第2章 視覚障害者用支援機器と文字情報へのアクセス

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韓 星民(立命館大学大学院先端総合学術研究科)

 本章では、視覚障害者が大学で学ぶ上で、あるいは大学が視覚障害学生を支援する上で役立つ支援技術(Assistive Technology: AT)の概要を整理するとともに、大学における視覚障害者支援の一つとして有効性が実証されつつあるテキスト校正とは何か、それがなぜ必要なのかをまとめる。

1.視覚障害者の文字情報入手の方法
 視覚障害者の文字情報入手について、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課「平成18年身体障害児・者実態調査結果」をもとに概観しておきたい。
 34ページの表1は障害の種類別にみた情報入手の方法をまとめたものである。ここから障害者と非障害者との違いが分からないという欠点があるが、視覚障害者の場合、一般図書からの情報入手が極端に低いことは明らかである。一方、点字・録音図書を見てみると、それでも14.8%しかいない。
 それでは、視覚障害者=点字とまで思われがちな点字から、まず見てみよう。

(1)点字
 視覚障害者の情報入手の方法として、まず考えられるのが点字であろう。しかし、34ページの表2からも分かるように、実際に点字ができると回答しているのは、視覚障害者全体の1割程度である。これは、視覚障害者が軽度なロービジョン者をも含めているからでもあるが、中途失明者のように点字の習得が困難な場合もある(なお、1級に限れば、4人に1人は「点字ができる」と回答している。視覚障害者の障害程度等級については、36ページの表3を参照されたい)。
 点字に堪能な人の場合、情報が点字で提供されることが望ましいが、点字にはいくつかのデメリットがあり、敬遠されることがある。点字は非常にかさばる(コンサイス英和辞典で本棚一つ)ので、保管や持ち運びには不向きである。さらに、点訳するのに時間と人手を要する。そのため、耳で聞いて理解できる内容のものについては、音声情報としての提供を求める場合も多い。

(2)拡大
 視覚障害者といえば全盲の人が連想されるが、少し見えているが小さい文字を読むことができないといった、ロービジョンの人たちが相当数いる。こうした人たちに対しては、従来から拡大コピーをするなどといった対応がされてきた。しかし、点字ほどではないにせよ、拡大された教材はずいぶんとかさばり持ち運びに不便だといったことは起こっている。
 なお、拡大レンズ(虫眼鏡のようなもの)、弱視眼鏡、拡大読書機等を用いて読む場合には、資料等を拡大コピーするのではなく、そのままの状態で配布することを求めることもある(ロービジョン学生への対応については、第1章の資料1・2も合わせてご参照いただきたい)。

(3)音声(対面朗読・テープ・DAISY)
 対面朗読(対面読書)とは、朗読者が視覚障害者と向かい合って本を音読することをいう。「今日の新聞を読んでほしい」といったリアルタイムの要求に応えることができる。また、「その漢字はどういうものか?」といった疑問にもすぐに答えることができるというメリットがある。デメリットとしては、朗読者と視覚障害者がともに時間と場所を拘束されるという点があげられる。
 そこで登場するのが録音図書、つまりテープまたはDAISYである。テープは音訳の古典的方法で、本の内容を朗読者がカセットテープに録音し、視覚障害者はそれを聞きたいときに聞く。ただし、ページ情報などを入れることができず、それをその場で尋ねることもできない。これに対してDAISYは編集段階でページ情報などを入れることが可能で、短時間しか録音できないというカセットテープのデメリットも解消された。
 ただ、録音図書であっても、制作するのに時間を必要とする。

(4)音声パソコン(テキストデータ)
 そこで最後に登場するのがパソコンを利用した読書法である。たとえば、大学の授業では担当教員自身が書いた本をテキストとして使用することがあるが、その場合、その教員は当該書籍の元になったデータを所有していることがほとんどである。近年はパソコンで文書を書く人が増えているから、なおさらである。
 一方で、視覚障害者のパソコン環境はというと、テキストデータについては音声ソフトによって読み上げることができる。電子メールのやりとりやホームページの閲覧は、こうしたソフトウェアを用いて行っている。
 デメリットとしては、パソコン特有の発音のため、慣れていないと聞き取れないことがあるが、慣れてしまえば人間の読む速さの数倍にして読ませることができる。

 こうしてみてくると、大学での視覚障害学生支援にテキストデータの活用が不可欠であることが分かるであろう。点字にするには人手と費用がかかり、点字の教科書が視覚障害学生の手元に届いたときには期末試験が終わっていたといった、まるで笑い話のような事態はけっして珍しくない。点訳をボランティアに依頼した場合などはとくにそうだ。一方、対面朗読をはじめとする音訳は、点訳ほど時間がかからないが、人手を要するという点は同じである。これに対してテキストデータは、いつでも読みたいときに自分のパソコンに読ませることができる。教員のもっているテキストデータを視覚障害学生に提供した場合、その学生は中身を音声で聞くことが可能となる。また、ロービジョン者はテキストデータを画面に拡大表示させて読むことも可能である。

表1 障害の種類別にみた情報の入手方法(複数回答)(単位:千人)
(単位:千人)
 総数視覚障害聴覚・言語
障害
肢体不自由内部障害
総数4,263 
(100.0)
379 
(100.0)
420 
(100.0)
2,154 
(100.0)
1,310 
(100.0)
一般図書・新聞・雑誌2,605 
(61.1)
102 
(26.9)
280 
(66.7)
1,331 
(61.8)
892 
(68.1)
録音・点字図書62 
(1.5)
56 
(14.8)
1 
(0.2)
1 
(0.1)
4 
(0.3)
ホームページ・電子メール367 
(8.6)
25 
(6.6)
36 
(8.6)
196 
(9.1)
110 
(8.4)
携帯電話366 
(8.6)
27 
(7.1)
49 
(11.7)
205 
(9.5)
85 
(6.5)
ファックス173 
(4.1)
8 
(2.4)
65 
(15.5)
56 
(2.6)
44 
(3.4)
テレビ(一般放送)3,417 
(80.2)
250 
(66.0)
314 
(74.8)
1,779 
(82.6)
1,074 
(82.0)
手話放送・字幕放送77 
(1.8)
4 
(1.1)
66 
(15.7)
5 
(0.2)
2 
(0.2)
ラジオ1,188 
(27.9)
187 
(49.3)
35 
(8.3)
589 
(27.3)
377 
(28.8)
自治体広報1,189 
(27.9)
52 
(13.7)
96 
(22.9)
620 
(28.8)
421 
(32.1)
家族・友人2,187 
(51.3)
211 
(55.7)
226 
(53.8)
1,126 
(52.3)
624 
(47.6)
その他190 
(4.5)
22 
(5.8)
16 
(3.8)
98 
(4.5)
54 
(4.1)
( )内は、障害の種類別の総数を100とした場合の割合(%)
(出典:「平成18年身体障害児・者実態調査結果」)
表2 障害程度別にみた点字習得及び点字必要性の状況
(単位:千人)
障害の程度総数点字が
できる
点字ができない回答なし
小計点字必要点字必要なし回答なし
総数379 
(100.0)
48 
(12.7)
268 
(70.7)
25 
(6.6)
231 
(60.9)
12 
(3.2)
63 
(16.6)
1級135 
(100.0)
34 
(25.2)
77 
(57.0)
7 
(5.2)
63 
(46.7)
7 
(5.2)
24 
(17.8)
2級100 
(100.0)
13 
(13.0)
80 
(80.0)
10 
(10.0)
69 
(69.0)
1 
(1.0)
7 
(7.0)
3級23 
(100.0)
− 
(−)
23 
(100.0)
2 
(8.7)
21 
(91.3)
− 
(−)
− 
(−)
4級35 
(100.0)
1 
(2.9)
26 
(74.3)
3 
(8.6)
23 
(65.7)
1 
(2.9)
7 
(20.0)
5級39 
(100.0)
− 
(−)
30 
(76.9)
− 
(−)
29 
(74.4)
1 
(2.6)
9 
(23.1)
6級32 
(100.0)
− 
(−)
21 
(65.6)
1 
(3.1)
18 
(56.3)
2 
(6.3)
11 
(34.4)
不詳15 
(100.0)
− 
(−)
11 
(73.3)
2 
(13.3)
8 
(53.3)
− 
(−)
5 
(33.3)
(出典:「平成18年身体障害児・者実態調査結果」)
(  )内は構成比(%)
表3 視覚障害者障害程度等級表
(単位:千人)
等級定義
1級両眼の視力の和が0.01以下のもの
2級(1) 両眼の視力の和が0.02以上0.04以下のもの
(2) 両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両目による視野について視能率による損失率が95%以上のもの
3級(1) 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
(2) 両眼の視野がそれぞれ10度以内でかつ両目による視野について視能率による損失率が90%以上のもの
4級(1) 両眼の視力の和が0.09以上0.12以下のもの
(2) 両眼の視野がそれぞれ10度以内
5級(1) 両眼の視力の和が0.13以上0.2以下のもの
(2) 両眼による視野の2分の1以上が欠けているもの
6級一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下のもので両眼の視力の和が0.2を超えるもの
※視力は「万国式視力表により測ったものをいい、屈折異常のある者については矯正視力について測ったもの」をいいます。
※同一の等級において二つの重複する障害がある場合は、一級のうえの級とする。
(出典:「身体障害者福祉法施行規則第7条別表第5号」) 
2.パソコンを活用した学習方法とその支援
 ここまで、視覚障害者が文字情報を入手する方法として、パソコンの活用があるということを述べてきた。次に、その方法と問題点について述べる。

(1)テキストデータの入手
 いくつか方法はあるが、もっとも簡単で合理的な方法は、出版社が書籍と一緒にテキストデータを提供することである。明石書店や医学書院といった出版社は(障害学の関係者が本を出しているという関係もあるのだが)テキストデータを提供すると明記してあることがある。生活書院はすべての書籍に対しテキストデータの提供を行っている(テキストデータ入手可能な本についてはhttp://www.arsvi.com/d/d03.htmにリストを掲示している)。
 出版社がテキストデータの提供に応じなくとも、著者が最終校正前のデータをもっていることは多く、それを受け取るという方法もある。大学で、授業を担当する教員が自分の書いた本をテキストとして使用する場合などは、仮に出版社がデータ提供を拒んだとしても、教員が手渡すことは可能である。
 次に、出版社・著者の両方から断られたらどうするか。本をOCRソフトでテキストデータにしてしまうという方法がある。ただし、それでは不完全なため、校正作業が必要となる。
 ここで入手されたテキストデータは、パソコン点訳にも活用できる。テキストデータを自動点訳ソフトにかけ、未校正点字データができあがるので、それを校正すれば点字データになる。あとはそれを点字プリンタで印刷するだけでよい。
 つまり、こうした形態のパソコン点訳はテキスト校正の先にある作業であるから、その意味でもテキスト校正の作業は重要になってくる。

