現代社会エスノグラフィ研究会

「生存学」の争点の中心である「障、老、病、異」に関連する社会的な「弱者」、「少数者」、「負」の烙印化は、災難のごとく突然ある人びとを襲う。病気や事故、自然災害の突然の発生による被害だけではなく、これまで備えていたある属性が突如として排除の対象になることがある。同時に、そのような災難は必ずしも烙印化された人びとの脆弱性を際立たせるだけではない。烙印化された存在はそのことをアイデンティティとして共同性を帯びた関係を形成することを企てることがある。そして、その関係は、当事者集団、運動体など新たなつながりを促進する可能性を備えている。さらに、それらを支える家族、支援者、周囲で活動に参与するアクション・リサーチなど、一元的な共同性を基盤としつつもより多元的な連帯による社会関係を構築するだろう。

カタストロフィをこれまでの弱者(マイノリティ)への排除関係を形成してきたカテゴリーの再編/組み換えを生み出す契機として位置づけることは、それ以前の共同性・関係性を問い直すことにもつながる。本プロジェクトでは、人類学あるいは社会学が取り組んできたエスノグラフィをカテゴリー再編と新たな連帯関係を記述しうる方法論として位置づける。

研究代表者 渡辺克典
チーム名 現代社会エスノグラフィ研究会
研究課題 「当事者」から多元的に広がる関係についての生存学
課題群 A:カタストロフィ/ヴァルネラビリティ