祝祭と共生プロジェクト

祝祭や儀礼は人間が生存の拠点とする地域、集団、社会にまとまりを与える装置でもあるが、さらにはそれらが作り出す抑圧的な状況を打破するものでもあった。また、それらはそれぞれの集団の固有な信念や喜びや美的なものの観念が埋め込まれた神話や物語と深い関係をもっている。国内では、3.11以降、地域の「祭り」は共同体の維持装置として注目と再評価を集めるに至っているが、被災地では共同体の解体や解体の前提となるであろう人々の移動が余儀なくされている。ひとのつながりのあり方を生み出し、刷新することもできる祝祭はいま、どこで、どのように表れているのか。そして、その祝祭がどのような現実に波及するのか。多彩なフィールドを持つ各研究者の研究領域から、今日の祝祭のあり様を収集し、「共生」社会構築における祝祭的なもの(祝祭に備わる普遍性)が持つ可能性と限界を検討することが、本研究会の目的である。

プロジェクト名 祝祭と共生プロジェクト
研究課題 祝祭の多角的再考から導く共生研究
プロジェクト代表者 渡辺 公三
年度 2012