(2)テキストデータの問題点
 テキストデータを使った読書法には、さまざまな問題点がある。そもそも、出版社側がデータの提供に応じないという問題である。そしてその中にもいくつかの原因がある。
 ひとつは著作権である。著作権法上の問題については、第3章にまとめるのでここでは触れない。合わせてご参照いただきたい。
 労力の問題もある。テキストデータの提供については、○1著作権者・出版社がともに同意している場合、○2著作権者は同意しているが出版社が拒否している場合、○3出版社は同意しているが著作権者が拒否している場合、○4著作権者・出版社の両方が拒否している場合、がある。障害学関連の書籍の場合は○1であり、その他やはり多数派なのが○4である。しかし、実際は○2である場合がある。データ提供を認めると、それは出版社の労働を増やすことになる。そして出版業界にいわせれば、その労働を自分たちが担わなければならないのは不当である、と。大手出版社と中小零細の出版社とでは事情が異なるだろう。さらに、書籍の印刷データは出版社になく印刷会社の手元にある場合があり、印刷会社が提供を拒否しているという場合がある。
 テキストデータの提供が行われるケースは非常に少ないのが現実であるといわざるをえない。

3.大学における情報支援機器の活用
 視覚障害学生が大学で学ぶために必要な支援機器には様々なものがあり、学生自身が準備するものと学校側が準備するものがある。そして、1人の学生が多くの支援機器を使い分けているケースが多く、それらの組み合わせが障害の程度や生活歴によって異なるため、支援対象となる学生の個別性を重視する必要がある。
 大学に入学する障害学生は、大学という新しい環境に適応しなければならないという不安を抱えている場合が多い。こうした入学後の不安を少しでも取り除く意味でも、障害をもつ学生の入学が決定した時点で支援機器を揃えることは重要であることはいうまでもないが、支援機器・学生双方の多様性があることから、十分なコミュニケーションを取ることが求められる。支援機器の選択には機器を使う主体である障害学生の意見を反映させることが重要である。とくにスクリーンリーダーは使い慣れたもの以外は使いこなせない場合も珍しくないので、本人の利用状況を前もって確認することは不可欠といえる。
 また、視覚障害学生の中でも支援機器を使い慣れている人とそうでない人がいるため、どのような支援機器をどのレベルまで揃える必要があるかについて検討を要する。
 本章では、支援機器メーカーで点字ディスプレイを開発した経験があり、同時に自身も大学では支援を受ける立場であった筆者が、その経験と、多くの支援機器を活用しながらそれらを研究・開発している立場として、それらの概要をまとめるとともに、課題を整理する。

(1)支援機器使用形態から見た、視覚障害をもつ学生の分類
 支援機器を使う視覚障害学生は、目で活字を確認する手段をもたない学生と、ルーペや拡大読書機などを使用すれば活字が使用可能な学生とに、大きく分けることができる。
 前者は主に全盲学生が該当し、後者は主にロービジョン学生が該当する。その他点字が読めない全盲学生やあまり支援を必要としない学生、全盲とロービジョンの両方の支援機器を使いこなす学生も存在する。
 全盲学生は、視覚以外の聴覚や触覚を使用した情報処理手段である音声文字(音字)や点字を使用する必要がある。教科書やプリント資料などの活字情報を点字や音声に変換する作業が必要であり、支援技術や周辺技術の発展に伴い、その方法も変化しつつある。本稿では主に支援技術を利用した方法について記述する。
 その他、大学に蓄積された障害学生支援のノウハウや合理的配慮に基づいた支援が必要とされており、支援工学に基づいた体系的支援が望まれている。
 本節では視覚障害学生が使用する支援機器の概略を説明し、主な支援機器の各々について次節から説明を行う。

(2)支援機器の使用状況
 全盲学生は、活字読み障害者(print disabled readers)ともいわれ、教科書や配布資料、掲示板などにおいて活字以外の情報入手手段を必要としている。主に使われる支援機器として、スクリーンリーダーや点字ディスプレイなどがある。
 活字読み上げ機器があれば、プリントなど一人で内容を確認したりデータを取り込んだりすることができる。また、点字が読めない視覚障害学生やパソコンが使えない学生にも有効である(★01)。
 ロービジョン学生は、かつては、主に、拡大レンズや拡大コピーを用いて本や資料を読んでいたが、支援機器の発展にともなって拡大読書機や拡大ソフトウェアなどを使用する人が増えている。さらに、以前は主に全盲が使っていたスクリーンリーダーなども質が向上し、人間に近い声になってからは、その使用頻度が増えている。また、単純に大きなディスプレイを購入することにより、画面拡大ソフトウェアを必要としない学生もいる。
 ロービジョン学生でも全盲学生でも、あれば効率的に活字読み上げが可能な機器として、スキャナで読み取った内容をそのまま読み上げる活字読み上げ機器や、テキスト化作業を行うための高性能スキャナやOCRソフトウェアなどが挙げられる。

(3)活字障害者と支援技術
 活字へのアクセスを可能にする支援技術(AT: Assistive Technology)は周辺技術(OCRやスキャナ、ICT技術等)の発達とともにその可能性を増している。
 視覚障害者が活字情報にアクセスするためによく用いられている方法の一つが、スキャナで読み取った画像をOCRソフトを使用してテキストデータに変換する作業である。テキストデータがあれば、パソコンの音声読み上げ装置で読み上げることができる。さらに、その上で、点字変換ソフトで点字データにすることや、見やすいフォントや色、サイズの変更を行うことも可能となる。
 視覚障害者用に開発されたOCR付き音声読み上げソフトウェアはいくつか発売されており、その価格と性能もさまざまである。
 パソコンが使用できない視覚障害者でも利用可能な、スキャナとOCRソフト、そして読み上げソフトが一体となった『よむべえ』のような「音声読書機」も開発されている。
 ロービジョン者にとっては、テキストデータだけではなく、図やグラフ等の資料が必要になることから、PDFファイルの形式で電子化する方法も採られている。そこでは、文字のサイズと色を変換したり、図のみをプリントアウトして拡大読書機で読んだりしている。
 また、これらの多様なニーズに対応できる電子出版やDAISY方式のデジタル録音図書への期待は大きい。ただ日本においては著作権をはじめ、強制許諾、不正コピー対策、利用者識別等、解決すべき問題が山積している。
 読みたい本(活字)が読みたいときに読みたい媒体で提供されることが視覚障害者にとっての「読書権」であり、それを実現するための支援技術の開発が必要である。

(4)支援技術開発の動向と、次節以降の説明
 近年視覚障害者のための支援機器は、急速な発展を遂げており、ICT技術の発展により、視覚障害者の情報リテラシーの重要性も増している。
 日常生活用具(福祉制度)の項目に情報機器を扱うためのコミュニケーション支援が含まれており、情報コミュニケーションのための支援機器が多いのも特徴である。次節以降では、ICT利用のために必要不可欠なスクリーンリーダーや点字ディスプレイ、拡大読書機、音声読書機のDAISYプレイヤー、スピーチマシンについて具体的に説明を行う。

〈資料〉A社入社時の筆者の高齢・障害者就労支援基金による支援機器購入リスト
ブレイルメモ BM24 238,000(非課税) 点字ディスプレイ
Epsondirect Pro3100 288,000  デスクトップパソコン (WinXP-Pro,Pen4-540J,1024MB,250GB,スーパーマルチドライブ,OfficePro2003)
サムスン SyncMaster 213 178,000 21型TFT液晶
Epson LP-9200C 228,000 A3対応カラーレーザー
Epson GT-X800 48,000 A4対応フラットスキャナ
よむべえ 198,000 音声・拡大読書機
ナイツ VS-5000LCD 380,000(非課税) 拡大読書機
ハード小計  1,558,000
PC-TalkerXP 38,000 音声化ソフト
95Reader6.0 34,000 音声化ソフト
MYWORDⅤ 88,000 ワープロソフト
MYMAILⅡ 10,000 メールソフト
MYNEWS 20,000 ネット検索ソフト
アドボイスⅢ 38,000 住所録ソフト
ホームページリーダー 15,000 音声ブラウザ
JAWS for Windows 4.5 150,000 音声化ソフト
ZoomText 8.1 Magnifier 58,000 画面拡大ソフト
らくらくリーダー 69,000 活字読上ソフト
ブレイルスキャン 95,000 点字OCRソフト
ラジオリーダーXP 18,000 ネット検索ソフト

ソフト小計 633.000

合計 2.191.000
消費税 78,650
送料  8.000
支払総計 2,277,650


4.スクリーンリーダー
(1)スクリーンリーダーとは
 スクリーンリーダーとは視覚障害者のパソコン操作を支援するためのソフトウェアであり、ホームページや電子メール、キー操作の内容を音声出力するための支援技術の一つである。そして、スピーチエンジンを制御し、文章ファイルを読ませたり、Windows操作に必要な情報を音声出力させたりすることができる。
 スピーチエンジンは、TTS(Text To Speech)や音声合成ともいわれ、人の声を人工的に作り出す技術である。スクリーンリーダーの初期の音声はロボットのような声であったが、最近のスクリーンリーダーは優れたスピーチエンジンを使用することにより、肉声に近づいている。
 スクリーンリーダーを開発している会社とスピーチエンジンを開発している会社、そして、OSのWindowsを開発している会社それぞれの設計段階からの協力や技術的相互作用が必要不可欠となっている。
 そして、スクリーンリーダーの開発にはWindowsのアクセシビリティを考慮した設計やプロトコルの開示が重要である。
 WindowsのXPバージョンからVistaバージョンへの変更の際、ユーザー補助をはじめ、アクセシビリティ関連機能の充実がなされたが、ユーザービリティの向上と高機能実現のためだったのか、操作方法やショートカットキーの変更が生じた。
 マウスを用いず、ショートカットキーの多くをあらかじめ記憶してパソコン操作に臨む視覚障害者にとって、Windowsが提供しているショートカットキーがWindowsのバージョン毎に異なると、新しく学習しなおさなければならない。画面を見ながらマウス操作するときの単純さとは比べものにならない負担を視覚障害者に強いてしまうことになる。
 いくつもの支援技術関連ソフトウェアを駆使してICTの活用を行っている視覚障害者にとっては、キーの新たなダブルブッキング問題にもつながる。スクリプト作成やキーの変更登録が可能なスクリーンリーダーも登場しているが、キーのダブルブッキング問題などは支援技術開発メーカー同士の協力の必要性を示唆するものである。
 たとえば、スクリーンリーダーと画面拡大ソフトの間には、ソフトウェアの相性問題で同時使用が難しいときもあったが、現在では、ショートカットキーの重複をなくし、同時使用時にもエラーを起こさせないための努力がなされている。
 WindowsのOSが変わる際、そのOSに支援技術が対応するためには数カ月から数年かかるといわれていたが、マイクロソフト社はMSAA(Microsoft Active Accessibility)を開示し、支援技術ベンダーとの共同開発を進めるなどして、Windows Vista発売と同時にそれに対応するスクリーンリーダーも発売されるまでになった(★02)。
 本節では多くの視覚障害者が使用しているスクリーンリーダーの現状について概観し、全盲者のみではなくロービジョン者にとっても情報入手のための重要なツールであることを指摘した上で、新たに引き起こされている問題を指摘する。

