あとがき

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あとがき


由井秀樹

本報告書は、立命館大学生存学研究センターの2014、15年度若手研究者研究力強化型プロジェクト「出生をめぐる倫理研究会」の研究活動をもとに構成されている。本研究会は2008年度の立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点の院生プロジェクトとして立ち上がったのが始まりである。これまで子どもの出生をめぐって生ずる様々な倫理的問題を考えてきた。生殖を妊娠・出産・養育という広い意味で捉え、妊娠中絶、出生前診断、生殖補助技術、新生児医療、養子縁組などをテーマに、哲学、倫理学、歴史学、社会学などの各メンバーが専門とする手法を用いて、学際的研究の構築を試みてきた。2014、15年度は、松原洋子教授を代表に、吉田一史美と由井秀樹が事務局を務める体制で活動した。本研究会の歩みについては、2013年度に刊行した生存学研究センター報告22号(小門穂・吉田一史美・松原洋子編『生殖をめぐる技術と倫理─日本・ヨーロッパの視座から』)のあとがきを参照されたい。
2015年は、本報告書には掲載された研究活動にくわえ、本研究会メンバーである由井、小門穂、山本由美子の博士論文をもとにした3著書が刊行された実り多い年であった。2015年12月には、これらに2012年刊行の利光惠子の著書を加えた研究会メンバーの単著4冊について、コメンテーターに溝口元氏(立正大学)、丸岡高弘氏(南山大学)をお迎えした合同合評会を開催した。合評会で取り扱った単著は次の通りであり、合わせてお目通しいただければ幸いである。

• ‌由井秀樹、『人工授精の近代─戦後の「家族」と医療・技術』(青弓社、2015年)。
• ‌小門穂、『フランスの生命倫理法─生殖医療の用いられ方』(ナカニシヤ出版、2015年)。
• ‌山本由美子、『死産児になる─フランスから読み解く   「死にゆく胎児」と生命倫理』(生活書院、2015年)。
• ‌利光惠子、『出生前診断と受精卵診断─その導入をめぐる争いの現代史』(生活書院、2012年)。

本研究会が最初に作成した論文集として、2009年に生存学研究センター報告10号『出生をめぐる倫理─「生存」への選択』が刊行された。2013年には2冊目の報告書として、生存学研究センター報告22号『生殖をめぐる技術と倫理─日本・ヨーロッパの視座から』が刊行された。今回の生存学研究センター報告25号『生殖と医療をめぐる現代史研究と生命倫理』は、本研究会の3冊目の報告書である。本報告書のタイトルは、院生時代に松原教授の指導を受けてきた立命館大学大学院先端総合学術研究科修了生、現在指導を受けている院生の研究会メンバーが、自身の研究の大きなテーマとして位置づけている問題である。むろん、我々の研究は途上段階であり、本報告書がこの難しい問題に対して十分な成果をあげているとは考えていない。お手にとっていただいた皆様からご批判をいただければ幸いである。
本報告書の刊行にあたり、多くの皆様にお力添えをいただいた。生存学研究センターの先生方、事務局の皆様に大変お世話になりました。そして何よりも、本研究会主催の公開研究会で大変貴重なご講演をいただいたのみならず、講演録の掲載をご快諾くださった花岡龍毅氏、講演録をもとに論文を執筆してくださった山本真知子氏に、心より感謝を申し上げます。

2016年1月

生存学研究センター報告

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