堀 智久

私は、これまで障害者運動における「専門職」と「家族」の実践に関する歴史的実証的研究を行ってきました。「専門職」と「家族」の実践に目を向けるのは、彼/女らは、障害者運動の歴史において、運動の主要な担い手となってきたからです。と同時に、障害者運動において「専門職」と「家族」は、障害児者本人とは別の利害を有する存在であるとして、批判の対象でもあり続けてきました。

そこで、私は、「専門職」と「家族」に目を向け、障害者運動における彼/女らの位置、すなわち、彼/女らが、代弁者であると同時に批判の対象でもあるという問題と、いかにして向き合ってきたのかを把握することに努めてきました。具体的には、障害者運動の歴史において、親や専門家と呼ばれる人たちが、いかにして障害児者本人の批判を受けるなかで、自らの抑圧性を見つめ直し、障害児者の視点に立つ実践を行ってきたのかを明らかにしています(論文のサンプル:堀智久「障害の原因究明から親・子どもの日常生活に立脚した運動へ──先天性四肢障害児父母の会の1970/80年代──」『社会学評論』日本社会学会、第229号(Vol.58, No.1)、pp.57-75、2007年)。

生存学は、病や障害を抱えた当事者の視点から、既存の学問の再構築をめざす学的プロジェクトだと理解しています。とくに「生存学」創成拠点では、障害者運動に関する歴史資料の収集やデータベース化にも力を入れてきました(写真に写っている本棚には、障害者団体の機関紙のバックナンバーが並べられています)。私は、この一年間、「生存学」創成拠点のポストドクトラルフェローとして、生存学の研究活動の柱にもなっている、日本の障害者運動の「集積と考究」(歴史及び現在の把握と理論的考察)に貢献していきたいと思っています。

研究領域

障害学、障害者福祉、障害児教育、福祉社会学、家族社会学、医療社会学

最終学歴

  • 平成23年3月 筑波大学人文社会科学研究科博士課程修了

学位

博士(社会学)
筑波大学 博甲第5605号
学位論文:『障害者運動における専門家と家族の歴史的考察──障害児者がいることと、そのありのままの肯定へ──』

現在の職業

立命館大学 衣笠総合研究機構 生存学研究センター ポストドクトラルフェロー

研究業績

(1) 学術雑誌等

【査読論文】

  1. 堀智久「障害の原因究明から親・子どもの日常生活に立脚した運動へ──先天性四肢障害児父母の会の1970/80年代──」『社会学評論』日本社会学会、第229号(Vol.58, No.1)、pp.57-75、2007年
  2. 堀智久「重症児の親の陳情運動とその背景」『社会福祉学』日本社会福祉学会、第78号(Vol.47, No.2)、pp.31-44、2006年
  3. 堀智久「障害をもつ子どもを迎え入れる親の実践と優生思想──先天性四肢障害児父母の会の1970/80──」『ソシオロゴス』ソシオロゴス編集委員会、第32号、pp.148-163、2008年
  4. 堀智久「専門性のもつ抑圧性の認識と臨床心理業務の総点検──日本臨床心理学会の1960/70」『障害学研究』障害学会、第7号、2011年
  5. 堀智久「『障害児の親』が感情管理する主体となるとき」『障害学研究』障害学会、創刊号、pp. 136-157、2005年
  6. 堀智久「教育心理学者・実践者の教育改革運動と精神薄弱児の社会生活能力への着目──精神薄弱教育の戦時・戦後占領期」『社会学ジャーナル』筑波大学社会学研究室、第36号、2011年

(2) 学術雑誌等又は商業誌における解説、総説

【著書】

  1. 堀智久「障害の原因究明から親・子どもの日常生活に立脚した運動へ──先天性四肢障害児父母の会の1970/80年代」杉野昭博編『リーディングス 日本の社会福祉(第7巻 障害者と福祉)』、pp.148-163、2010年
  2. Hori, Tomohisa, Lobbying Movements by Japanese Parents of Children
    with Severe Motor and Intellectual Disabilities during High Economic
    Growth and their Background, Japanese Journal of Social Service,
    Japanese Society for the Study of Social Welfare, No.5, pp.63-78, 2009

【書評】

  1. 堀智久「書評: 好井裕明編『繋がりと排除の社会学』」『年報筑波社会学』筑波社会学会、第Ⅱ期創刊号、pp.136-143、2006年

(3) 国際会議における発表

  1. Hori, Tomohisa, History of Social Movements by Disabled People and Their Parents in Japan: During the Period of High
    Economic Growth and After the International Year of Disabled Persons, International Academic Meeting of Disability
    Studies in South Korea, Kyong Gi University, Seoul, July 2011

(4) 国内学会・シンポジウム等における発表

  1. 堀智久「専門職論を再考する──障害者運動における専門家批判に定位して──」『障害学会第7回大会』、東京大学、ポスター報告、2010年9月
  2. 堀智久「教育心理学者・実践者の教育改革運動と精神薄弱児の社会生活能力への着目──精神薄弱教育の戦時・戦後占領期──」『日本社会学会第83回大会』、名古屋大学、口頭報告、2010年11月
  3. 堀智久「脱家族をめぐる社会学的説明を再考する──日本の障害者解放運動の歴史に定位して──」『日本社会福祉学会第58回秋季大会』、日本福祉大学、口頭報告、2010年10月
  4. 堀智久「自らの専門性のもつ抑圧性の気づきと臨床心理業務の総点検──日本臨床心理学会の1960/70──」『障害学会第6回大会』、立命館大学、口頭報告、2009年9月
  5. 堀智久「1970年代日本臨床心理学会の専門家批判の再検討」『関東社会学会第56回大会』、首都大学東京、口頭報告、2008年6月
  6. 堀智久「障害をもつ子どもを迎え入れる反優生思想の可能性」『関東社会学会第55回大会』、筑波大学、口頭報告、2007年6月
  7. 堀智久「高度経済成長期における重症児の親の施設建設要求運動──愛情による介護義務と陳情型運動──」『日本社会福祉学会第53回大会』、東北福祉大学、口頭報告、2005年10月
  8. 堀智久「70年代先天性四肢障害児父母の会原因究明活動の軌跡──感情社会学のアプローチから──」『筑波社会学会第17回大会』、筑波大学、口頭報告、2005年7月
  9. 堀智久「人類への警告──70年代先天性四肢障害児父母の会原因究明活動の軌跡──」『関東社会学会第53回大会』、立教大学、口頭報告、2005年6月
  10. 堀智久「『障害児の親の身体介入』──『障害児の親』の感情規則による再考──」『障害学会第1回大会』、静岡県立大学、口頭報告、2004年6月
  11. 堀智久「『障害児の親』の身体介入 ──形成外科治療のフィールドワークを手がかりに──」『日本社会学会第76回大会』、中央大学、口頭報告、2003年10月

所属学会

  • 日本社会学会会員(平成14年〜現在に至る)
  • 障害学会会員(平成16年〜現在に至る)
  • 日本社会福祉学会会員(平成16年〜現在に至る)
  • 関東社会学会会員(平成16年〜現在に至る)
  • 筑波社会学会会員(平成16年〜現在に至る)
  • 福祉社会学会会員(平成19年〜現在に至る)

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