呼びかけ人あいさつ

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増田英明
 私達、在宅で生活する呼吸器装着者は電力に頼って生きています。呼吸器のみならず吸引器や電動ベッド、エアマットなども電気を使用します。この度の大震災では私達がふだん何とかしてくれると頼りにしている行政や病院自体が被災し、大変な事態になっているのをテレビや新聞で見聞きしました。これは人ごとではありません。停電は即、命に関わります。私達自らも非常時に備えた考えや行動を起こす必要があります。新聞報道によると、京都府には2000人以上の在宅で医療機器を使って暮らす人がいます。いまの在宅生活には、ヘルパー不足や医療面、福祉制度などで大きな困難と不安に日々向き合っています。行き場をなくし、孤立している人たちがいます。平時から安心できる暮らしを築かないとなりません。
 私はその第一歩として、京都での停電弱者の横のつながりを築いていきたいと思いました。京都では今まで人工呼吸器装着者同士の顔の見える集まりはありませんでした。外出が困難な患者も多く、容易なことではありませんが少しずつでも進めていきたいと思います。そのためにも今回、震災や停電の体験者をお呼びして学ばせていただきたいと思っています。

(ますだ・ひであき)
1942年10月26日生まれ、68歳。60歳ごろ筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症、2006年に人工呼吸器を装着。京都市左京区在住。自薦ヘルパーと在宅生活に挑む。


佐藤謙
 筋ジストロフィという障害で、24時間人工呼吸器を使っています。私は停電になった場合、呼吸器の電源が取れるように、バッテリーを3台持っています。いつでも使えるように充電はしていますが、3つ合わせても6時間半しかもちません。バッテリーは1台で3万円と高額です。今のバッテリーではそれを複数購入しないといけないので、医療機器メーカーには価格が安くて長時間もつバッテリーを提供していただきたいです。
 私のように在宅で生活している呼吸器ユーザーは、長時間停電するような事態になれば、バッテリーに電気があるうちに自家発電のある病院に緊急で行くしかありません。最悪バッテリーがすべて切れた場合、手動で空気を送る器具を押し空気を送り続けないといけません。
 呼吸器と同様に普段から使っているものは、痰を吸引する吸引器です。今私が使っているものはコンセントを抜いた状態で1時間半しか内蔵バッテリーが持ちません。また、私は普段ベッドの上にいる時は、電気で空気を送り込むエアマットを使っています。停電した場合、勝手に空気が抜けてしまい、ベッドの上では過ごせなくなります。発電機を購入する方法もありますが、高額なものですし、それを呼吸器ユーザーが個人で用意するのは難しいです。緊急事態の場合に、行政や業者から発電機をリースしてもらえる体制を作っていただきたいです。

(さとう・けん)
27歳、京都市北区在住。立命館大卒。NPO「ゆに」代表。立命館大入学をきっかけに、障害学生が通学するためには基盤となる在宅生活の支援が必要だと、在学中の2008年末、京都市内で居宅介護事業所「サポート・けん」を立ち上げ、学生仲間を中心にヘルパー事業の運営を始める。これまでの経験とつながりを大学で学びたいと願うより多くの障害学生のために活かそうと、2011年にNPO法人「ゆに」を設立。

生存学研究センター報告

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