歴史社会学研究会

本研究会は、歴史社会学を実践する諸文献を学際的に読み解くことで、そこで示されている歴史記述・分析の手法をどのようにそれぞれの学問分野に応用できるのかを探求することを目的としている。各メンバーの研究テーマは多岐にわたるが、過去の生存の様式を「発掘」し、現在につながる問題を「発見」することを通じ、未来の生存にむけた問いを拓いていく方法論としての歴史記述・分析に対する関心は共通している。歴史社会学を研究会の名に掲げることは、歴史社会学会なるものが存在しない国内の研究状況に一石を投じる点で意義がある。

本プロジェクトは歴史記述・分析の可能性を探求することを目的にする。それは、センターが掲げる基軸・課題群を遂行するにあたって求められる、問題領域の現状の診断と新たな問いの開拓のために必要不可欠な研究実践の取り組みである。本研究会は、これまで『歴史から現在への学際的アプローチ』(生存学研究センター報告17)や、『体制の歴史』(洛北出版)の刊行といった形で、生存学研究センターの掲げる四つの課題群のうちの【生存の現代史】、および【生存をめぐる制度・政策】に貢献してきた。本年度は、これまでの成果を再帰的にとらえながら、歴史記述・分析の新たな可能性を探求するために、定期研究会を継続する。同時に、新規メンバーの開拓に力を入れる。すなわち、生存学研究センターに関わる、歴史記述・分析を志向する院生、および専門研究員との間に新たな連帯を構築することによって、より学問横断的に本センターの研究力強化に貢献する。

プロジェクト名 歴史社会学研究会
プロジェクト代表者 立岩真也
年度 2013