規範×秩序研究会

本プロジェクトの目的は、昨年度に引き続き、生存を支える思想と生存を脅かす要因についての理論的検討である。前者は規範理論と社会学理論の観点から主に社会保障に関する理念を制度再設計も視野に入れて検討し、後者は現状秩序における危害・差別などの要因と、それらに対抗する制度・実践などオルタナティブな秩序・関係性に関連したテーマを考察する。本年度はこれら研究目的に関する研究メンバーの論文をまとめて、生存学研究センター報告書を刊行する。

生存学の学問的課題のひとつに「生存をめぐる制度・政策」があるが、その業績のなかには制度のしくみや歴史の記述・分析にとどまるものが多く、それを踏まえたうえで、制度や政策の規範理論まで検討しているプロジェクトは他にない。本研究会の成果は、同センターが掲げる障老病異それぞれの問題を包括的に扱うことができ、かつ既存のディシプリンの枠組みに留まらない生存学特有の理論的視座の構築につながる。こうした視座は、生存学内の他の研究プロジェクトの参照点にもなり、他の研究会の発展にも寄与することが期待される。

プロジェクト名 規範×秩序研究会
プロジェクト代表者 井上彰
年度 2015