2016年度若手研究者研究力強化型「国際的研究活動」

【前期】

採択研究者 伊東香純(立命館大学大学院 先端総合学術研究科)
研究内容 本研究活動の目的は、世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワーク(World Network of Users and Survivors of Psychiatry以下、WNUSP)の結成から障害者運動との連帯までの経緯を明らかにすることである。そのための方法として、WNUSPの初代議長を務めたオーヘイガン(Mary O’Hagan)のインタビュー、WNUSPのニュースレターなどの資料収集、ニュージーランドのセルプヘルプグループ見学などの調査をおこなう。
研究成果報告 精神障害者のグローバルな草の根運動の研究――誰も閉め出さない世界のために
採択研究者 村上慎司(立命館大学大学院 先端総合学術研究科)
研究内容 2016年7月7〜9日に韓国ソウル市のSogang Universityで開催される16th Basic Income Earth Network Congressにおいて、論題”Time and Economic Autonomy of Lone Mothers in Japan and Basic Income”で共同発表(共同発表者:堅田香緒里法政大学准教授)を行う。
研究成果報告 母子世帯の母親における経済的・時間的自律性――第16回ベーシック・インカム世界大会での報告
採択研究者 番匠健一(生存学研究センター客員研究員)
研究内容 2016年5月21日に台湾・高雄市の文藻外語大学にて開催の、国際シンポジウム、第6回日台アジア未来フォーラム「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」における発表・研究交流・資料収集、及び台湾東部花蓮地方でフィールドワークを行う。
研究成果報告 植民地時代をめぐる記憶の「場」―台湾・高雄市における廃墟とアート

【後期】

採択研究者 安原荘一(生存学研究センター客員研究員)
研究内容 インド(プネ)でTCI-A(精神障害者をインクルーシブする地域社会変革のアジア横断連盟)に参加し、アジア地域の精神障害者運動の現状を調査するとともに、特に精神保健法の存在していない国、精神医療体制が確立していない国の精神障害者との連帯の道を模索・研究する。同じくプネで開かれるINTAR(オルターナティヴとリカバリーに向けた国際的ネットワーク)にも出席し、「生活保護制度」という、他のアジア諸国と比べて比較的恵まれた制度のもとで日本のピアサポート運動がどのような社会・経済的背景を持って発展してきたのかという点を報告し、オルターナティヴやリカバリー、ピアサポート運動と「所得補償」制度の充実の面での課題についても意見交換を行う。
研究成果報告 アジアの精神障害者とオルターナティヴ療法/社会運動――TCI-A会議とINTAR学会への参加を通じて
採択研究者 三輪佳子(立命館大学大学院 先端総合学術研究科)
研究内容 下記の調査活動を通じ、中国における低所得層の生活・障害者(特に精神障害)の脱施設化の現状を把握する。

  1. 中国北京市中心部に残るスラム(2017年以後、取り壊し予定)の現地調査
  2. 中国北京市で精神障害者の脱施設化に取り組む国際団体スタッフ・北京市で精神医療を提供する医師等へのインタビュー
  3. 中国北京市で活動する障害者地域生活活動団体の訪問・見学、運営スタッフおよび当事者へのインタビュー
研究成果報告 北京市の低所得層の暮らしと地域再開発にみる、生存戦略・七変化