇親会

概要

会場 立命館大学衣笠キャンパス 充光館301
参加費 無料
主催 立命館大学生存学研究センター、立命館大学先端総合学術研究科2013年度院生プロジェクト「映画を通じて問いなおす“記憶”の形成」
協力 生存学研究センター若手研究者研究力強化型「祝祭の多角的再考から導く共生研究」

講師紹介:田浪亜央江さん

成蹊大学非常勤講師(パレスチナ文化研究)。インパクション編集委員を長く務め、「ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉」という団体において中心的に活動を展開される。

お問い合わせ先

立命館大学生存学研究センター事務局
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
TEL:075-465-8475 FAX:075-465-8245
E-mail:ars-vive@st.ritsumei.ac.jp

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