(2)スクリーンリーダーの役割
 視覚障害者はスクリーンリーダーの音声を頼りに、主にキーボード操作で文章作成やブラウジング、表計算、プログラミングなどを行っている。スクリーンリーダーは、単に情報入手のために役立っているだけではなく、活字コミュニケーションを可能にしたことでもその意義は大きい。情報障害や活字障害ともいわれていた視覚障害者にとって、スクリーンリーダーの開発はICT普及のためのエポックとなった。
 今から20年程前、目が見えなくても漢字かな混じりの文章が書けるという情報支援機器が導入された。パソコン操作を音声で知らせることにより、画面に表示された文字を耳で確認できるようになったのだ。当時盲学校に在学していた筆者は、簡単な漢字かな混じり文や自分の名前を打ち込み、プリントアウトした紙を手にした時の感激を今でも覚えている。
 やがて時代はMS-DOSからWindowsに変わり、キーボードでコマンドを打ち込みパソコンを操作していた時代から、画面を見ながらマウス操作する時代へと変化した。マウスが使えない視覚障害者にとってWindowsは、デジタルデバイドを引き起こす誘因となった。
 のちに95ReaderやPC-Talkerなどの日本語版Windows用スクリーンリーダーが登場し、視覚障害者の情報コミュニケーションに大きく貢献することとなる。

(3)支援機器の購入
 スクリーンリーダーは、視覚障害者の情報入手のための最も重要な支援技術の一つとなっていることから、厚生労働省は、地域生活支援事業の中に、日常生活用具給付等事業を設け、重度障害のある人等に対し、市町村単位の対応で、「情報・通信支援用具」として、パソコンの周辺機器やソフト等を購入するために要する費用の一部を助成している。
 この制度は、厚生労働省が、平成14年の4月から5年間、政令指定都市と都道府県単位での運用で、国と自治体の費用折半による「障害者情報バリアフリー化支援事業」を行っており、視覚障害者のいっそうのICTの利活用及び社会参加の促進を目指し、情報支援機器の特別予算による補助制度を設け、購入額の3分の2を補助した事から始まっている。
 スクリーンリーダーを含めた支援機器は、自立支援や就労支援のためにもたいへん重要なものであるが、ほとんどが高額で国や自治体の支援が必要とされている。
 平成3年、毎日新聞社は、大阪毎日新聞と東京日日新聞が合併し、全国紙となってから80周年を記念した事業として開始された『情報処理機器贈呈事業』において、関西方面を中心とした視覚障害学生(盲学校)や大学生に選抜を通じ、年間10名前後の学生にパソコンや必要なソフトウェアなどの購入に60万円を贈呈した。
 筆者は、98年度にこの制度に応募し採択され、当時まだ高額だったパソコンと支援製品の購入が認められた。当時拡大ソフトウェアの使用が必要不可欠だった筆者にとって、市販されているコンピュータはメモリ不足で使いものにならなかったことから、当時売られている最高位のコンピュータと拡大ソフト(ZoomText)を購入し、ロービジョン者にとってのIT活用がスタートする(当時応募者数63名、贈呈者数10名、贈呈額は55万円であった)。
 平成14年にこの制度がなくなるまで、贈呈金額は60万から30万まで何段階とICT機器の市場価格と共に変化していた(1991年60万円→1998年55万円→1999年50万円→2000年30万円→2002年30万円で事業終了)。
 当時、学生だった筆者は、拡大読書機は日常生活用具で購入する事が出来たが、当時卒業論文を書くために最も必要だったコンピュータとそれを使うための特別な支援機器類(PC-WIDE IIやスクリーンリーダー)が購入できず、自治体に学生である私にとって現在最も必要な日常生活用具はICTを使うための画面拡大ソフトやスクリーンリーダーであると主張した事がある。もちろん制度にないものを認めるはずもなかったが、当時訴えるところは市町村の障害福祉課しか思い浮かばなかった。
 毎日新聞の贈呈事業により、パソコンと周辺機器を買いそろえることができ、卒論を無事提出することができたが、もし、この事業がなかったなら、大学の卒業さえも難しかったと考えられる。
 当時の最先端機器を手にしたことから、Windows98の「ユーザー補助」を使えば、スクリーンの白黒反転や文字拡大がスムーズで画面拡大ソフトの併用で、メモリ不足の解決が可能であることを知った。この頃、スクリーンリーダーも登場していたが、ロボットのような音声で、慣れるための訓練が必要だったため、筆者にはまだ使いこなすのが難しかった。
 筆者が当時在籍していた関西学院大学は、図書館と心理学科に拡大読書機や画面拡大ソフトをそれぞれ購入し、できる限りのサポート体制が取られていたが、大学のコンピュータはマルチタスクを強みとするWindows NTを採用しており、6万円のZoomTextは、Windows NTには対応していなかったため購入できず、13万円のWinMagicを輸入し、インストールしたものの、ZoomTextに比べ、機能制限が多く満足のいく使い方はできなかった。支援機器は高いものがいいものとは限らないが、個人の慣れと環境による作用も大きいことは今でも変わらない。
 筆者はその後、日本ライトハウスなどでロービジョン者のパソコン利用に関する講習を行うようになり、晴眼者と全盲の間に立つロービジョン者の立場があることに気づくようになった。
 支援機器を使いこなすことも重要であるが、必要な機器を手にするための、購入制度や選び方や使い方などを含め、どのように支援機器にアクセスできるかも、ユニバーサルデザインの考え方の一つであり、その重要性はいうまでもない。
 以下にスクリーンリーダーをはじめとする、ICT利活用のための音声読み上げにかかる支援技術の分類を行い、それらが果たしている役割について考える。

(4)スクリーンリーダーとアクセシビリティ問題
 スクリーンリーダーは、キーボードの操作や開いているファイルの内容等を聴覚提示するための、いわば“ディスプレイ代わり”としての役割をはたしていることは前項でも説明したが、すべてのアプリケーションに対応しているわけではないという問題がある。
 とくに、グラフィックのような視覚独特の感覚的イメージを聴覚に提示することは不可能であり、写真や図の場合、タイトルや説明文等を入れることにより、視覚障害者でも可能なかぎり理解を助けようとするWebアクセシビリティのための技術が考えられている。
 活字へのアクセスが困難な視覚障害者にとって、インターネットは情報入手のためのたいへん重要なツールとなっている。スクリーンリーダーにはTTSともいわれるスピーチエンジンが搭載されており、テキストファイルの読み上げを得意とする。そのため、HTML言語で書かれたWebファイルはテキスト抽出が可能であり、視覚障害者の情報入手に活用されているのである。
 ただ、WebブラウザにはPDFやFlash、JavaScript言語で書かれたファイルも表示されるため、それらのファイルの読み上げに困難をきたす事例が出てきた。
 電子文章フォーマットのアクセシビリティの改善のために、アドビシステムズ社の文書ファイル・フォーマット仕様「Portable Document Format(PDF)1.7」では、HTMLのように内部で文書の構造を記述する「タグ付けPDF」という規格が採用されている。
 最近では、PDFファイルの閲覧ソフトウェアであるAdobe Readerが、スクリーンリーダーへのプラグインを公開し、マイクロソフト社のSAPI対応音声エンジンで読み上げることが可能となっている。
 ただ、PDF製作ツールやPDFの機能が多様化されているため、PDFの製作方法によってはスクリーンリーダーでは読めない場合がある。ホームページ上で公開される、文献や書籍、マニュアル、申請書類、等の情報を含め、改変防止や体裁を保つため、PDFの利用が増えていることを考えると、新たなデジタルデバイドを引き起こしかねないと懸念される。
 PDFファイルへのアクセス方法にはスクリーンリーダーを使用する方法とAdobe Readerの音声読み上げ機能を使用する方法がある。また、画像データからもOCR処理して音声で読み上げることができる。
 視覚障害者の電子データの活用方法はスクリーンリーダーの活用と密接に関わっていることから、PDFや電子文書へのアクセス方法についてさらに考察する必要がある。

(5)PDFや電子文章へのアクセス
 PDFファイルはセキュリティ機能やレイアウトの保持機能に優れていることから、2005年4月1日に施行されたe-文書法(電子文書法)の要件を満たす最適な文書フォーマットとして注目を集めた。
 民間企業における電子データの作成や保存が増えている中、e-文書法は、ペーパーレスオフィスの実現による業務効率の向上と、紙文書の保存コストを下げる効果にも繋がると期待されている。
 PDFファイルのセキュリティ機能には、文書を解析されないように暗号化したり、PDFを改ざんされないように修正制限をおいたり、閲覧パスワードを設定し、閲覧制限をおいたり、重要事項を含んだPDF文書を印刷できないように印刷制限をおいたり、テキストのコピーを制限して流用を防ぐため、コピー&ペースト制限をおくなど、PDF作成ソフトウェアによって様々である。そして、これらのプロテクトは文章の種類や用途によってかけ方が異なる。
 セキュリティ向上のための多様なプロテクト機能はPDFファイルを普及させ、世界共通仕様の電子文章フォーマットとして成長させる要因となったが、音声読み上げソフトや画面拡大ソフトを利用しPDFファイルにアクセスしなければならない視覚障害者にとっては解決すべきアクセシビリティ問題をもたらしてしまった。
 セキュリティを高めつつアクセシビリティも高めることは容易ではないが、利用者識別による強制許諾などの方法が採られる必要がある。
 アクセシビリティのための利用者識別は一部のバージョンで実施されているが、プロテクトのかけ方によっては無効となるため、アクセス不可能なPDFファイルが多く存在している。音声読み上げソフト使用者にはテキスト情報が必要であり、画面拡大ソフト使用者にとってはレイアウトを保ったままでの拡大や色の変換が必要である。今後、アクセシビリティ向上のためには、JIS化のような規格化も検討されなければないないだろう。

