「精神と生存の運動」研究会

本プロジェクトは、精神障害者による社会運動の現代史を明らかにすべく、基礎資料を集積することを目的とする。

精神障害者差別問題という社会問題に対して精神障害者による社会運動は、いかにして抵抗したか。このことについて、インタビュー対象者が発病してから、どのような契機で運動に関わり、どのような経験をしてきたのか、そこで何を見たのか、何が獲得できて、何が獲得できなかったか、他団体との関係はどうであったか、などを調査する。

本プロジェクトは、生存学研究センターの掲げる学問的課題群の内、【生存をめぐる現代史】に貢献する。生存学研究センターの主たる活動には、患者会・障害者団体発行の機関誌など、当事者の活動に関する資料のアーカイヴィングを行い、その蓄積をセンターの活動に反映させることと、アーカイヴを生かしつつ、障害や病をもつなどの当事者が参加する研究交流・社会連携活動を実施することがある。しかし、当事者の活動に関する資料のアーカイヴィングは、十分に取り組まれていないという実情である。そのため、障老病異の生存にかかる研究は、当センターが本格的に取り組むまでほとんどされてこなかった。その中でも精神障害の問題は、独特の政治的でセンシティブな問題を孕んでいることなどから、基礎資料となるデータの集積が進んでこなかった分野のひとつである。

本プロジェクトは、生存学研究センターの主たる活動の一環である当事者の活動に関する資料のアーカイヴィングを行なうものであり、とくに研究が進まなかった分野を対象とする点で、生存学研究センターにもたらす効果は大きい。

プロジェクト名 「精神と生存の運動」研究会
プロジェクト代表者 立岩真也
年度 2014