フェミニズム研究会 第5回公開研究会「〈抵抗〉を描く――『レズビアン・アイデンティティーズ』合評会」

掲載日: 2016年03月04日

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(PDF形式:895KB)

日時:2016年3月24日(木)14:00-17:30
会場:立命館大学衣笠キャンパス創思館403・404
主催:立命館大学生存学研究センター
共催:立命館大学人間科学研究所「インクルーシブ社会に向けた支援の〈学=実〉連環型研究(基礎研究チーム)」
参加:無料・申し込み不要

*会場の近くに駐車場はありませんので、公共交通機関をご利用下さい。

開催趣旨

 フェミニズム研究会では、ジェンダーで分かたれた日常・学術の場における権力関係や、抑圧からの解放をはかるための理論や実践について考えています。今年度はこれらの営為を〈抵抗〉として位置付け、読解と記述に取り組んできました。今年度の活動の最後に、メンバーである堀江有里さんが上梓された『レズビアン・アイデンティティーズ』(洛北出版、2015年)(リンク)の合評会を開催します。

 本著では「レズビアンという名づけを引き受けるとはどういうことか」と問いながら、セクシュアル・マイノリティを取りまく社会構造について、またそのただなかに立たされてきた人々の営為について考察が試みられています。男性中心主義・異性愛主義・家族主義は未だ巧妙に社会に存在し、〈レズビアン〉は常に規範の境界上に留め置かれてきました。著者は、〈レズビアン〉の存在をめぐる論理を丁寧に追うことで、かのじょたちを「存在をあやうくしかねない孤立という出来事」へと向かわせる力を、ひとつひとつ剥がしていきます。また、同性パートナーシップ条例や企業の「ダイバーシティ戦略」など、近年めまぐるしく展開されているマイノリティの〈承認〉をめぐる事象についても、問題の所在を明確に指摘しています。本著の問題意識は、「よりよい名前」をあてがうことで、揺らぎながらある人々の営為を無化し、つながりを分断し、存在を抹消せんとする力に〈抵抗〉する意思に貫かれているように思われてなりません。

 合評会では、堀江さんに自著解題をお願いしたうえで、青山薫さんにジェンダー/セクシュアリティ研究の観点から、天田城介さんに社会学理論の観点からコメントを頂きます。オーディエンスも含めたディスカッションの時間を通して、〈アイデンティティーズ〉という言葉に託された、様々な立場と経験を持った人々が異なりながらも「私たち」としてつながる可能性を、思考する場になればと考えています。

プログラム

13:30 開場
14:00 開会
趣旨説明
14:10 著者解題:
堀江有里(立命館大学ほか レズビアン・スタディーズ、クィア神学)
14:55 評者コメント:
青山薫(神戸大学 ジェンダー/セクシュアリティ研究)
天田城介(中央大学 理論社会学、臨床社会学)
休憩
16:00 応答とディスカッション
17:30 閉会

お問い合わせ先

立命館大学生存学研究センター事務局
TEL: 075-465-8475 FAX: 075-465-8245
E-mail: ars-vive@st.ritsumei.ac.jp

本企画は文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「インクルーシブ社会に向けた支援の<学=実>連環型研究」プロジェクトの一環としておこなわれるものです。