(6)ロービジョン者のスクリーンリーダー利用と電子文章へのアクセス方法
 ロービジョン者は全盲者に比べ、音声読み上げソフトウェアを使う比率は少ないが、音声読み上げソフトウェアに組み込まれる音声エンジンの聞きやすさの向上により、使用者が増えているのも事実である。
 音声読み上げソフトウェアに慣れているロービジョン者は、アクセシビリティ対応のPDFファイルは音声で読ませ、必要に応じて図やグラフなどを目で確認する。
 ロービジョン者にとってPDFファイルは非常に重要な電子文章フォーマットである。ロービジョン者の見え方は実に多様であることから、その見え方により、PDFファイルの利用方法も多様である。
 スクリーン上で、図やグラフを目で確認するために、ZoomTextなどの画面拡大ソフトウェアを使用するケースが多く、これら市販の画面拡大ソフトウェアは、Windowsに標準で備えられているユーザー補助機能に比べ、色の変換や文字サイズの変更が自由にできる。
 そして、図やグラフ等をプリントアウトし、拡大読書機で読むケースも多い。普段から拡大読書機を使っている人にしてみれば、本や新聞を読むときの操作の慣れから、文章理解のみならず、図の理解にも慣れているからだ。
 拡大読書機で図を見る際、倍率変更やテーブル移動で拡大された一部の断片図から図全体を理解する認知機構ができあがっている。
 音声読み上げに慣れていないロービジョン者にとって電子文章ファイルは非常によく用いられる活字媒体であり、その利用方法は様々である。
 代表的な利用方法を述べると、PDFファイルを読むため、文字を拡大する場合と色を変える場合がある。文字を大きくし白黒反転で文字を読むロービジョン者が最も多いとされているが、文字サイズやフォント、見やすい色などは、目の疾患や特性によって異なる。
 ロービジョン者にとってPDFファイルが有効な点も多い。一冊の教科書を拡大文字教科書にすると何十冊になる場合もあり、持ち運びが困難であるが、電子データ化(PDF)すると、パソコンに保存し、必要に応じて検索機能等を使用することができ、体裁を保ったままの電子媒体は目で確認することもでき、たいへん有効である。
 自分自身が電子データ化したものは色の反転やフォント、文字サイズ等を自由に変えながら必要に応じて検索機能を使い、必要な箇所を瞬時に探し読書することができる。
 アクセシビリティ機能が備わっているPDFファイルは文字サイズや色等を自由に変えることができるが、レイアウトを保つことを最たる目的とするPDFファイルの特性上、文字を読む際、テキスト行のスクリーン画面幅に合わせることが困難となる。レイアウトを保ったまま、全体拡大機能は比較的よく使われているが、メモ帳の「右端で折り返す」機能やHTMLファイルの自動行替え機能などは使うことができない。
 視認性向上のため、限られた画面に文字を大きくするとともに、いかに効率的に読むかという操作性が重要な問題となるため、レイアウトを崩すというPDF本来の目的とは矛盾した機能が求められている。代替案としては全盲者と同じように、コピー&ペースト可能な透明テキストを準備し、PDFファイルから直接メモ帳やWebブラウザで立ち上げる機能が必要である。
 メモ帳はテキストファイルのみを扱っているので、内容を読むのに便利であり、Webブラウザは、図は標準の大きさに残しながら文字のみを変更し読むことができるため、それぞれ必要である。メモ帳やHTMLファイルはロービジョン者の支援技術使用条件によって多くの設定を行う場合があり、重要なツールでもある。
 最近のスクリーンリーダーはオプション機能としてロービジョン者のための画面拡大ソフトが準備されている場合もあり、全盲者とロービジョン者のスクリーンリーダー利用はますます多様化・複雑化している。
 以下、日本で多く使われているスクリーンリーダーについて説明し、開発動向について述べる。

(7)スクリーンリーダーの種類と開発動向
 現在日本で発売されているスクリーンリーダーは10種類前後あり、操作性と価格面で大きな差異がある。
 日本では、PC-Talkerと95Readerのユーザーが最も多く、それぞれ操作性の特徴をもち、開発思想も異なる。
 PC-Talkerは従来からIBMのPro-Talkerをスピーチエンジンとして採用していたが、最近はPentax社のボイステキスト(VoiceText):VT+をスピーチエンジンとして採用するようになっている。ボイステキストの読み上げはたいへん滑らかで、映画の副音声の自動読み上げとして使用した実証実験で、映画を見ていた視覚障害者が合成音声であることを気づかなかったという。
 スピーチエンジンはもともと、館内放送など毎回人間の声で録音していた作業を自動化・効率化するために開発され、現在はe-ラーニングの音声読み上げや、コールセンターにおける音声対話システム、自動音声応答システム、ゲーム機や携帯電話、ナビゲーションシステムなどに利用されており、その利用範囲が増えていることから、高音質な合成音声の開発が進み、視覚障害者のスクリーンリーダーの音質向上に貢献している。
 95Readerは、リコー社製のスピーチエンジンを使用しており、マイクロソフトのワードやエクセルを読めるなど、PC-Talkerとは異なった支援技術開発を行っている。そして、操作がたいへん軽快でビジネスやハードユーザーに好まれている。
 SSCT社の95ReaderはWindows Vistaには対応しておらず、95Readerを開発していた技術者などが新しく設立したSkyfish社のFocusTalkが、スピーチエンジンに富士通社製のFineSpeechを搭載し、Vista対応バージョンを販売している。
 FocusTalkは、95Readerに比べると高機能ではあるが、操作の軽快さを失っているのが残念である。そして、クエスチョンマークなどに反応し、語尾を上げる機能などが搭載されているが、それが音声による文章の理解に役立っているかどうかは未知数である。
 FocusTalkは、日本で最も早くWindows Vistaに対応しており、新規参入でありながら、シェアを伸ばしている点は注目すべきであると考えられる。
 2009年10月22日新しいWindows版OS、Windows 7がリリースされ、「PC-Talker 7」と「FocusTalk V3(フォーカストークブイスリー)」が同時発売された。
 そして、最後に最も高機能とされるJAWS(ジョーズ)は、アメリカのFreedom Scientific社製で、現在エクストラ社が日本語版を開発し発売している。
 たいへん高機能であるため、操作が日本製のPC-Talkerや95Readerに比べ複雑化されており、値段も3〜4倍高いため、ユーザーは少ないが、企業や学校などに勤めている一部のハードユーザーからは強い支持を得ている。
 JAWSは、Windowsのログイン画面から読み上げることができ、インターネットバンキングなどの使用にはJAWSを必要としていた時代もあった。その意味では、使いこなせれば、スクリーンリーダーという名称にもっとも相応しいソフトウェアである。
 ロービジョン者と全盲者ではスクリーンリーダーの使用方法が異なることから、マウス使用と音声読み上げ使用を併用するロービジョン者のニーズにも合わせたスクリーンリーダーの開発が待たれるところである。

(8)スクリーンリーダーと周辺アプリケーション開発
 PC-Talkerの開発元・高知システム開発はマイクロソフトのワードに音声対応するより、PC-Talkerに親和性のある独自のアプリケーションであるMyWordやMyFileというソフトウェアを開発し発売している。その他にも、MyMailやNetReaderなど多くのアプリケーションを開発している。これらのソフトウェアはICTを苦手とする視覚障害者に分かりやすい製品を提供している意味で大きな貢献をしたといえる。とくにインターネットから情報を取得する際に活用できる製品を開発しており、MyNewsやMyBookなどは情報障害といわれる視覚障害者にとってたいへん貴重なツールとなっている。
 他方、95Readerはできるかぎりマイクロソフトのワードやエクセルに、そのまま対応できるような開発を行っている。点字ディスプレイの対応を含め、このソフト一つあればたいがいのことはできるのである。
 高知システムはICT初心者への道を開いた意味で大きな貢献を果たしている。他方SSCTはマイクロソフトのワードやエクセルをスクリーンリーダーのみで使えるように開発された。こうした企業精神は視覚障害者の社会適応力を高めるのに一役買ったが、スクリーンリーダーを取り扱っている販売店にとっては、PC-Talkerを販売した方が次々と関連製品が売れるが、95Readerはマイクロソフトのワードやエクセルに対応しているため、新たなソフトは売れなくなるという皮肉な結果をもたらした。SSCTは、95Reader対応の特別なアプリケーションは準備していないのである。

(9)スクリーンリーダーの新たな機能と今後の課題
 視覚障害者が一人でICTを利活用するだけではなく、PDFのような電子文章フォーマットにも対応するためには周辺技術と支援技術の協力が必要不可欠である。
 そして、スクリーンリーダーは点字ディスプレイへのテキスト情報を出すことにより点字表示する重要な役割ももっている。
 中途失明者にとって、点字に比べ、スクリーンリーダーは学習が容易であるため、情報入手のための重要なツールであり、晴眼者との活字コミュニケーションを可能にした点では、一般社会への適応力を養い、社会参加の機会を増やすための最も重要なツールとも認識されている。
 新たな技術に追いつけず、必然的なデジタルデバイド現象に陥る現状を打破し、シーケンシャルな言語情報を頼りに情報処理を行う視覚障害者のユーザービリティ向上のためにも、福祉工学分野の研究成果が待たれている。

5.活字読み上げ技術
(1)歴史
 視覚障害者が紙媒体の活字情報にアクセスするためには、視覚の代わりに聴覚や触覚を使う必要がある。点字(触覚)は視覚障害者の文字としてもよく知られているが、他に、合成音声(聴覚)を用いた活字へのアクセス方法がある。
 スキャナやOCRソフトを使い紙媒体の活字を電子化(テキスト化)する作業は、一般オフィスなどでも活用されているが、視覚障害者にとっては情報アクセスのための重要な方法の一つである。
 テキストデータはパソコンの音声読み上げソフトを利用して読ませることができ、ロービジョン者にとっては、文字の大きさやフォントを自由に変更することができる。そして、点字に変換することも可能になる。本節では、これらスキャナやOCRソフトなどの周辺技術の進歩とともに現れた支援技術の一つである音声読み上げ読書機について、その歴史と現状を概観する。
 OCRソフトとスキャナの組み合わせで作られた最初の音声読み上げデバイスは、電子ピアノで有名な米国の発明家レイモンド・カーツワイルが1978年に文章音声読み上げマシンとして開発した(カーツワイル朗読機)が有名である。
 日本では、1983年通産省がNECとアンリツに委託し日本語自動朗読システムの開発を進めたが商品化には至らなかった。その後、OCR技術も進化を遂げ、1992年に、拓殖大学と横浜市立盲学校の協同研究により開発された自動朗読システム『達訓』(たっくん)が初めて商品化された。
 『達訓』の販売を行っていたタウ技研は、同年11月にパソコン用読書ソフト『よみとも』を発売し、性能と価格的に視覚障害者に受け入れられるようになった。
 最近発売されている音声読み上げ読書機はスキャナとOCRソフト、読み上げ機能が一つになった『よむべえ』も登場し、多くの視覚障害者に受け入れられるようになっている。
 これらの支援技術はOCRソフトに音声読み上げ機能を付加したソフトウェアの形と、『よむべえ』のようにオールインワンの機能をもった二つのタイプが進化を続けており、利用方法とニーズに応えられるようになってきている。

