「総長声明-ダイバーシティ&インクルージョン推進に向けて」と生存学研究所

掲載日: 2021年01月21日English

生存学研究所は、「総長声明-ダイバーシティ&インクルージョン推進に向けて」(2020年12月23日)を歓迎し、強く支持すると共に、当研究所の取り組みにおいて、その実現に向けて注力してまいります。

総長声明の中で私たちが特に注目しているのは、合理的配慮への言及です。合理的配慮という概念は、宗教に関する差別との闘いの中で、必要な変更や調整を行うという意味で生み出され、障害者に対する差別との闘いの中で大きく開花し、国連障害者権利条約を通じて国際社会において広く認知されました。同条約に基づいて制定された障害者差別解消法によって、日本でも合理的配慮の提供は法的に義務づけられています。

しかし、そうした国際法や国内法での位置づけを超えて、私たちのコミュニティの多様な構成員が持つ様々な差異を柔軟に受けとめる仕組みとして、合理的配慮は大きな可能性を秘めています。すでに国際的には宗教や障害のみならず、性別や子育てをはじめとする家族状況など様々な差異に対応するために、合理的配慮が活かされているからです。

当研究所は合理的配慮の研究と実践を含む生存学の展開と深化を通じて、総長声明に基づく本学園におけるダイバーシティとインクルージョンの実現に引き続き貢献してまいります。