開催報告(2016年2月20日開催)第6回(2015年度第2回) 現代社会エスノグラフィ研究会 公開研究会

掲載日: 2016-03-15

 生存学研究センター若手研究者研究力強化型「現代社会エスノグラフィ研究会」では第6回目の研究会を開催しました。今回は、研究メンバーである永田貴聖(国立民族博物館機関研究員、生存学研究センター客員研究員)が、「『韓国』を消費するだけではない日本人と取り巻く人びと」をタイトルに報告しました。

 文化人類学と社会学の相互の利点を融合させ、新たな民族誌学的記述法を探るこの研究会において、永田は2013年に韓国語学習のために通学したソウル特別市内にある大学付属語学学校での経験から、新たな日本人のエスノグラフィを紹介しました。

 近年、日本をはじめアジア諸国で拡大する韓国大衆文化ブームですが、日本国内においては歴史問題をめぐる日韓関係の複雑化、国内のヘイトスピーチ問題などによって以前ほどメディアに登場することはなくなりました。しかしその一方、こうした国内および国際問題とは距離を置き、韓国の大衆文化を楽しむ日本人も依然多くいます。そのなかには韓国の大衆文化を楽しむだけでなく、さまざまな側面から日韓関係を学び、あるいは韓国で語学留学するなどの人々が現れています。

 永田は韓国の語学学校でこれらの日本人に出会った経験から、韓国の大衆文化を楽しむ日本人の一部が、より深く韓国について学び、日韓のナショナルな垣根を越え新たな場所を生成することの可能性について話しました。それは既存の旧植民地国の文化を消費する旧宗主国の人々といった眼差しを批判してきた「コスメティック・マルチカルチャリズム」の視点だけでは論じきれない議論です。

 研究会の参加者から質問やコメントが交わされました。当日は研究者だけでなく、院生、会社員など多様な背景のもつ参加者がいたことから、自らの体験を踏まえ韓国の大衆文化とそれを楽しむ日本人を通して生まれうる可能性と課題を率直に述べ合いました。

(立命館大学大学院国際関係研究科博士後期課程 李定恩さんによる開催報告を掲載)

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