フェミニズム研究会 第2回公開研究会「フェミニズムとフィールドワーク」

掲載日: 2013年11月29日

開催趣旨

フェミニズム研究会では、「フェミニズムとフィールド・ワーク」と題し、ヨーク大学(カナダ)大学院女性学部在学中の研究者である中川志保子さんをお呼びして第2回公開研究会を開催します。  

中川さんはアメリカ合衆国の社会福祉政策およびシングルマザーたちが抱える貧困や階級差別、人種差別、性差別などの構造的困難、そして両者の関係性についてフェミニズム的視点から継続的に研究し、またフィールド・ワークを行われました。本企画では、ウィスコンシン州ミルウォーキー市における児童福祉とシングルマザー、そして彼女たちの運動について報告してくださいます。 

参加者の皆さんと中川さんの問題関心を共有し、さらにはご報告を起点としてフィールド・ワークとフェミニズムのかかわり、その可能性についても考えることができればと思います。

  • 日時:2013年12月22日(日)14:00-16:30
  • 主催:生存学研究センター
  • 会場:立命館大学衣笠キャンパス 学而館第3研究会室
  • 参加:参加費無料・申し込み不要

プログラム

司会:堀江有里(立命館大学国際関係学部・非常勤講師)

14:00〜 趣旨説明
14:10〜15:00 「フェミニズムとフィールドワーク―アメリカ合衆国のシングルマザーと児童福祉」
講演:中川 志保子(カナダ・ヨーク大学)
15:00〜15:10 質疑応答
15:10〜15:20 休憩
15:20〜16:30 コメントと全体討議
コメンテーター:金友子(立命館大学教員)
コメンテーター:山口真紀(立命館大学先端総合学術研究科院生)
16:30 閉会

報告要旨(中川志保子)

母子家庭の抱える貧困は、女性が男性から独立して世帯を持つことが有する、様々な権力関係を転覆する可能性ゆえのものであり、フェミニズムにとって重要な一課題である。アメリカ合衆国では1996年の福祉改革後ワークフェア政策の実施とともに、児童福祉が民営化して拡大し、貧困ビジネスとして(特に非白人の)シングルマザーとその子どもたちが貧困を理由に切り離され、搾取・抑圧されているにもかかわらず、この事実は構造的にほぼ無視され、数少ないシングルマザーの活動組織のみがそれと闘っているというのが現状である。公開研究会では、その一団体であるウィスコンシン州ミルウォーキー市にあるウェルフェア・ウォーリアーズにおける、児童福祉とシングルマザーたちの関係性、そして彼女たちの運動について、「フィールド」ワークを行った経験とその結果を報告する。

お問い合わせ先

立命館大学生存学研究センター事務局
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
TEL:075-465-8475 FAX:075-465-8245
E-mail:ars-vive@st.ritsumei.ac.jp

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