『正義・平等・責任』から/とともに生存をめぐる制度・政策についてかんがえる

掲載日: 2017年08月24日

日時: 2017年9月9日(土)14:00〜18:00
会場: 立命館大学朱雀キャンパス 203教室
主催: 立命館大学生存学研究センター
参加: 参加費無料、申し込み不要

※駐車スペースがございませんので、ご来場の際は公共交通機関をご利用ください。

企画趣旨

我々の生存をささえる諸制度・政策の基底には、正義・平等・責任といった価値が存在する。だが「それらはいかなる価値なのか(いかなる意味で「価値」であるのか)」、この問いの答えはじつはけっして明らかだとはいえないし、その学術的な探究さえ十分なされてこなかったといってよい。たとえば「貧困や格差の拡大は不平等の拡大であり不正義の拡大である」とのように、現代では平等と正義を結びつける直観は強力である。

しかしそのような直観の哲学的分析を使命とする現代の政治哲学や規範理論において専ら問われてきたのは「何の平等か」という問い、すなわち達成されるべき平等のタイプであり、より根源的な問いである「平等はいかに正義と結びついているのか」や「そもそも平等とはいかなる規範的価値なのか」は十全に探究されてきたとはいいがたい。

他方で、現代では「個人に責任がある貧困や格差は不平等でも不正義でもない」との直観も強力であるが、してみれば平等と正義の関係をめぐる問いのさらに深奥には、それらと責任との関係をめぐるより根源的な問いが透視されねばなるまい。

このたび刊行された『正義・平等・責任――平等主義的正義論の新たなる展開』(岩波書店)において井上彰氏が探究するのは、まさに以上の根源的な問いにほかならない。その探究は、従来の政治哲学や規範理論の不備を補いそれを刷新するのみならず、生存をめぐる制度・政策の基底をなす価値の問いなおしをつうじてそのあらたな構想をも導いてくれるはずだ。

プログラム

14:00-14:20 趣旨説明:安部彰(生存学研究センター客員研究員)
14:20-15:00 コメント1:角崎洋平(佛教大学・学振PD)
15:00-15:40 コメント2:堀田義太郎(東京理科大学)
15:40-16:00 休憩
16:00-18:00 井上彰氏(東京大学)レスポンスおよび会場を交えての質疑応答

お問い合わせ先

立命館大学生存学研究センター事務局
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