フェミニズム研究会
本プロジェクトは、フェミニズムの思想/実践に触れることにより、ジェンダーで分かたれた日常・学術の場における権力関係を分節化することを目的とする。フェミニズムの〈知〉の蓄積の出発点は、日常・学術における諸活動にエンパワメントをもたらすことであった。このような「生存」の思想/実践としてのフェミニズムの出発点を踏まえ、その歴史の連なりのなかに、自らのポジショナリティを振り返り、位置づけることが、本プロジェクトのめざす内容である。フェミニズムをかならずしも研究テーマに設定していないメンバーが多く集まることにより、各自の研究活動により広く、かつ多角的な視野を生み出すものであろうことが期待される。
フェミニズムは、従来、実践から立ち上がってきた理論を基軸として営まれてきた思想である。しかし、近年、そのフェミニズムが個々の人びとの営為と乖離していると指摘されて久しい。本当にそうであろうか。そこにはフェミニズムに対する〈誤解〉もしくは〈誤読〉も含まれているのではないだろうか。ジェンダーで分かたれる、わたしたちの日常は、無意識のうちに、性別二元論と異性愛主義という二つの規範を再/生産しつづけている。これらの規範は、生存学研究センターが基軸とする「障老病異」のいずれの位相においても貫かれている問いとして設定されうる。フェミニズムの基礎的な知識を検討することによって、性にかかわる「生存」を読み解く効果を生み出すことができると考える。
プロジェクト名 | フェミニズム研究会 |
---|---|
プロジェクト代表者 | 小泉義之 |
年度 | 2013 |