(2)方法
 視覚障害者が紙媒体の活字にスキャナを使ってアクセスする方法は主に次の三つの方法がある。
 一つ目は、一般オフィスなどでも使われているスキャナとOCRソフトを使用し紙媒体の活字を電子化(テキスト化)する作業である。専門知識の習得や研究を目的とした活字情報へのアクセス方法としてよく用いられる方法で、OCRの認識率が上がってからよく用いられるようになってきている。視覚に障害をもつ学生や研究者にとってテキストデータがあれば、他の支援機器との連携がスムーズで利用範囲が広がるため、まずは、出版元や著者にテキストデータの提供を依頼し、得られない場合、用いられる手段の一つである。
 以前、視覚障害者が研究を目的とした際、活字を読むためによく用いられた方法の一つが、支援者による点訳作業であったが、パソコンのスクリーンリーダーの性能向上で誤読が減ったことや自動点訳ソフトの正確さが向上したことなどから、テキストデータの有効性が増しているのも事実である。
 点字データから漢字かな混じり文を作ることはできないが、テキストデータがあれば、自動点訳ソフトを使用し点訳ができるのである。そして、スクリーンリーダーがインストールされているパソコンであれば、いつでも読ませることが可能になる。その上、視覚に障害をもった研究者が論文作成の際に必要な引用文作成などに正確な漢字を用いることもでき、有効である。
 一般向けのスキャナとOCRを使う方法は、それらの機器が一般向けに売られているものであるため価格が安く、性能は優れているものの、視覚障害者自身がパソコンとスクリーンリーダーの操作法を熟知している必要性があり、パソコンが使えない視覚障害者には自ら行うことのできない方法の一つでもある。
 現在いくつかの大学では、一般スキャナとOCRソフトを使い、テキストデータを抽出し、校正作業を行ったデータを視覚障害者に提供するという支援が始まっている。研究での使用が目的であるため、正確な校正を必要とする場合が多く、テキスト校正にはかなりの時間がかかっている。無償ボランティアだけではこれらの作業を担いきることができず、有償の制度を使っている大学も増えている。
 活字情報にアクセスするための二つ目の方法は、スキャナとOCRソフトにTTS機能が付加されたソフトウェアを使用する方法である。OCRソフトが視覚障害者の使用を前提として設計されているため、使いやすさと音声読み上げ機能を備えているのが特徴である。
 スキャナに郵便物や活字本を置くと、パソコンの簡単な操作で音声による読み上げが可能であるため、現在最も使われている活字読み上げ支援技術の一つである。支援者が常にいないときや、個人情報保護の観点から考えるとたいへん有効な活字読み上げ技術ではあるが、メーカーによって使えるスキャナに制限がある。また、パソコンが使えない視覚障害者は、一つ目の方法と同様使えないという課題が残っている。
 現在『よみとも』をはじめ、『ヨメール』、『マイリード』、『らくらくリーダー』などのソフトウェアが発売されており、それぞれ特徴をもっている。『よみとも』は英語、『ヨメール』は簡単操作、『マイリード』はカラー原稿やチラシ、『らくらくリーダー』は表形式の印刷物の処理を得意とする(荒川 2004)。
 三つ目は、スキャナ、音声読み上げソフト、パソコンに替わる制御装置が一つのスキャナサイズに収まったオールインワンのタイプである。パソコンが使えない視覚障害者でも郵便物や活字本を読むことができ、視覚障害者におけるデジタルデバイドの解消に非常に大きな役割を果たしている。
 ただ、機器がまだ高額であり、機器購入のための支援制度が確立されていないため、潜在需要は多いが普及が進んでいない。『よむべえ』の場合、付加機能も充実しており、DAISY形式の音声図書を聞くことができ、読み取ったテキストを外部モニターに出力する端子(機能)を備え文字サイズが自由に変更できるように設計されている。
 最近自治体によっては、日常生活用具の拡大読書機として購入が認められるケースが増えている。拡大表示機能を付加したのはそれなりの理由もあるようにも思えるが、周辺技術の発展とともに、新しい支援技術も現れており、どこまでを支援技術として認めるかという問題が残されているのも事実である。
 とくに、『よむべえ』のようなオールインワン音声朗読機は、視覚障害者のデジタルデバイド解消のためには欠かせないものであるが、日常生活用具として認められていないのが現状でもある。

(3)視覚障害者が果たした役割
 視覚障害者の情報保障のための支援技術は多様化・複雑化しており、情報を得るために費やす労力や金銭的負担の存在がうかがえる。
 視覚障害者が社会の一員として認められるためには、情報発信と情報入手がスムーズであることが前提条件とされているため、漢字かな交じり文のリテラシー向上に視覚障害当事者の先見性と開発努力が大きくはたらいたことが考えられる。
 レイ・カーツワイルは音声朗読機を開発し、活字が読めない視覚障害者のために貢献した。彼は未来学者(フューチャリスト)でもあり、テクノロジーの発展はムーアの法則で加速しており、遺伝学(Genetics)、ナノテクロノジー(Nanotechnology)、ロボット工学(Robotics)の技術が融合したとき、GNR革命が起きるとし、テクノロジーは人間の予測をはるか超えた方向と速さで進んでいく、技術的特異点(Technological Singularity)があると述べている。カーツワイルは、テクノロジーに対する、社会的・政治的制御があっても、みんなが求める人間の根源的な欲望に結びついているテクノロジーは発達するとしている。また、石川准は在学中に自動点訳ソフト『エクストラ』を開発し、視覚障害者だけではなく、点字を知らない人にも恩恵をもたらした。そして『達訓』や『よみとも』の開発に新城直が、『よむべえ』の開発に望月優が関わっており、亀甲孝一は、新たな『よみともライト』というオールインワン音声読み上げ朗読機の開発に携わっている。

6.DAISYプレイヤー
(1)DAISYとは
 DAISY(デジタル音声情報システム)とは、Digital Audio-based Information SYstemの略で、印刷物を読むのが困難な視覚障害者や読字障害者のために作られたデジタル録音図書の国際標準規格である。
 DAISYプレイヤーとはDAISY企画で録音・編集された音声図書を聞くための機器やソフトウェアを示しており、本節では主に機器について説明を行う。
 視覚障害者の読書環境を理解する上で、DAISY図書について知ることは非常に重要であり、筆者の研究成果を交え、視覚障害者の読書について述べる。
 従来、視覚障害者のほとんどが利用していたテープ図書(テープに朗読者の声が録音されていた音声図書)は多くの視覚障害者に支持され、長年視覚障害者の情報入手のための貴重なツールとなっていたが、時代はアナログからデジタルに移行し、DAISYプレイヤーという国際標準の視覚障害者用デジタル方式の読書機が登場するようになった。
 CD1枚に本1冊分の音声データが入ることもあり、郵便による貸出を行っている点字図書館にとっては、メディアの安さ、管理コストの安さ、郵送の簡便さ等から、DAISYの導入は非常に積極的に進められた。
 ユーザーにとっても、高品質な音声で聞くことができ、その期待は高まった。音声で本を読む場合、読みたい場所に移動したり、参照したり、物理的に現在どのくらいの場所(進み具合)にいるかなど、活字本でなければ得られなかった情報が、DAISY規格では得られるようになったこともあり、従来は小説や雑誌などの目的でしか利用されていなかった音声読書が、学習などにも利用されるようになるなど、その利用範囲は広がっている。
 とくに、著作権法の改正により、ネットでの音声配信が可能になり、現在は携帯電話に本の音声データをダウンロードして聞けるようになった。携帯電話で聞く場合は、スピード調整ができないなどいくつかの技術的課題も残っているが、視覚障害者のための読書環境は格段によくなったといえる。
 現在日本で最も普及しているプレクスター社のプレクストークは、その性能面で申し分のないパフォーマンスを発揮しており、2004年にPTR1が日常生活用具(視覚障害者用ポーターブルレコーダー)として指定されてから、視覚障害者のためのデジタル製品としては例をみない大ヒット商品となっている。
 現在プレクスター社から発売されているPTR2は、重さが約940gあり、持ち運びには若干不向きであることが弱点として指摘され、小型DAISYプレイヤーの登場がユーザーだけでなく図書製作関係者からもしばしば唱えられていた。
 2008年には小型DAISYプレイヤーがKGS、アメディア、エクストラ、プレクスターの各社から相次いで発売され、小型DAISYプレイヤーの元年といわれている。
 ここでは、DAISY図書を聞くための4つの方法について述べながら、視覚障害者の音声読書について考察する。
 DAISYフォーマットの音声図書を聞くには以下4つの方法があると考えられるが、多く用いられているものから先頭に記述した。

・DAISY対応の音声読書機(DAISYプレイヤー)で聞く
 Plextor社(日本)
  PLEXTALK PTR2
  PLEXTALK PTN1
 HumanWare社(New Zealand)
  Victor Reader ClassicX
  Victor Reader Wave
  VictorReader Stream
  *「ビクタリーダー」、以前はビジュエイド社(カナダ)

・ネットを利用して聞く
  Net-PLEXTALK(びぶりおネット、ストリーミング方式)
  携帯電話で聞く(ダウンロード方式)

・ソフトウェアを使用し、パソコンで再生することが可能
  Lp Player
  AMIS
  MyBook

・MP3プレイヤーの活用
  iPodやMP3プレイヤー、ICレコーダー等で聞く(聞くのみ)

