村本 邦子

女性、トラウマ、世代間トラウマとレジリエンス

臨床心理学を学び、精神科外来で、子ども・思春期を中心にした心理臨床に携わっていました。2人の子どもを自宅出産したのをきっかけに女性問題に目覚め、1990年、女性と子ども、家族をサポートする女性ライフサイクル研究所を設立し、妊娠・出産・子育て、虐待、性暴力、DVなどをテーマにした臨床、研究、社会活動を展開してきました。2014年3月まで同研究所所長を務め、現在は顧問。2002年には特定非営利法人FLC安心とつながりのコミュニティづくりネットワークを立ち上げ、現在まで代表理事を務めています。

2001年、立命館大学大学院応用人間科学研究科の開設と同時に大学院教育に関わるようになり、次世代育成と専門家支援に取り組んでいます。虐待やDVなど家族のトラウマから、学校や組織、地域などコミュニティのトラウマ、災害や戦争など歴史のトラウマと市民レベルの和解修復へと関心を拡げ、さまざまな形の社会臨床にも挑戦しています。最近の関心は、自然、地形、文化、歴史、治政の意味を含み込む「地」に根差した人々の営みとレジリエンスで、東北を中心に「臨地の対人援助学」を試行錯誤しています。

生存学に関連した主な業績

著書

  • 1.村本邦子・中村正・荒木穂積編(2015)『臨地の対人援助学〜東日本大震災と復興の物語』晃洋書房
  • 2.村本邦子(2015)「第二章 親の離婚と子どもの意思〜心理学的観点から」二宮周平・渡辺惺之編『離婚紛争の合意による解決と子の意思の尊重』日本加除出版、96-116頁
  • 3.村本邦子(2014)「第五章 暴力と戦争のトラウマに向き合う心理学」君島東彦・名和又介・横山治生編『戦争と平和を問い直す〜平和学のフロンティア』法律文化社、72-84頁
  • 4.村本邦子・土田宣明・徳田完二・春日井敏行・望月昭編(2013)『対人援助学を拓く』晃洋書房
  • 5.村本邦子(2001)『暴力被害と女性』昭和堂

主要論文

  • 1.村本邦子(2015)「抵抗とレジリエンス〜3.11後を生きるために」女性ライフサイクル研究24号, 4-11頁
  • 2.村本邦子(2013)「日本の児童・女性政策と心理学」心理科学34巻2号, 24-29頁
  • 3.村本邦子(2013)「フェミニズムはどこへ〜女たちの財産を次世代に受け渡すために」女性ライフサイクル研究23号, 5-12頁
  • 4.村本邦子(2012)「東日本・家族応援プロジェクトを立ち上げて」コミュニティ心理学研究15巻2号, 55-65
  • 5.村本邦子(2004)「性被害の実態調査から見た臨床的コミュニティ介入への提言」心理臨床学研究22巻1号, 47-58頁

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