第1日目終了の挨拶

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第1日目終了の挨拶

吉田美喜夫(立命館総長・立命館大学長)


立命館総長・立命館大学長の吉田でございます。本日、ここ大阪いばらきキャンパスに皆さまをお迎えし、障害学国際セミナー2016を開催させていただけることを大変うれしく思っております。
本日の中心テーマは成年後見制度であると伺っています。この制度は日本の場合2000年に施行され、さらに2016年にはその利用促進法が制定されています。これらの法律の前提には、この制度が良いものであるという評価があると考えています。しかし、この制度は近代法の法原則の一つである契約の自由と密接に関係しています。そのため大きな限界をも含んでいるのではないかと思っています。これらの法律は、基本的には取引の場面に焦点を当てて、人間の法的能力を決定するという考え方に立っていると考えるからです。しかし、このような認知症高齢者を含む障害者の権利を十全に守ろうとする場合、十分なのか。また、全ての人々の人権の確保を実現するための障害者の権利保障のための共通の枠組みである、障害者権利条約と整合するのかという問題が生ずるのではないかと思っています。
ご承知のように、東アジア諸国は、今日、急激な高齢化社会を迎えてきています。このような中におきましては、本日議論されているテーマが極めて重要になっておりますので、私としては極めて意義深いセミナーが行われていると考えています。そして、このセミナーは障害学という新しい学問を進めようという共通項を持っています。私は法学を専門にする研究者の一人として、本日のテーマを追求しようとする場合、法的なアプローチが重要であることは言うまでもありませんが、それには限界もあると考えています。そういう意味で、本日ここにお集まりの皆さんが、さまざまな角度から問題提起をされることに大きな期待を寄せています。
最後になりましたが、ここ大阪いばらきキャンパスは、「アジアのゲートウェイ」をキャンパスコンセプトにしています。ここで共通の主題について議論し、交流し、提言していただくことによって、東アジアのこのテーマについての研究者の皆さんの交流がより深まり、そして昨年からは中国、今年からは台湾の皆さまの参加も得ていると伺っていますが、このように広がりを得ながらこのテーマについて研究が進み、ひいては東アジアの国際社会に貢献していただくことを祈念いたしまして、私からの挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

生存学研究センター報告

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