(2)DAISYの特徴
 人間が情報処理を行う際、情報の入力・保存・検索が最も重要な3要素であるが、人間の記憶やパソコンの情報処理などはその3要素から成り立っている。
 点字ディスプレイ項目で述べているが、点字電子手帳も点字という触覚情報を入力・保存・検索することで、視覚障害学生が多く利用するようになっている。
 音声情報の弱点は、最後に述べる受動的情報処理過程で情報処理を行うことと、検索に劣っていることである。特にアナログ時代のテープレコーダーの検索効率は非常に悪く、一方的に流れる情報を聞く場合に向いていた。
 視覚障害者の読書環境は変化し、音声で小説などのエンターテインメント性のあるものを流し聞きするのみではなく、中途失明者にとっては学習用としての用途も出ていることから、DAISY図書の役割は大きいといえよう。
 DAISY図書の場合、聴きたいページや章へ瞬時に飛ぶことができ、戻すことができる。聴きたい情報を簡単にすばやく取り出すことができ、拾い読みが可能になったのである。
 その上視覚障害者の念願でもあった、外出先や通学・通勤時に音声読書が可能となったのである。2008年に発売されたDAISYプレイヤーは重さ50gから100g台まで超小型化が進み、視覚障害者の読書環境を格段に向上させており、音声による能動的情報処理(★03)を可能にさせられる希望まででてきた。
 DAISYプレイヤーは、基本機能である、図書や音楽再生、録音機能だけでなく、テキストデータの読み上げ機能(TTSエンジン搭載)も可能であり、テキストデータをパソコンを使わず、小型DAISYプレイヤーで再生することが可能である。
 また最近開発が進んでいるマルチメディアDAISY企画では、音声・点字・テキスト・画像・ハイライト機能などが実現する予定で、読字障害(学習障害)者にも期待されている。

(3)DAISYプレイヤーの重要機能
 小型DAISYプレイヤーが登場する以前に、ICTなどの電子機器に慣れている視覚障害者の一部は、市販のMP3プレイヤーなどを利用し読書を行っていたが、一番の問題点と指摘されていたのが、スピード調節ができないことであった。
 スクリーンリーダーでも同様であるが、視覚障害者はかなり速いスピードの音声を聞き取る能力をもっており、普通の人には聞き取れない音声スピードで聴覚情報処理を行っている。そのため、スピードは実測2.5倍以上出せる機器が望ましく、ピッチコントロール機能(★04)がある方がよい。
 小型DAISYプレイヤーの場合、送られてきたCD版DAISY図書をDAISYプレイヤーに転送する必要があるため、専用のCDドライブが付属する機器が望ましい。プレクスター社は既存のPTR2に接続し小型DAISYプレイヤーにデータ転送できるよう設計しているとのことであり、パソコンが使えない視覚障害者でも使えるこのような設計が必要である。
 点字図書館側も小型DAISYプレイヤーの普及に伴いSDカードでの図書配信を検討しており、ますます視覚障害者の音声読書環境が改善されようとしている。
 以下、機器の重要機能を列挙する。

(4)使用上の特徴
・再生スピードの変更機能
・ピッチコントロール機能
・図書の章レベルでの移動ができ、ページ、フレーズ、ブックマークでの移動が可能
・読みたい場所に簡単に移動できるブックマーク機能
・各キーの役割を音声で知らせる音声ガイド機能
・お休み前などにセットするスリープタイマー機能
・再生やキー操作を行わないときの自動電源オフ機能

DAISY再生以外の重要機能
・音楽再生やボイスレコーダー機能
・パソコンの外付けメモリとして使用可能
・CD版のDAISY図書も再生可能
 (専用のCD-ROMドライブやプレクストークPTR2などに対応)
・メモリカードが利用可能(SDカードや、CFカード等に保存されたコンテンツの再生)

7.拡大読書機CCTV(Closed circuit television)(★05
(1)概要
 「拡大読書機」とは、ビデオカメラで写した本や新聞などの映像を接続されたテレビや液晶モニターに高倍率で拡大表示するための支援機器である。
 原理は監視防犯カメラや書画カメラ(OHC)(★06)に似ている。過去数年間日本で最も人気のあった拡大読書機は監視防犯カメラや書画カメラを製造するメーカー(ELMO社)のものである。
 拡大読書機は携帯型と卓上型(据置型)に分ける場合が多い(詳しい分け方は下記参照)。本節では、卓上型に焦点を当てて説明するが、最近携帯型拡大読書機の貸し出しを行う大学が増えていることから、携帯型拡大読書機についても記述する。
 ユーザーにとって携帯型拡大読書機はセカンドで買う場合が多く、短時間利用に向いているため、大学図書館等で本を読む際には据置型が適しており、資料を探す際などには携帯型拡大読書機が必要となる。

(2)拡大読書機
 拡大読書機は1972年(特注型読書機)オプチスコープ CCU-D/C(木製)をミカミ社が開発し、翌年の1973年から発売を開始した。現在は視覚障害関連支援機器市場において活発な参入と撤退が繰り返されている品目になっており、需要が多い機器であることをうかがわせる。
 1993年、日常生活用具に拡大読書機が198,000円で指定されたことで、それまで40〜50万ほどしていた拡大読書機の開発側では、開発コストを抑える必要に迫られた。そのせいか、日本における据置型拡大読書機はモニターを別売りにして、本体のみの開発が進んだ。他方で、海外製品には一体型が多いのが特徴である。使用者の立場から考えると、モニター別売りの方が、画面としてテレビや液晶モニター、大きさやコントラストがはっきりしたモニターなどから選ぶことができる。開発コスト削減のために採られた日本の方式の方がふさわしかったということになる。
 拡大読書機の特徴は、慣れると長時間読むことができ、書類そのままの状態で読み書きができるため、学校や会社などでの業務遂行に適しているところにある。
 そして、拡大読書機とパソコンを物理的に近い場所におくことが重要である。それぞれが離れた場所に置かれていたのでは、デスクワークやレポート作成に支障をきたすからである。パソコンには画面拡大ソフトのZoomtext(★07)が入っていることが望ましく、可能であればパソコンがネットに繋がっていることも重要である。
 ロービジョン者のための拡大方法には、網膜像を拡大する方式として、ルーペや光学式レンズ、拡大コピー、拡大写本、大活字本なども考えられるが、拡大読書機は、楽な姿勢で、拡大率やコントラスト、色反転など自分の目の状態に合わせて両眼で文字を読むことができるため、その有効性は高い。
 また、平均2倍〜50倍まで拡大率を変えながら、本や被写体全体の様子の確認から、複雑な漢字など一文字のみを画面いっぱいに拡大するなど、ルーペに比べ自由に拡大率を変更することができる。ルーペは小さく、短時間の使用や買い物での値札確認などにはたいへん有効であるが、楽な姿勢で本を読む場合には適していない。
 さらに最近の拡大読書機には、オートフォーカス機能、筆記に便利な照明切り替え機能、まぶしさを抑えるための照明ランプ、特定色のコントラスト調節機能、内容を読み上げる機能、内容を一行ずつ表示する機能(従来のマスキング機能の発展バージョン)、遠近両用に使える機能、カラー選択機能、写真・地図・新聞などを見やすく映す機能、スプリット機能(モニターの半分または一部にコンピュータ内容を映し、ICTと連携し業務遂行の効率を高めようとする機能)、など、多くの機能が追加されている。
 ただ、「拡大読書機」という言葉が示しているとおり、いかに読みに便利な(適した)ものを選ぶかが重要であり、拡大読書機は読み書きのためのものであることも忘れてはならない。

(3)拡大読書機の三大構成要素
 拡大読書機は基本的に、カメラ部、モニター部、テーブルから構成されている。さらに、天板やアームの有無でその様子が異なるため、天板やアームを入れて5大構成要素ともいえる。

 以下、拡大読書機を分類し、説明する。

・据置型(卓上型)
 一体型/基本型(分離型、天板型)/アーム型

・携帯型(小型)
 一体型/基本型(分離型)/アーム型(無天板型)

・据置型拡大読書機
 拡大読書機は大きく、据置型と携帯型に分けることができる。据置型は14インチ以上のテレビや液晶モニターを使用しX-Yテーブルを動かしながら読むのが基本である。
 据置型拡大読書機にはモニターと本体が一体となっている一体型と、モニターが別売りで液晶やテレビまたはサイズなどを目の状態に合わせて購入可能な基本型に分けることができる。基本型は分離型や天板型ともいわれる。現在最も多くの拡大読書機が基本型であるが、液晶の性能が向上し、価格が下がってきていることから、液晶モニターをセットにした開発が増えている。とくに軽い液晶モニターの特徴を利用した、アーム型拡大読書機が増えているのも注目すべき点である。
 アーム型は画面の向きや位置を上下左右に変えることができ、拡大読書機の老舗メーカーであるNeiz社も2008年にアーム型を次世代拡大読書機として発売を開始した。

・携帯型拡大読書機
 4インチ前後の液晶モニターをセットにした重さ200〜300グラム前後の製品が人気となっており、10万円台で発売されているため、据置型拡大読書機の第二選択として購入するケースが増えており、市場規模は年々増加の一途を辿っている。
 携帯型拡大読書機はテーブルをもたないのが特徴で、カメラ部の下にローラーがついているケースが多い。90年代初めには、液晶モニター、カメラ部、バッテリーパックを合わせ5kgもあるものが登場したが、周辺技術の発展とともに20年近く経った現在はカバンやポケットの中に入れて手軽に持ち運べるサイズとなった。
 携帯型拡大読書機はカメラ部とモニターをセットにした一体型が主流だが、カメラ部分をマウス形態に設計し、ノートパソコンの画面に映し出すものや、アーム型設計で、遠近両用として使え、小型テーブルをセットにした製品も登場している。

8.点字ディスプレイ(ピンディスプレイ)
(1)概要
 点字ディスプレイとは、パソコン画面の内容を点字で表示するための支援機器である。
 点字ディスプレイとは、パソコン画面の言語情報を点字で表示するための支援機器である。
 点字ディスプレイは、点字という触覚を用いてパソコンの言語情報を読み取るもので、初期のものはパソコンに接続し、アウトプットの一つとして機能していたが、最近はPCやPDA機能を備えた点字ディスプレイが登場し、視覚障害者のためのノートPCの役割を果たしている。
 表示部は、8ピンで構成されたセルを横に数マスから数十マス並べ、ピンを電気的に上下させ、点字の凹凸を表現する触覚ディスプレイである。
 現在発売されている触覚ディスプレイには、点字ディスプレイや点図ディスプレイなどがあり、これらはプラスチックや鉄などからできたピンのオンオフ状態により文字や図形を触圧覚的な物理刺激で与える方式であるが、感覚代行研究分野では、電気刺激を皮膚に与えるための研究が長年なされている(★08)。
 最近はパソコン画面の様子を触覚グラフィックで表示する機器(点図ディスプレイ)が日本で開発され発売されているが、高額なため、個人ユーザーは少なく、理工学系の視覚障害学生、企業・研究機関に勤める視覚障害者が主に利用しているのが現状である。
 本節では、一般的に使われている点字ディスプレイといわれている支援機器と点字電子手帳について記述する。

