記述と批判の人文学(Humanities on Description and Critique)
本プロジェクトの目的は、歴史学、人類学、社会学といった領域における記述という研究実践と批判の実践の可能な関係を議論、考察し、分節化することにある。今年度は、さまざまな新しい技術、科学、制度・政策、事故に伴い不明瞭な対象・現象が出現する状況下における専門家の知と市井の人々の知の関係をめぐる記述と批判の可能性を検討する。そこで、リュック・ボルタンスキーによる批判社会学の試みについて講読をすすめ、それぞれの領域・関心の視点からその達成について議論する。理論的定式化とは別の仕方で社会批判の方法を探る点に、このプロジェクトを進める意義がある。
人類学、歴史研究、さらに当事者といった異なる立場から記述を試みるメンバーが集まっている。それぞれの視点から記述と批判の関係性を捉えなおすことは、生存のエスノグラフィーの発展につながると考えている。また、当事者を交えて方法論を議論する本プロジェクトの取り組みは「当事者研究」の発展にも寄与するものでもある。
プロジェクト名 | 記述と批判の人文学(Humanities on Description and Critique) |
---|---|
プロジェクト代表者 | Paul Dumouchel |
年度 | 2013 |