出生をめぐる倫理研究会

本研究会は2008年の設立以来、「出生」をキーワードに妊娠・不妊・中絶・出産・養育など生殖に関わる様々問題を扱ってきた。今年度の研究課題は生殖と再生医療に関する技術と倫理であり、「生殖」と「生存」にかかわる医療・技術についてその接点と可能性を理解し、生殖技術が当該男女・親子・家族とどまらず広く社会に関わるものであることとその倫理的課題を検討することを目的とする。生殖医療や新しい技術をめぐって生ずる倫理的問題に研究メンバーが各専門領域からのアプローチを試み、学際的な議論の構築を目指すことに本研究会の意義がある。

出生は「生存」の前提条件であり、そこで生ずる諸問題は医療・技術をめぐる倫理、「家族」のあり方やジェンダー問題を含めて様々な重要論点を含んでおり、人文社会科学を横断して活発な議論が展開される一大アリーナである。生存を支える諸政策とその背景にある諸理念に対して、生殖医療・新技術の利用をめぐる倫理という共通の問題意識から、各メンバーがその専門を活かして領域横断的な研究成果を出すことは、生存学の研究の射程を確実に拡大・深化する。

プロジェクト名 出生をめぐる倫理研究会
研究課題 生殖と再生医療に関する技術と倫理
プロジェクト代表者 松原洋子
年度 2013