(2)点字ディスプレイの機能と用語
 機能や使い方が変わることにより、点字ディスプレイを示す言葉も変化している。点字ディスプレイに関する用語を整理し、その原理について解説する。
 点字ディスプレイでは、少ない電力、高密度で安定した駆動をさせることが可能な圧電素子であるバイモルフという小さな板の上に乗ったピンが上下することにより、点字となる凹凸が形成される。
 紙ベースからピンベースになって間もない頃、視覚障害者らはこの点字ディスプレイをピンディスプレイと呼んでいた。ピンの材質はプラスチック製が多いが、ステンレス加工の鉄でできているものもある。一文字を表す点字の1マスは6点からなるが、点字ディスプレイの多くは8点からなっている。残りの2点は漢字を表す点字に使用したり、位置を示すカーソルとして使用するためである。
 点字は点字盤や点字タイプライターを使用し点字用紙に凹凸を付け手で読むものであるが、紙の特性上、一度書いたものは再利用できず、硬い紙に凹凸を付けるため、分厚く教科書1冊分がカバンに入らないという問題を抱えていた。
 それに対し、点字ディスプレイは紙を必要としないため、「Paperless Braille」と呼ばれる。そして、点字ディスプレイは何度も点字を作り出すことができることから、海外では「再生可能な点字ディスプレイ(refreshable braille display)」と表現する場合もある。
 日本ではKGS社が1984年にセル開発に成功し、1985年からは『視覚障害者用コンピュータ点字表示端末機』という名前で点字ディスプレイの発売を開始した。
 その後アメリカでは『ブレイルライト』という商品が発売され、日本でも60万円前後で売られるようになった。ブレイルライトは既存の点字ディスプレイに点字入力のための6点キーを備え、点字入力・保存・検索・閲覧が可能な一体型情報処理端末機として、視覚障害学生にとっては大変魅力的な商品であった。60万円前後というたいへん高額なものであるにもかかわらず、大学生を中心に重要な情報処理機器として認識され、使用者が増えた。

 2000年にKGS社が、『点字電子手帳』というタイトルで『ブレイルメモ16』をブレイルライトに匹敵する機器として発売を開始した。アメリカ製のブレイルライトに比べ、20万円という安価で安定した性能が評価され、盲学生や教員を含め多くの人が購入するようになった(★09)。
 BM16は、点字電子手帳という言葉が示しているように、既存のアウトプットのためのディスプレイとは大きく異なる特徴を備えていた。パソコン画面のテキストを点字表示するための機能に加え、インプット・アウトプットが単体でできるようになったのだ。BM16に備え付けられた点字キーによりノートテイク・点字の編集・保存・検索・閲覧などの機能をもつようになった。
 点字電子手帳は、講義のノートを取るのに利用できることから、アメリカでは「ノートテイカー」と呼ばれている。
 日本ではKGS社製の『ブレイルメモ』シリーズが多くのユーザーに使われており、点字でメモをとる意味も込めて、点字電子手帳をブレイルメモと表現するユーザーも多い(★10)。
 点字電子手帳の次世代製品としては、エクストラ社から新たに『ブレイルPDA』という高機能点字電子手帳が発売されている。既存の点字電子手帳の機能に比べ、PDAの機能を付加しており、単体でメールやインターネットを点字で使用でき、墨字文章の作成・編集などもでき、メモリ容量が数十GBのパソコン並みである。
 ブレイルPDAは、視覚障害者に必要な録音図書を再生するための機能や、授業や講演会などでメモ代わりの録音をする機能などを備え、まさにオールインワンの機器としての活躍が期待されている。
 エクストラ社から2008年8月に発売された『ブレイルセンスプラス』は、音声・点字携帯情報端末ともいわれ、拡張性のあるPDAに点字表示や音声出力の機能まで備えた製品を発売するまでになった。

 視覚障害者業界から国産ブレイルPDAの必要性も示唆されているが、開発コストやユニバーサルデザインが普及した日本においては使いやすさを重んじる傾向もあり、マルチタスクで高機能なブレイルPDAの開発には時間がかかりそうである。
 60万円のブレイルライト後の20万円のBM16革命のように、60万円のブレイルセンスから低価格の日本製のブレイルPDAが待たれるところである。

(3)点字ディスプレイ・点字電子手帳の大学での利用
 点字ディスプレイは、点字印刷や教科書が32マスで印刷される場合が多いため、点字ディスプレイも32マスを超えるものが望ましい。そして、パソコンに接続し、点字表示する場合、スクリーンリーダーや自動点訳ソフトなどが必要となるため、スクリーンリーダーの説明を参照されたい。
 点字電子手帳(ブレイルメモ)やブレイルPDAの場合は32マス前後のものが、持ち歩くことができ、点字ディスプレイとしても使えるため、効率的であると考えられる。
 視覚障害者は点字盤を使い授業のノートをとり、試験や文章作成などの速さが求められる場合は点字タイプライターを使っていた。ところが、点字盤や点字タイプライターは、硬い紙に物理的に凹凸をつける方式で講義室に響き渡る音が問題となった。周りもそれを使う本人も気になるところであった。点字タイプライターの下に布のような下敷きを置き、ノートをとる時代もあった。
 2000年以降、点字電子手帳(ノートテイカー)を用いることにより、静かな音で、点字タイプライター方式の6点入力が可能となり、速く打つことができた。書いた文章の編集も可能となり、現在は多くの大学生が用いる支援機器となっている。
 現在数カ国の点字ディスプレイが日本で発売されており、上で述べたような、点字ディスプレイのみの機能をもつものから、点字電子手帳、ブレイルPDA、音声・点字PDAまで多くの種類が登場しており、使い方や値段にかなりの幅があり、支援技術専門家の意見や当事者のヒアリングの上で機器を選ぶ必要があると考えられる。

(4)点字ディスプレイの具体的な使用例
 アメリカでは機能面から二つの用語を用いて点字ディスプレイを表現している。一つはメモリを持たず、パソコンとの接続のみによりその機能が発揮されるBraille Display(点字ディスプレイ)であり、もう一つは、単体にメモリを持ち、点字入力し保存や検索が可能なNoteTaker(ノートテイカー)である(★11)。
 現在日本で生産されている点字ディスプレイの9割以上はいわゆるノートテイカーであり、このノートテイカーは、PC接続可能なため、点字ディスプレイの機能も備えている。
 日本ではノートテイカーや点字電子手帳などの言葉が積極的に使われない感がある。厚生労働省の日常生活用具では、点字ディスプレイを給付対象にしているため、発売業者は高機能なものにも関わらず、単体機能を表す点字ディスプレイの言葉を用いている。実際いわゆるノートテイカーも、点字ディスプレイとして登録し、給付対象になっているため、厚生労働省の日常生活用具の項目名においてもノートテイカーや点字PDAなどと名称を改める必要があると考えられる。
 現在日本においては、点字ディスプレイとノートテイカーを区別するための正式な名称はなく、前項で述べたように多くの言葉が入り混じって使われている現状であるが、国産点字PDAがない事も一因となっていると考えられる(★12)。
 日本で発売されている代表的な外国製点字PDAはEXTRA社が発売している『ブレイルセンス』だが、60万前後という高額なため、学生や研究者などの利用に止まっている状況である。
 日本テレソフト社やEXTRA社が低価格の点字ディスプレイを日本市場に投入した事を契機に日本の点字ディスプレイ価格は低下傾向にある。現在40マス前後の点字ディスプレイは20万円台が多く、点字PDAは外国製のみだが、現在韓国のHIMS社製が60万円前後で発売されている。

9.点字プリンタ
(1)概要
 点字プリンタとは、コンピュータに接続し、点字エディタ(点字ワープロ)や自動点訳ソフトなどで作成した点字データや触図データなどを点字用紙に凹凸を付け、触覚(点字)資料として出力するための支援機器である。最近はパソコンだけではなく、点字情報端末で視覚障害者が作成した点字データを点字プリンタに直接接続し打ち出す事も可能である。
 点字プリンタは、コンピュータから点字電子データを送信する事で、簡便な点字資料の制作を可能にしただけでなく、点字データさえあれば、点字資料の複製が可能である事から、広く使われるようになっている。
 点字プリンタはコンピュータの文字情報を確認するための機器としても使われていたが、現在は、点字や触図だけでなく、点字・活字の同時印刷など多様な目的で使われるようになってきている。
 印刷方法も、片面印刷、両面印刷、両面同時印刷、点字と活字同時印刷など多様な機種が登場しており、打ち出しスピードも様々である。
 とくに、従来の機種に比べ最近はオフィスや教室などでも設置可能な大きさや消音性能の高い機種が登場しており、活字を同時印刷する事で、視覚障害者と晴眼者とのコミュニケーションが可能なものも多く普及している(★13)。

 視覚障害者用の支援機器としては最も高額な機器の一つであり、教育機関や点字図書館などでは必要不可欠な支援機器の一つとなっている。

(2)点字プリンタの歴史
 1971年に設立された世界初の点字プリンタメーカーであるアメリカのEnabling Technologies社は、大学時代視覚障害のクラスメイトに点字資料を提供するために1969年に試作した『紙テープ式点字プリンタ』の開発がきっかけとなっており、大学教育での点字プリンタの重要性をうかがわせるものである。
 1980年代後半になると、ESAシリーズ以外に、アメリカから「ロメオ」、ドイツから「ティール」などのプリンタが輸入されるようになる。
 現在もっとも多く普及しているESAシリーズを扱うJTRは、1980年に、株式会社白雷商会がコンピュータ点字端末装置として開発したESA731を発売するために設立され、現在まで時代のニーズに合わせた製品を出している。
 2000年後半からは、点字と活字(カラー)が同時に印刷可能で、打ち出す点の大きさや高さが調節可能な高額なプリンタなども輸入されており、教育関係者だけでなく、触覚関連研究者からも注目を浴びている。

(3)点字プリンタが普及した要因
 点字プリンタが現在のように広く使われるまでは、いくつかの大きな要因があると考えられる。点字は読み書き可能な視覚障害者の文字としての役割を果たした事はいうまでもないが、時代の変遷とともに、点字出力機能は周辺技術とともに多様に発展していたことが上げられる。

 最初は、点字盤の上に乗った分厚い点字紙に点筆で凹凸を付けて点字を書いていたが、点字タイプライターが登場し比較的早く点字が打てるようになった。その後、点字を多量に複製する技術として、亜鉛板製版や超高速点字プリンタが登場している。
 点字をパソコン上で編集するための点字エディタも様々なものが開発されており、視覚障害者の利用だけでなく、点字データを作成するためのボランティアや製版士の活用がむしろ多い状況である。
 点字エディタを使った点訳方法は、点訳ボランティアや、点字製版士が墨字(活字)の原稿を見て、パソコンで点字に対応する6つのキーを押して、入力を行う。電子データであるため、修正や編集が容易であり、内容を把握していることから編集作業もスムーズに進むのである。
 ところが、活字データを点字データに変換する自動点訳ソフトが発達し、スキャナなどで活字を読み取りテキストデータを作った上で、自動点訳ソフトを使う方法も登場しているが、パソコン点訳に慣れているボランティアによると内容を把握していないため修正が大変困難であり、従来のパソコン点訳が現在も行われているとのことである。
 2009年は点字考案者ルイ・ブライユの生誕200周年記念の年であることから、日本民族学博物館で開かれた国際シンポジウム「点字力の可能性──21世紀の新たなルイ・ブライユ像を求めて」の主催者の広瀬浩二郎は、点字が視覚障害者の生活や文化に革命をもたらしたことを説明し、点字は視覚障害者のためだけのものではないと述べた。シンポジストの一人に点訳ボランティアが立ち、点訳ボランティア団体の形成過程と様々な側面についての講演が行われた。
 点字プリンタが現在のように広く使われるようになるまでに、いくつかの大きな要因があると考えられる。点字は読み書き可能な視覚障害者の文字として長年位置づけられてきたのだが、広瀬によると、現在点字エディタを使い墨字を点字になおす作業の多くは熟練したボランティアの手によるものであり、もはや点字というものは視覚障害者だけのものとはいえない時代が来ているとのことである。
 墨字データを点字データに変換してくれる自動点訳ソフトは、点字を知らない方や団体が視覚障害者に点字データや点字を提供するための多大な貢献を果たしているが、現在日本の点字図書館やパソコン点訳ボランティアグループ、専門点訳者などによって制作された数十万タイトルの点訳データは、点訳ソフトによるものではなく、点字エディタを使用したボランティアや触読校正者などの努力が生み出した成果である。

(4)点訳エディタと自動点訳ソフト

 点字ワープロと言われる、点字の電子データをパソコン上で作成し編集するための点字エディタの普及とパソコンが安価になってからパソコン点訳が広まった。熟練された点訳ボランティアや点訳者によって点訳されたパソコン点訳による点字データは点字に打ち出すのみでなく、最近はスクリーンリーダーを使った読書方法や、点字ディスプレイに表示して読むなど、点字プリンタを使った紙ベースの読書方法とは異なった読書方法も現れている。
 点字データを作るのはパソコンだけでなく、点字情報端末機(点字ディスプレイ)からも可能であり、視覚障害者が点字メモした内容を点字プリンタに接続しそのまま打ち出すことも可能となっている。
 本項では、パソコン点訳に使われる点字エディタと、テキストデータを点字データに変換するソフト、自動点訳ソフトについて説明し、ソフトウェアを以下に記す。
 点字(点訳)ワープロは点字データを作成するための点字エディタを指すもので、現在フリーウェアからシェアウェアまで様々である。
 自動点訳ソフトは現在日本で最も多く使われている製品版EXTRAとフリーソフトのIBUKI-TENが有名である。
 自動点訳ソフトには点字エディタ機能も備えている場合が多い。点字エディタとしてIBMのWin-Besが日本ではもっとも多く用いられたが、現在点字編集システムという名称変更とともに、製品版となっている。

・点字エディタ(点字ワープロ)
  コータクン、ブルイルスター、BASE、WIN-BES99
・自動点訳ソフト(点字エディタを合わせ持つ場合が多い)
  EXTRA、IBUKI-TEN 
・点図作成ソフト
  エーデル、Braille Figure

10.支援工学に基づいた支援
 情報障害といわれる視覚障害者への支援には、専門的な知識を必要とする。本章では、大学で必要と考えられる重要な支援機器を中心に記述したが、生活面や学習面では、商品化されない支援技術や支援方法が存在する。
 それらの支援を誰が担うのかまだ解決されていない問題も山積している。支援を受ける正当性や妥当性に対する定義も支援を受ける側の要求水準によって大きく変わる現状も、支援方法が確立されていない事を端的に示すものである。
 石川は「間に合わせ技術」の重要性について述べているが、製品化されていないが障害者に役立つ技術や支援方法が存在することを述べている。中邑は、「ハイテク」と「ローテク」を駆使した障害理解からの支援に取り組んでおり、支援を工学として捉えようとする努力がなされている。

 立命館大学においては、障害学生支援室が設立され、障害学生の担当職員が配置されている。初期にはお互いを理解するための時間が必要であったが、その支援のレベルは日々増加の一方を辿っている。
 情報化社会ともいわれる現在、コミュニケーションの重要性は日々ましており、情報リテラシーの重要性が唱えられたことも久しいが、障害学生を理解するためにはたゆまぬコミュニケーションと一人一人を理解するための時間を必要とする。
 支援機器を研究開発している伊福部は、本来人間がもつ能力を目覚めさせる機器の開発が支援機器開発の究極的目標であると筆者に話した事がある。
 支援機器・支援技術・福祉工学・リハ工学・情報福祉・福祉情報工学・支援工学など、現在障害者支援のための方法論や機器開発分野は多岐に渡っているが、大学における学生支援には、必要とする支援を的確に把握し、可能な限りの支援、合理的配慮がなされることを望みたい。


■註
★01 音声読み上げ機器または、活字読み上げマシン、読み上げ拡大読書機等言い方があるが、英語ではスピーチマシンという。詳しくは、スピーチマシン(活字読み上げ支援技術)をご参照頂きたい。
★02 日本ではスカイフィッシュ社のFocusTalkが、アメリカではGW-Micro社のWindow-Eyesが、Vista発売と同時にVista対応のスクリーンリーダーを発売し、話題となった。

★03 能動的情報処理と受動的情報処理については・大河内[2008]を参照されたい。
★04 ピッチコントロール機能とは、スピードを上げても聞きやすくする機能で、デジタルならではの機能である。テープレコーダーを再生状態で早送りした際、高音になるので、実測値2.5倍を超えると聞き取りにくくなるとされている。
★05 CCTVは一般に閉回路テレビと訳される。英語では、Video Magnifierと呼ぶ場合もある。
★06 紙に手書きや印刷された資料をスクリーンに映し出すための機器で大学の授業等で使用される。
★07 ZoomtextとはNEC社が発売しているパソコンの画面を拡大表示するためのソフトウェアの商品名である。

★08 視覚障害者用触覚ディスプレイには、触覚マウスや触覚テレビなどがNHK放送技術研究所で開発されており、電気信号による『額感覚認識システム:Forehead Sensory Recognition System(FSRS)』、商品名、オーデコ(AuxDeco)が発売されている。
★09 KGS社の場合、点字電子手帳に比べ安価を売り物とした、BT46という点字ディスプレイのみの機能をもった製品も発売している。
★10 ブレイルメモ16はBM16ともいい、国産点字電子手帳の初誕生であり、その後、機能を強化した製品BM24、BM32、BMPK等が発売されており、多くの学生が必要とする製品となった。因みにBM16/24/32/46の数字は表示部の点字マス数を表している。
★11 韓国では、ノートテイカーを『点字情報端末機』と言っており、点字ディスプレイと厳密に区別している。
★12 点字電子手帳に相当するものはKGS社から発売されているが、単体でメールやインターネット、墨字文章作成可能な国産ノートテイカーがない現状である。
★13 現在国産点字プリンタ大手メーカーである日本テレソフト社は、活字と点字を同時出力可能な点字プリンタを開発しており、コンパクトで静かな事から、自治体・社会福祉協議会などで多く普及している。


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韓星民青木慎太朗, 2008, 「視覚障害者における活字読み上げ支援技術(AT)の現状と課題」日本学術振興会科学研究費補助金基盤(B)課題番号18300035(研究代表者 鈴木昌和)及び課題番号17300189(研究代表者 山口雄仁)による研究集会「科学文書の電子処理とアクセシビリティ」
韓星民・大河内直之, 2008,「視覚障害者における情報処理特性を考慮した支援技術開発──能動的情報処理特性と受動的情報処理特性を中心に」障害学会第5回大会(2008年10月25日[土]・26日[日])於:熊本学園大学
韓星民・林真理, 2008 「障害を持つ技術者のサイエンスコミュニケーターとしての役割——障害を持つ支援技術開発者の工学部での講義経験から」 科学技術社会論学会第7回年次研究大会
韓 星民天畠大輔川口 有美子, 2009, 「情報コミュニケーションと障害の分類」障害学会第6回大会 於:立命館大学
広瀬浩二郎, 2004, 『触る門には福来たる──座頭市流フィールドワーカーが行く!』 岩波書店
────, 2009,『さわる文化への招待—触覚でみる手学問のすすめ』世界思想社
福井哲也, 1993, 「日本語自動点訳ソフト4種の精度の比較」『第2回視覚障害リハビリテーション研究発表大会論文集』: 114-117
────, 1996, 「〈高度情報化社会にむけて〉ワープロと視覚障害者」『ノーマライゼーション』16(8): 48-50
────, 1996, 「〈高度情報化社会にむけて〉情報障害という壁」『ノーマライゼーション』16(9): 48-50
────, 1998, 「視覚障害者のための情報機器──そのあゆみと課題」『国際視覚障害者支援技術セミナーワークテック21予稿集』1998
本間一夫, 1951, 「点字の世界──盲人にも文化を与えよ」『文芸春秋』29(2): 187-193
望月優, 1993, 「松島の夜は長かった──「自動点訳」が威力.宮城大会より(障害者サービスを始めよう!〈特集〉)」『みんなの図書館』(通号 199): 34-37
望月優, 1997, 「『ヨメール』,その現状と展望(特集 視覚障害者用朗読システム最新事情)」『視覚障害』(通号149): 7-14
────, 1998, 「〈ハイテクばんざい!〉視覚障害者の読書環境を支える新兵器、音声読書機」『ノーマライゼーション』18(8): 36-41
レイ・カーツワイル・徳田英幸. 2007, 『レイ・カーツワイル加速するテクノロジー』日本放送出版協会
渡辺哲也・指田忠司・長岡英司・岡田伸一, 2004 「視覚障害者のインターネット利用状況とその課題──ユーザ調査とPDF文書のアクセシビリティ−」『ヒューマンインタフェース学会論文誌』Vol.6, No.1, pp.139-146
渡邊寛子, 2006 「中途失明者への点字指導におけるブレイルメモの活用について」福島県立盲学校学習指導1

生存学研究センター報告

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